世界一わかりやすいアランの幸福論「笑うから幸せ」#1
アランの幸福論とは
アランとは本名エミール=オーギュスト・シャルティエ、フランス中世の作家です。アランとは執筆活動をするときのペンネームです。
アランは20世紀前半のフランスの思想に大きな影響を与えた哲学者でもありました。
彼の一番有名な著書が幸福論(1925年)です。アランの幸福論は今日ではヒルティ、ラッセルの幸福論と並び、3大幸福論と呼ばれ現代でも読み続けられる名著となっております。
アランの幸福論って名前は知っているけど読んだことない、難しそう、つまんなそうって思っている方もいるのではないでしょうか。全然そんなことなく、逆に現代社会にピッタリな全員に読んでもらいたい本です。
私は、学生時代哲学者の研究をしていたので様々な哲学者の本や論文を読みましたが、アランほど優しくて熱血でポジティブな人はいませんでした。
哲学者は大体暗くて、一人ぼっちで緻密で論理的な人が多かったけど、アランはちがいました。アランが緻密で論理的ではないわけではありません。アランは大衆にわかりやすく伝えるために噛み砕いて、より具体的な事象の解説をしてくれていたのです。緻密で論理的な話って難しいですよね。同じくらいそのことに詳しい人しか理解できないことをアランは嫌っていたのです。アランの時代であればなおさら大衆と学者には知識の差は多かったことでしょう。
もしも自分が頭の良い哲学者だったら自分の考えを体系的(一般的)にして、なんとか主義とかなんとかイズムとか言って自分の主張を確立したくなりませんか?
でもアランは違いました。アランは体系化を嫌って目の前にあるその事象一つ一つに対して考えるということに徹底していました。なんとか主義なんとかイズムとかってやっぱり難しいですよね。それだけでそれ以上先に進むのが億劫になります。アランの幸福論に難しい話は一切出てきません。そして体系化された本ではなく、93個のそれぞれ独立したエピソードから成っています。
1ページから最終ページに向かって順を追って幸福について描かれているのではないので、どこから読んでも構いません。3大幸福論として括られてはおりますが、アランの幸福論はいわゆる哲学書ではありませんので、短編小説を読むくらいの気持ちで読んでみることをお勧めします。
また他の哲学書は「幸福とは」について書かれるのに対してアランの幸福論は「幸福になるための方法」が具体的に書かれています。
ここまで書いたようにアランの幸福論は皆に読まれるために書いてあり、著者の考えとそれが正しい理由がつらつらと書かれているものではありません。アランの本業は教師でした。アランの幸福論は生徒(読者)がわかるように書かれたいわば幸福の教科書となっています。
また体系的な本ではないため、読者の状況や様子に応じて自分に合う皆異なった受け取り方ができます。もしも転職で悩んでいる人がいればそれを後押ししてくれるような、告白するか悩んでいる人がいればそれを後押ししてくれるようなそんな本になることでしょう。
いかがでしょうか?読んでみたいなと思ってくれる方がいたらとても嬉しいです。読んで損をすることは絶対にない本です!次回以降幸福論の内容について自分なりの解釈を書いていきたいと思います。ではまた次回!