3歳、はじめての花火
息子はこの夏、3歳半になった。
半年前と比べると、おしゃべりが格段に上手くなった。動きはヨチヨチとした幼児のおもかげはなく、ずいぶん子どもっぽくなった。だけどオムツはまだ取れない。半幼半子という感じ。
息子の今年の夏の話題は、なんといっても花火。
保育園で覚えてきた“花火”の歌を、とても上手に歌うものだから、私は息子に何度も歌ってほしいとお願いして、息子はニコニコしながらもう10回は歌ってくれた。
最後に打ち上げ花火をまねたしぐさをしてくれるのだけど、初めて見た時に、本当に打ち上げ花火に見えたのだ。(親の贔屓目といったらなんだけれど)
そんなある日、町内のお祭りが中止になる代わりに花火大会(というにはかなり小規模ではあるが)が開催されることを知った。
息子に本物の打ち上げ花火を見せてあげたい。
実は二度目なのだが、一度目はまだ1歳になる前、コロナが蔓延する前、近くの街の花火大会を一緒に見たことがある。でもきっと本人は覚えていないだろうから、実質初めての花火大会。
夫はその日家にいなかったので、私の母が来てくれた。
息子に、今から打ち上げ花火を見るよ、と声をかけてもいまいちピンときていない顔で、それよりも夜の暗闇を歩くことを怖がっている。(夜出歩くことも初めてだ)
もしかしたら花火も怖がるかもしれないね、と母と話しながら3人で高台に向かう。大きな音と光を怖がるだろうか。息子はけっこう怖がりだ。
私の不安をよそに、時間通り花火が打ち上がった。
わっと歓声を上げ、手を広げ、ジャンプをし、全身で興奮を表現する息子。
「花火、すごいね!」「次はみどりだよ!」「もう終わり?もっと見たい!」と大はしゃぎする姿に、私も母もほっとして笑い合った。
また来年もいっしょに花火を見ようね。