毎回思うけどキツ過ぎないか?『Münsterland Giro 2023』
みなさんこんにちは。
こちらはすっかり夏が終わりわずかな間だけ訪れる秋を堪能しているKです。
今回は10月3日(火曜日)に行われた今年最後のレースでもあるミュンスターにて行われたMünsterland Giro 2023に参加した話を書きます。
今回も安定して長文なのでお時間あれば最後までお付き合いください。
あと今回は写真が少ないです。
ミュンスターってこんな所
人口は約30万人程、国内でも20番目に大きな都市です。
そして特筆すべきはその人口の5分の1が学生ということです。
約6万人近くの学生がこの都市に住んでおりドイツの10大大学都市の1つに数えられています。
更に自転車の街としても有名で自転車を利用している人の数が他の街より明らかに多いです。
街の中心地を囲むように特大な自転車道が完備されています。
今回のレース
今回参加したレースは昨年、一昨年と参加しており今回が3回目です。
昨年参加した話を載せておきますのでもし興味ありましたらご覧ください。
今回の参加者
今回一緒に参加してくれたのは普段から私がお世話になっているYouTuberのKEIMASA CYCLE、同じく動画にたまに参加してくれる万能もやし小野くんです。
小野くんとは私が初めてレースに参加した一昨年のこのイベントの後に知り合いました。
当時、彼はミュンスターの大学にて交換留学生として滞在していました。
それだけに実質ホームでのレースなのでやる気に満ち溢れていました(走る前までは)
ミュンスターへれっつらごー
前回、前々回とミュンスターへは電車で向かっていたので今回も電車で向かうつもりでした。
しかし今回は先日車に自転車を積み込むためのキャリーを手に入れたKEIMASAの計らいで車で向かうことになりました。
前輪と後輪、それとフレームの下の部分を固定するタイプのキャリーです。
道中風に煽られると車体が凄い勢いで左右に動くので車内から見ていて超ハラハラしていました。
ミュンスターまでは片道約2時間とあっという間に到着しました。
今回のお供
私はいつもの様にROSE X-Lite 06の色を連れて行きました(名前は最近付けたんですよ)
KEIMASAの今回のお供は最近あまりお目にかかる事がなかったCANYON Ultimate CF SLです。
本来ならELVES FALATH PROを連れて来ますが、今回は車体のご機嫌が優れなかったようで昔からのお供を連れて来たようです。
それもあってか車内で「俺、今回のレースやる気がでねぇ」と嘆いていました。
それと先日参加したハンブルクのレースにてサイコンが壊れてしまったので今回はかなり前に提供でもらったTrimm One Liteを持って来ていました。
久々のUtimateですが装着ホイールはGOKISOなのでブレーキが全く効きません。
レース中に「ブレーキ全然効かないんだけど(笑)」って言いながら困っていました。
まずはゼッケンピックアップ
宿泊先に着いたら荷物と自転車を預けてゼッケンをもらえる会場まで向かいます。
受付会場は毎年同じ場所なので迷う事はありません(車で行ったので駐車場が見つからず迷いました)
ゼッケンを受け取ったら日曜日の内に現地入りしていた小野くんと合流して夕ご飯を食べてパパッと宿泊先に帰りました。
帰ったらジャージにゼッケンをつけます。
ここで運営がやらかします。
ゼッケンには背中に付ける番号札と写真サービスの際に必要となる番号札、それとレース後にパスタと交換できる引換券があります。
まず札をくくるための安全ピンが入っていません。
次に写真サービス用の番号札をくくる結束バンドも入っていません。
極め付けは番号札の中心に何故か切り取り線があります。
そしてパスタ交換券の部分には切り取り線がありません。
運営はあまりの忙しさからか印刷を逆にしてしまったようです。
私だけかな?と思いましたが小野くんの方にも安全ピンと結束バンドが入っていなかった様です。
幸いにも予備のピンを持っていたので事なきを得ましたが一歩間違えたら買いに行く羽目になる所でした。
取り付けも済んだのでパパッと寝ました(¦3[▓▓]
レース当日
朝は7時起き、レース出走時間は9時50分とかなり遅い時間だったのでのんびり準備しました。
この日の天気は13時頃から雨、そして中々の暴風でした。
KEIMASA「すげぇ行きたくねぇ」
K「わかる(笑)」
ホテルを出る前からこんな会話をしていました。
時間になったので出発しました。
小野くんは既に到着していたようでスタートエリアで合流しました。
今回の出走グループはKEIMASAがA、私がB、小野くんがCなので3人ともバラバラのグループにて出走します。
しかし気力が全く湧かないKEIMASAが「今回BでKさんと一緒に走ろうかなって思っていたけどCで3人で走ろうぜ」という提案をしてきたので了承して一緒に走る事にしました(後ろのグループは前のグループには行けないが前のグループは後ろのグループに下がることができる)
のんびり話をしていたらKEIMASAがカメラマンとして度々帯同しているプロチームのSARIS ROUVY SAUERLANDのアマチュア部門の方が声をかけてくれまいた。
あっという間に時間になりいよいよレースが始まりました。
レース開始、ねぇみんな話聞いてた?
昨年参加した際にA、B、Cの全てのグループにて落車があり大変なイベントになってしまったからか今回のレースでは開始から4km地点まではニュートラルスタート(みんなでそこまでのんびり走ろうね)が設定されていました。
しかし開始からいきなり40km巡行です。
K『ニュートラルって話は何処へ?』
進んでは急ブレーキを集団が繰り返したためにニュートラルの時点で落車が発生してしまいました。
心が全く落ち着きません。
あっという間に4km地点になり集団の速度が一気に上がりました。
今頃だけど今回のコース説明
本来ならこのレースはほぼ平坦です。
しかし今回は中盤にかけて5つの短い山岳コースが設定されていました。
後々知りますが中々キツかったです。
レース開始から最初の山(40km地点)まで
ニュートラルが終わり40km地点まではずっと平坦区間です。
私とKEIMASA、小野くんの3人は順調に集団の中に入っていました。
本来ならのんびり集団について行く所です。
しかしレースが本格的にスタートしてすぐにAグループの先頭集団での落車があったようで何人かが倒れていました。
KEIMASA「俺も去年はあそこにいたんだよ」
しれっと怖い事をぶっ放して来ました。
それにしても風が強すぎます。
平均風速が6mとまぁ強い向かい風の中永遠と走ることになりました。
集団内にいるとはいえそれでも時折くる横風が集団に打撃を与えてきます。
何km地点かは覚えていませんが気づけばミュンスターまでの移動中に変な寝方をして筋肉痛になった小野くんがいなくなっていました。
K「小野くんいない!」
KEIMASA「後で来んだろ!それより俺もやばい!」
KEIMASAは1日の日曜日に行われたソフトボール大会に参加しており(野球経験者)普段使わない筋肉を盛大に使ったことにより思う様に足が動かず既に満身創痍の状態でした。
普段なら彼の後ろにひっついて走っていますがこの日は珍しく私が彼を引く事が多々ありました。
KEIMASA「前の集団追いつける!?けど飛ばしすぎると俺の脚がもたん!」
K「はいよー」
少しずつ速度を上げていきかなり前にいる集団の後ろまで私達がいた集団を引っ張り上げました。
K「頑張ったから休むわ」
KEIMASA「ありがとさん」
レースでエースをアシストしている気分でした。
KEIMASAは40km地点まではなんとか集団内で耐えていましたが最初の山道に入った瞬間に一気に減速してしまいました。
最初の山は1.78km、平均勾配5.9%です。
西ドイツには山が全くないので平坦ゴリラのドイツ人達は一気に速度が遅くなります。
更に道が狭いので抜かすにも邪魔で中々前に出ることができませんでした。
今回のレースはいつもと違う
1つ目の山が終わって下ったかと思えばすぐに2つ目の山が始まります。
距離は1.3kmで平均勾配は3.1%。
山道が始まっている事に気づいていなかったので『なんか上ってないか?』って思いながら走っていました。
でも周りが尋常じゃないほど遅いので『あっ、やっぱここ上り区間か』なんて思っていました。
そもそもこのレースでは本来坂道がありませんからね。
去年のレースも合計獲得標高が200mでしたから。
2つ目の山も終わり次の上り区間までのんびり下山しつつゆっくり走る事にしました。
中々来ないけど大丈夫かな?
次の上り区間までは約8kmほどあります。
1つ目の山を上る際にKEIMASAから「先に行っても良いよ」とは言われましたがせっかく同じグループで出走したのでやっぱり一緒に走りたいという思いが強く、ペダルを適度に回しつつ待つ事にしました。
しかし中々現れません。
『もしかして山で力尽きたんじゃ…』なんて心配しながら走っていましたが7km地点で合流する事ができました。
ここら辺から少しずつ雨が降ったり止んだりし始めました。
途中でイベント唯一の補給エリアがありましたが水もおやつも十分にあったので通り過ぎる事にしました。
山、からの山、そんでまた山
55km地点で再び上り区間が現れます。
再びKEIMASAとはぐれる事にはなりましたが後で合流するだろうと予想して先に行く事にしました。
3つ目の山も道が狭く更に路面がかなり悪いです。
上り始めに応援してくれる方々がいたので『もっと大きい声でお願いします』と煽りながら上り始めました。
距離は1kmと短いですが平均勾配が6%程と平坦に慣れてしまった人達からするとちょっと面倒な斜度です。
あまりにも全体が遅いので私はとっとと前に出ることにしました。
間髪入れずに4つ目の山が始まります(58km)
一応、今回のイベントの中で最長距離の1.88kmです。
人が多かったのでちんたら上っていた所、左から見知った顔のローディーがすり抜けていました。
かなり前に離れてしまった小野くんです。
K『あぁ、存在忘れてたわ(内緒)』
しばらく後ろを追走した後、横に並んで声をかけます。
K「あいつ(KEIMASA)見た?」
小「かなり後ろに」
K「無事なら良いや。今回あんまりキツくないね」
小「いや、これが(筋肉痛)」
K「まぁゆっくり走りなされ」
そう言って小野くんから離れて再び山道を上り始めました。
89km地点にてKEIMASAと再会した際に集団の後ろにいたそうですがその時には姿が確認できず、しっかりと再会できたのはゴール後でした。
これ本当にミュンスターだよね?
70km地点、最後の上り区間です。
道が超狭いです。
2人並んだら肩が当たります。
そして凄い斜度です。
瞬間的でしたが15%を超える場所がありました。
そして観客が大勢います。
カメラを装着していたので『カメラあるよー』と指を刺したらものすごく盛り上がってくれました。
しかしカメラを起動しているのかしていないのか分からない状態だったので運が悪かったら全く撮れていないでしょう。
KEIMASAすまん。
道を塞いでいる他の参加者を抜いてしまえば後は一気に上り切るだけです。
エタップの時のような道の狭さとニュルブルクリンクの斜度を合わせたようまぁ大変な道でした。
下山こそ気が抜けない
山が終わり下山しましたが上りと同じように道が狭く、更に路面の凹凸が激しかったからかかなり怖かったです。
そんな時、横から突然日本語で「元気ですか!」元気があれば何でもできる人みたいに声をかけられました。
振り向くとそこには年配のドイツ人参加者がいました。
私が日本人と分かったからか声をかけてくれたようです。
せっかくの出会いなのでお話をしようとした矢先、道端にいたスタッフが「減速」の合図をして来ました。
その後ろには倒れた参加者が。
おそらく路面の凹凸にタイヤを取られて落車してしまったのでしょう。
良い出会いも気が抜けません。
年配の方とはその時点ではぐれてしまいました。
再会するまでの20kmの1人旅
下山し終わると周りには誰もいませんでした。
後からKEIMASAが合流してくるの待とうかと思いましたが、脚が元気だったので『いずれ集団に乗って追いついてくるだろう』と予想してそのまま1人で走り続けることにしました。
それがまさか20kmも単独で走り続けることになるとは思ってもいませんでした。
ずっと単体走行なので道行く方々が皆私に手を振ってくれます。
体力的にも余裕があったので、その全ての方々に手を振りながら走り続けました。
皆さん、本当に喜んでくれるんですよ。
80km地点、曲がった際にKEIMASAがいる集団が迫ってくるのを確認しました。
本来ならば合流すれば良いものの、そのまま1人で突き進むことにしました。
本当に強い豪脚との出会い
約10km、ほぼ直線で向かい風の中、後から集団が追いついてくるのを待ちつつひたすら1人で走り続けました。
しかし、風が強すぎるので徐々に脚が動かなくなってきます。
そんな時、いつの間にか私の後に1人の参加者がいたようで「今度俺は前に出るよ」と声をかけてくれました。
ここから約数km、ものすごい向かい風の中ずっと私を引っ張り続けてくれました。
しかし、私の脚も動かなくなって来てしまったのでお兄さんには先に行ってもらうことにしました。
ようやく合流
再び単独になって数分後ようやく聞き慣れた声が後ろから聞こえました。
KEIMASA「このまま今のスピードで集団に乗って!」
K「ほいよー」
89km地点、ようやく合流です。
K「待ち侘びたわ」
KEIMASA「ずっと後ろにいたのに、ペダル回すのやめて合流すれば良かったじゃん」
K「よくわからんけどそのまま走り続けたかったんだよ」
KEIMASA「俺のナビどっかで止まってたらしくてさ、今何km?」
K「今90km、後30kmちょい」
KEIMASA「まだそんなにあんのかよぉ!だるいわ」
K「後少しだから頑張ろ」
何はともあれ、合流できて一安心です。
どんだけ降るのよ
100km地点を過ぎた頃でしょうか。
前半に少しだけ降っていた雨が再び降り始めます☔️
しかも結構な雨量です。
110km地点の時には前が見えなくなるほど降っていました。
K「毎回思うけどこのレース碌な目に遭わねぇな」
走りながらも出てくるのは愚痴ばかりです。
ようやく辿り着いたミュンスターの街中
残すは後数kmの地点。
まぁまぁ良い集団が出来上がりました。
KEIMASAを引き連れて集団の前に出ようとします。
KEIMASA「俺もういいわ、疲れた」
K「後少しだよ、もうちょっと」
彼も今回のレース直前でかなり大変な目に遭っていたからか珍しく弱音を吐いていました。
しかしせっかく2人でここまで来れたのですからやっぱりハンブルクの時のように一緒にゴールしたいです。
K「あそこ曲がったらゴールだよ!後少し」
KEIMASA「へーい」
ラスト700mを切り最後の曲がりを過ぎた瞬間に集団が一斉に速度を上げました。
しかしながら今回はその集団を見送ってKEIMASAと一緒にゴールする事にしました。
K『いやぁ、疲れた疲れた』
約3時間半のレース、無事に完走です。
レース後
レース後はいつもメダルをもらいます(このイベントでは有料)
購入していないKEIMASAは一足先に宿舎へ戻って行きました。
それを見送った数分後には小野くんが到着です。
私たちと同じように無事に完走できたようで安心しました。
その後は2人でメダルの列に並びます。
あまりの長さに身体が冷えてしまい、いつメダルをもらえるのか分からなかったのでレース後に券と交換でもらうことができるパスタを食べながら待ちました。
メダルをもらった後はパパッと宿舎に戻り帰路につきました。
最後に
ヨーロッパではあっという間にロードバイクシーズンが終わりを迎えました。
最後のレースとしては今回もなかなか散々な目に遭いましたが無事に完走できて本当に嬉しく思います。
帰りの車内でKEIMASAが「もうミュンスターはいいかなー」なんて言っていたので来年は1人で参加するかもしれません。
他にもレースはいっぱいあるので来年は他の国のレースにも参加してみたいです。
今回も最後までお付き合いいただき誠にありがとうございます。
また次回。
ではでは👈