「学歴社会」から「学習履歴社会」へ 探究学舎代表・宝槻泰伸インタビュー
勉強も受験も教えない塾「探究学舎」。
探究学舎は「興味開発」という旗印のもと、元素・宇宙・生命進化・戦国英雄・算数・アートなどのテーマで、唯一無二のオリジナル授業を日々開発しています。
そんな探究学舎ですが「興味開発」の先に目指すビジョンを掲げています。
それは一体どのような世界なのでしょうか?
そして、その世界を実現するための具体的なアイディアとはどのようなものなのでしょうか?
代表・宝槻泰伸に直撃インタビューをしてみました!
※「興味開発」とは?・・・「能力開発」の反対語。「能力開発」がいわゆる学校の勉強、「興味開発」は探究学舎のように興味の種をまく教育を指しています。
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ー単刀直入に聞きますが、「興味開発」の先に目指すビジョンとはどのようなものなのでしょうか?
ずばり、探究学舎の目指すビジョンは「学歴社会」から「学習履歴社会」へパラダイムシフトさせることです。
「学歴社会」は、ご存知のとおり最終学歴や資格などで「判定」され、既存の形に個人が当てはめられていく社会です。形でいうとピラミッド型に人が並べられる。「学歴社会」の構造では、このピラミッドの上位10%くらいの人だけが恩恵を受け、個人個人が持つ個性には光が当てられません。
一方、「学習履歴社会」とは、人がピラミッド型に並べられ、判定によって形が定められるのではなく、個人個人がアメーバのように存在しているイメージです。形のないものがうねりながら、各々の赴くままに自由な方向へ伸びていく、境界線が無く、つながっていく、そんなイメージです。僕は「学習履歴社会」のほうが、多くの子どもの個性が愛でられると信じています。
ーなるほど、「学習履歴社会」は従来の「学歴社会」とは全然違うものなんですね。
ところで、そもそも「学習履歴」ってどんなものなのでしょうか?
「学習履歴」は、子どもの成長の「過程」を「見える化」したものです。これまで何を学んできたのか、その学習体験を通してどんな意欲関心が芽生えたかっていうことをログとして残すことで可視化します。
そしてそれを、顧客名簿のような基本情報としてデータベース化します。
ーどんな学習の経験をしてきたか、ということのログを残すというのは面白いですね。ところで、その「学習履歴」は何に繋がっていくのでしょうか?
まず一つ目は、探究学舎のサービスの質の向上に繋がります。
顧客の学習履歴を見える化すれば、一人ひとりに合った学習体験の提案ができます。学習履歴の中には、探究学舎のサービスの購入履歴はもちろん、いまその子がどんなことに困っているか、どんなことに成長感や達成感を感じているか、どんな挑戦をしたいかという細かい情報も含まれています。だから、それぞれの個性に合わせて必要な学習機会を提案したり、オンライン三者面談などのサービスを提案したりしていきます。そしてまた、その子だけの新たな学習体験を作り出していく。
このようなサイクルを全ての生徒に対して回していき、一人一人の成長を本当の意味でサポートしてくことができます。
しかし、探究学舎の現状は「オンライン授業を販売している会社」になっています。努力はしていますが、本当の意味で一人一人の生徒に向き合えているかというと十分ではありません。
したがってこれからは「オンラインスクールを運営している会社」にバージョンアップしていきます。オンラインスクールは『「先生」と「生徒」の関係性を構築する』という点で前者とは大きく異なります。その関係性を構築する際に「学習履歴」は重要な役割を担います。
二つ目は、顧客にとってのメリットです。「学習履歴」が、それを利用する親子にとってどんな意味があるのかと言うと、まさに「興味開発」と繋がっていくのです。
探究学舎の「驚きと感動の種をまく」授業を通して自分の好きなことをどんどん見つけていくということが、親子にとって一つの大きな目標だと思っています。でも、好きなことを見つけてそれを深ぼっていくのに、できるだけ多くの授業を受ければいいのかというとそうではない。必要なのは、その子が体験した学習の一つ一つを振り返るということです。
例えば、ここに宇宙編を3年生の時に受講した子がいるとします。その時その子はどんなことにはまって、どんなチャレンジをしたか。宇宙編をきっかけに科学館やプラネタリウムに行ったこと、本を読んだこと。そして4年生のときに元素編の授業を受けたら、宇宙と元素のつながりがさらによくわかってきて、科学全般への興味の扉を開くことになったこと。
この学習体験の情報を、全部「学習履歴」としてログに残します。
この情報だけでも、この子が小学校の中盤でサイエンスに興味関心を開いたことが、本人にも、その親にもわかる。そして僕たち探究学舎スタッフもこのような情報を手に入れることで、一人一人の個性をよりしっかり見つめることができる。
ー学習履歴をどのように残していくのですか?
僕が考えているのは「マイページ(顧客ページ)」を作ること。
コンセプトは「積み上げる」。
学習履歴っていうのは積み上げることが重要だと考えています。生まれてから死ぬまでのデータを積み上げ、更新し続けることです。
探究学舎は「帰納的」学習を大事にしています。一つ一つの学習体験を積み上げていった先にある、自らの個性とか可能性っていうのを探究していく。
そうすると必然的に、魚くんは魚くんだなとか、電車くんは電車くんだなとかね。動物くんは動物くんだな、パソコンくんはパソコンくんだなっていう個性が見えてくる。
過去を振り返ってコネクティングしながら、将来を展望するっていうことが、以上にますます具体的にサポートされる。
そして「学習履歴」のログを残していくということは、オンラインスクールと極めて相性がいいってことに、随分前から気づいてたんです。「学習履歴」はどうしてもアナログでは取りづらいんです。ログをとるというのはデジタルなものほど強力なんです。
コロナ禍を経て「学習体験」がオンライン化されてきています。が、子どもたちの学習体験というのは、本を読んだり、魚をとったり、料理をしたり、アナログで起こっているものなんだけれど、そのアクションをデジタル化する。つまり、文字にしたり写真にしたり、動画にしたりして、マイページにアップロードしてもらうんです。
つまり、学習履歴に残す情報とは、「文字」と「写真」と「動画」ですね。
ーなるほど、もしその「学習履歴」が実現したら、社会にどんなインパクトが与えられるのでしょうか
「能力開発」というコンセプトのシステムは、社会の中で強固に整備されています。
例えば、英検1級とか、一級建築士とか、〇〇の資格っていうのは全て「その能力がある」、ということの証明ですよね。その能力を磨くための学校とか、カリキュラムは、この社会において隅々にまで行き渡っています。
一方で「興味開発」は「子どもたちの興味関心を育てる」というお題目としての役割しか果たしていないのが現状です。しかし「興味開発」はこれからの世界において絶対に必要な学習のコンセプトです。
子どもの「学習履歴」が数年間にわたり記録されていくことで、初めて「興味開発」が市場にとって実体をもつと僕は思っています。「興味開発」と「学習履歴」がセットで世の中に流通し始め、学習塾や学校などの教育機関が追随するような状態になったら、進学や就職にも効力を持ち始めるでしょう。
その第一歩が探究学舎における「学習履歴」データベースです。
ーありがとうございます。
最後に、やっちゃんはこの社会を実現するのに、どんな仲間と一緒に歩んで行きたいですか?
「ウォームハート、クールヘッド」
一言でいえばそんな人財です。
これはイギリスの経済学者、アルフレッド・マーシャルの言葉なんですね。
経済学の目指すところは、単に理論的な計算というもの、つまりクールヘッドだけを持つのではなく、それを通じて人々がどのように幸せになっていってどのような展望をつくっていくかという温かい心、つまりウォームハートも必要なんだ、という意味です。
だから冷静で批判的で、非常識で革新的なアイディアを作り出し、それを論理的に構築するクールヘッドは必要だけど、作り出すものが、子供や人類にとってどんな意味をもたらすかっていうことを、常に熱く感じている。そういう志を持っている仲間と一緒に実現していきたいと考えてます。
やがて、GAFAT(ガファット)と呼ばれるようになりますよ(笑)
ーGAFATってなんですか?(笑)
僕たちは、世界中の何十億人の子どもたちに「興味開発」と「学習履歴」をセットで届けます。それこそが、僕たちのかかげる「学習体験の再発明」というミッションです。
GAFAはデジタルテクノロジーの王者だけど、そこに「教育」という分野でTanqgakushaが名乗りをあげます。
ぼくたちと一緒にGAFATへの航海にでかけましょう!
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【採用募集開始しました!】インフォメーション&テクノロジー職
「学習履歴社会」を構築していくには「学習履歴」を司るシステムが必要になってきます。
そこで、探究学舎は本格的に『インフォメーション&テクノロジー プロダクトチーフ』職の採用に踏み切りました。
「学習履歴社会」の構想にご興味を持たれた方は、ぜひいちど採用ページをご覧ください!
熱量のある方をお待ちしております。
<採用ページ>
https://tanqgakusha.jp/about/recruit/
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企画・インタビュー・ライティング:あい
探究学舎広報担当。【価値ある接点の最大化をデザインする広報】を目指し、日々楽しく奮闘中。趣味はドライブと朝活。
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