高校生がオープンキャンパスで見るべきもの聞くべきこと_大学選び
ほとんどの大学がオープンキャンパスを開催するようになって20年以上となり、高校生にとって進路選択の最重要行事となっている。コロナ禍では模擬授業を動画にした大学も多かったが、今は対面方式に戻っている。しかし、模擬授業の動画を残していたり、学内もストリートビュー方式で見られるようになっている大学が多い。
一方、オープンキャンパスは、どこかよそ行き的な行事で、いつもとは違う見栄えのいい授業やイベントばかりではないかという批判は以前からあった。大学にとっては、受験生を確保するための最重要イベントであるため、ある程度そうなるのも当然と考えている。
これらを踏まえて、高校生が進路選択のために最適な材料を集めることを目的とした場合に、オープンキャンパスで見るべきもの聞くべきことを以下にまとめてみた。
ついつい、決められたコースを見学して、模擬授業に出るだけではオンライン情報とあまり変わらない(現場を体感する効果は大きいが)。大学案内に書いてあることを聞いても意味がない。黙っていると教員や在学生から、マニュアルどうりのフツーの説明を聞かさせるが、これだけでは実にもったいない。
聞くべきことは、本音を話してもらうという意味とユーザーの立場から、教員より在学生と考え、在学生との相談イベントに参加することを想定して考えてみた。在学生との相談イベントがない場合であっても、案内者等に話しかけて聞ける内容である。一般論だけでなく、あなたはどうしているかを1人称で聞くのがいい。
見るべきもの
(1)在学生向けの掲示板に貼ってあるもの
在学生への情報は電子掲示板が主体であるが、リアルな掲示板も残っていて、ここに緊急だったり重要だったり、そうでもない情報も貼ってある。中には明らかに古い情報もあるが、学内で学生向けにどんなイベントがあって、何を伝えたいのかがわかり、いつもの学生生活が垣間見える貴重な場所である。
(2)聞くべきことで聞いたもの
聞くべきこと(在学生に)
(1)空きコマはどこで過ごしているか?
1時間目と3時間目が授業の時に2時間目をどこで過ごすのかを聞くと、居場所がわかる。図書館、学食、学内外のフリースペースの使い勝手がわかるからである。同様に授業終わりの過ごし方を聞くと、サークルの活動状況を含めた居場所がわかるので、そんな質問を追加するといい。
(2)何か困ったときに大学のどこに相談しているか?
大学のガイダンスでは、授業、大学生活、就職等の相談窓口があることを説明している。しかし、在学生に聞いてみることで、その使い勝手がわかる。最近は多様な相談窓口が増えているので、せっかくなら必要な時に忘れずに利用したいものである。
(3)高校時代に知らず、大学に入って知ったこと
できれば、多くの在学生に聞いてほしい質問である。在学生が高校時代にキャッチできなかった情報こそが、表に出ていない真実である。これこそが、進路選択のために最適な材料になると考える。