たんぽぽ

短歌、詩、エッセイを書きます。いつか1冊の本を出せたなら……

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最近の記事

恋とも言えないようなものだった

これは、私がはてなブログに2回に分けて書いた文章で、実話である。アクセス数が良かったのでこちらにも載せておく。 度々書いているが、私は小学生の時に性犯罪の被害に遭った。幼いが故にその意味が解らず中学生までは普通に過ごしていられたが、高校入学の直前にフラッシュバックが起きて同年代の男子と会話が出来なくなった。つまり、加害者がその年代であった。   私が通っていた高校は共学校だったが、女子の人数の方が圧倒的に多い。男子生徒が少ないせいか、女子の中には若い教員に熱をあげる者も多

    • 短編小説の集い「花と奏」ふりかえり

      これまでの私は、誰かに読んでもらうためではなく、ただ自分の書きたい衝動の赴くままブログの文章を書いてきました。 遊び半分で小説らしきものを書き、小説家になる夢を見るのは中学で終わりにしたのです。 この頃は読書すらしなくなったので、短編小説を書こうとした時に(えっと、小説ってどんなものだっけ?)と思ったほどでした。 それなのに書き始めるとストーリーは勝手に暴走し、どう展開するのか自分でも解らなくなりました。私は、結末さえも決めていなかったのです。 2000字を超えたあた

      • 花と奏

        この日、都内の区立中学校では入学式が執り行われた。式は午前中に終わり、教室で新しい教科書が配られて下校となった。 風が少し強く肌寒かったが、いつもくすんでいる空が青々と輝いていた。校庭の桜は満開で、空の青とピンクのコントラストが鮮やかだった。中学生活が始まったというのに、花の心は空のようにスッキリと晴れてくれない。花の母はやたら機嫌よくあれこれと話しかけたが、花はその半分も聞いていなかった。二人はバスに乗った。徒歩で通える学区内のA中ではなく、隣区の中学校にいわゆる越境入学