回避の果てに
回避性パーソナリティ障害で一番きついことは、仕事が続かないことだと思う。
二番目は人間関係が構築できないこと。
この二つでつまずくと人生はとても虚しいものになる。
回避性パーソナリティ障害に当てはまるような人間の一番辛いことは、症状そのものよりも、その結果である。
例えば、うつ病の人は酷いときには起き上がることもできなくなる。パニック障害を抱えている人は、パニック発作で死ぬんじゃないかと思うくらいの苦しみを経験する。強烈なトラウマを抱えている人はフラッシュバックに苦しんだり、ストレスが身体症状となって現れる人には体の痛みに苦しめられる。
回避性パーソナリティ障害の主な症状は「回避すること」だ。
それ自体は痛みや苦痛を伴うものではないが、そのために挑戦して失敗して成長するということができず、年をとっても、積み重ねてきたものが何一つ残っていない。
この現実が一番きつい。
年齢は関係ないと世間では言うし、私も結構そう思っている派だ。とはいえ、絶対に超えられない壁というものもある。
仮に今恋人ができたとしても、ボーイフレンドと手をつないで学校から帰るなんていう、甘酸っぱいキラキラな恋愛は、経験できないだろう。
まあみんながみんなやりたいことや憧れたことを実現できているわけではないとは思う。
だが、それにしたって私は回避しすぎた。避け過ぎた。逃げ過ぎた。
そうやって失ったものに対する後悔とどう折り合いをつけていくのか、そして今からでも挑戦して失敗して成長すること。
これらが、この診断に当てはまるような人間の課題なんだと思う。私は今、それをやっている最中だ。
この投稿もその一つ。
大勢の人の目に届くとは思えないけれど、少しずつ、積み重ねていくことに挑戦している。
30点の文章でも、挑戦した。だからこれは成功なのだ。失敗すると、成功なのだ。
私は今、前を向いているのです。