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軽井沢で『マラソン』を走る (急) " 旅先で『日常』を走る ~episode47-③~ 長野編 "

前回のあらすじ


〜 軽井沢で『マラソン』を走る(破) 〜

“ いよいよ明日は軽井沢だ! そもそものこの旅の目的である『軽井沢でもう一度走る』を実現するのだ。しかも、一人で走るのも味気ないので、この近辺にいるランニング仲間を二人ほど招いてあるのだ。楽しみだ!”


軽井沢で『マラソン』を走る(急)

この記事は三部作の最終回になります。未読の方は『序(ここからリンク先に飛べます)』からお読みください!

  ① いざ、軽井沢

前回からまた一夜明け、今日は2021年8月16日。
世の中はお盆明けの月曜日ということで、今日から仕事に戻る方も多いようだ。しかし、私は今日までが夏休みなのだ。フフッ。

詳しくは前2回の記事を読んでいただきたいのだが、私がお盆休暇を費やして決行した長野旅のそもそもの目的は、「2年前に台風で中止になった『軽井沢マラソン』を走りたい。しかしコロナ禍で再開の見込みもないので、勝手に軽井沢を走って満足しよう。」というものだった。ちなみに、2年前も有志で軽井沢の街を走り、憂さを晴らしたのだ。

悪天候の中の旅でアクシデントが続き、一時は無事に帰ることができるか不安になることもあった。それでもなんとか旅行最終日の今日、予定通りに軽井沢にたどり着く運びとなった。

私は張り切って早起きをし、朝風呂に浸かって、宿を8時前には出た。じつは、戸倉駅を8:13に発車する電車に乗らなければならない。今日はこの三泊四日の旅のなかで唯一、人と待ち合わせをしているのだ。
私が所属しているランニング部の母体となっているクラブには、全国各地のメンバーが散らばっている。あらかじめ軽井沢の近くに在住しているメンバーたちに声を掛けており、今日は2名のメンバーと合流する手はずが付いている。

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戸倉駅には8:10に着いた。私が乗る予定の電車は、すでに3番線ホームに到着していた。先頭車両のボックス席に乗り込み、発車を待つ。この路線も昨日は長野方面が運休となっていたが、ようやく雨も止み今日の朝から全線復旧となった。

電車は定刻通り戸倉駅を発車し、上田・小諸方面へと進んでいく。ふたつ先の駅に停車したところで、後方から不意に声を掛けられた。
「大野さん。」
声の主はN島さんだ。2年前の軽井沢ランオフでもご一緒した、30代地下アイドルオタクである。この近くにお住まいで、本日は私のために有休を取得しての参加となる。
そういえば、あの時も大型台風の影響で長野以北の交通機関がマヒしていた。じつはその時は、N島さんからもらった情報によって、私は復旧したばかりの第三セクター線を乗り継いで日本海に出ることができたのだった。

これからN島さんと2人で上田駅まで移動し、もう一人の仲間と合流する予定になっている。
「どうも、お久しぶりです。」と口では言うものの、あまり久しぶりな気はしない。ZOOM会で定期的に一緒になり普通に会話もするし、Facebookでも互いの近況をなんとなく把握している。

N島さんに「最近、アイドルのイベントには行けてるんですか?」と、水を向ける。「ライブで東京に行っていて、昨日帰って来たんですよ。」「マジですか?」などと話しているうちに、電車は上田駅に到着した。

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改札を出て、お城口のロータリーに向かった。ここでM林さんと合流する手はずになっているのだ。M林さんはここ上田市出身で、今日は帰省中の実家から参戦となる。

M林さんは、東京での仕事を早期退職し思い切って群馬県のとある村に移住された、50代の男性だ。ついでに報告すると、キャリア40年超の年季の入ったアイドルオタクである。私は心の中で、M林さんを「師匠」と呼んでいる。
この連載で何度か触れているが、私も40年近いキャリアを持つ生粋のアイドルオタクである。よって、今日は奇しくも30・40・50代の各世代のアイドルオタクが一同に会したのだ。

ロータリーの右手が駐車場になっている。N島さんと二人でそちらまで進む。M林さんを見つけるために、群馬県のナンバープレートが付いている自動車を探す。すると後方から不意に声を掛けられた。
「大野さん。」
M林さんだ。実際にお会いするのは初めてだ。しかし、私はM林さんとも普段からオンラインで交流をしている。2人でアイドルについて語り合う様子を垂れ流す内容の、ZOOM会を開催したこともあるのだ。

我々は挨拶もそこそこに、今日の行程について相談を始めた。「今、長野県はコロナ感染が拡大していて、特に軽井沢は県外からの観光客があふれている。なるべく人混みには入りたくない。」と、M林さん。
たしかに、群馬の村に新型コロナウィルスを持ち込んでしまったら、その地で暮らし続けることは難しいだろう。

M林さんから「上田の街を軽く案内してから、軽井沢に移動するのはどうですか?」と提案を受けた。ここはお言葉に甘えることにしよう。私はM林さんの車の助手席に乗り込み、N島さんには後部座席に座ってもらった。

それでは、上田経由軽井沢行きのドライブ、スタート!

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我々3人を乗せた車は駅前のロータリーを抜け、目抜き通りを上っていく。私が昨日走ったルートだ。坂を登り切ったところで左折する。M林さんによると、「このあたりが、上田で最も栄えていたところです。この角には百貨店もあって、休日は人でごった返したものです。」とのことだ。

そのまま少し進んだ路地に、自動車は停車した。
「ここが上田高校です。城の敷地内に校舎が建っている、全国的にも珍しい学校なんです。ちなみに、私の母校です。」

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史跡がそのまま学校の施設の一部として転用されている。風情がある佇まいだ。

しかし、遅刻した時に門を乗り越えて忍び込んだり、授業中に抜け出したりすることが極めて難しそうな作りだ。お城だけに。

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我々一行はふたたび車に乗り込み、上田城の駐車場に車を停めた。

続いては、M林さんの案内で上田城公園の散策だ。

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昨日もこのあたりを軽く走ったが、ざっくりと城の全体像をなぞっただけだった。

M林さんから、当時はお城の石垣のすぐ前に川が流れていたことや、その地形を生かして城全体が作られていることなど、上田城の基礎知識についてレクチャーを受けた。知識を得てから見る風景は、昨日とはまた違った印象になる。

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雨こそ降り出してはいないが、雲行きが怪しい。早めに移動しておいた方が良いだろう。我々は車に戻り、次の目的地である軽井沢へと向かった。

途中、上田城下の歴史ある街並みを車窓から眺めながら、

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小諸を経由して、一気に軽井沢まで進んだ。

車中の会話は主に「現代のアイドル事情について」 この話題に終始した。N島さんのアイドル(&声優)オタク遍歴を伺いながら、ここ10年ほどのアイドル界の動向とコロナ禍でのオタ活(オタク活動)について、理解を深めていった。

道中緩やかに坂を上り続け、景色を見る限りかなりの標高に上がってきたと感じた頃、軽井沢に到着した。

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 時刻は11:30過ぎ。まだランチには早い。先に軽井沢マラソンを決行することにした。ただ、大きな懸念がある。M林さんは普段ランニングを習慣にはしておらず、N島さんも前回の軽井沢ランオフでは途中棄権という実績をお持ちである。お二人の走力が、とても不安だ。

熟考の末、ランニングをあきらめた。臨機応変な私。
リュックからノルディックポールを取り出し、組み立てる。私はノルディックウォークで、同行の二人は歩きで、軽井沢の街を2年前と同じルートで辿ることにした。

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2年前と同じく、駅前の広場をスタート地点にして、我々の『軽井沢マラソン2021』の火ぶたが切って落とされた。
いざ、スタート!

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まずは公園沿いの歩道を進み、信号の先二つ目の角を、左に入っていく。

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道の両側に木々が立ち並ぶ。閑静な別荘地だ。

まっすぐに伸びた人気のない道を、我々は颯爽と進んでいく。

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私はM林さんと並んで、話しながら進んで行く。M林さんによると、この一帯は人気の別荘地だが土地の売り手がいないので、軽井沢に別荘を探していた人たちも諦めて白馬あたりで購入するらしい。さすがは長野県出身者だ。地域の事情に詳しい。

2kmほど進んだところで、旧軽井沢の通りに出た。

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盆明けの月曜日で天候も芳しくないせいか、人はあまり出ていないようだ。

交差点に差し掛かった。前回は左に入った気がするが、今回はなんとなく、右奥に伸びた道を進むことにした。

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観光客向けのちょっとした土産物屋やテニスコートなどを通りすぎる。しばらく進むと、結構上り勾配がきつくなってきた。
そういえば、さっきからN島さんの姿が見えない。後ろを振り返ると、5mほど後方から弱々しい足取りでこちらに向かってきている。がんばれ!

どうやらこのまま進むと、山道に入ってしまいそうな感じだ。ここらで角を左に入って元のルートに戻ろうか。と話しかけようとしたが、隣にM林さんの姿はなかった。視線を前方に移すと5mほど前方に、勢い良く手を振りながら大股で高速歩行をしているM林さんを発見した。

一旦追い付こう。

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小川に架けられた橋を渡り少し進んだところで、M林さんに追い付いた。「この先、なにもなさそうですね。」ということで、引き返して適当なところで元のルートに戻ることにした。
振り返ると、N島さんは10mほど後方にいた。

我々は引き返し、橋を渡った少し先の辻を右に入った。ふたたび、人気のない静かな道をしばらく進み、角を左に曲がると、前回走った時のルートに戻った。
M林さんが、「この先の湖がいいんですよ」と私に教えてくれた。そういえば、前回も湖の横を通ったような記憶がある。

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道なりに進み丁字路に差し掛かったところで、N島さんが「私はここでショートカットします。」と告げ、左に曲がっていった。残念ながらN島さんは、ここで2年ぶり2回目のリタイアとなった。
私はN島さんに、基礎体力をつける武器として、ノルディックポールの購入を勧めた。

ここからしばらくはM林さんと2人で進んでいく。後ろを気にする必要がなくなり、ペースは一層早くなる。「なんでそんなに早く歩けるんですか?」 単純な疑問をM林さんにぶつけてみた。
「山歩きが趣味なんですよ。」
日本百名山の多くを走破した経験により鍛えられた脚力だそうだ。納得。

少し進んだところで、左手に泉を見つけた。

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なかなか絵になる風景だ。我々はごく自然に立ち止まり、写真を撮った。

さらに進み、突き当たりを左に曲がると、左手に『雲場池』の看板が現れた。そのまま池のほとりまで入り、小休止する。

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前回走った時は集団行動だったので、湖がすぐ傍にあっても道草できなかった。今回のように土地勘がある方のアテンドがあると、その土地のお気に入りスポットを紹介してもらえる特典がある。

しばらく二人で湖を眺めていたが、待ち人の存在を思い出し、ふたたび歩きだした。

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元の道に戻ってすぐ先の交差点で、N氏と合流した。

ここから駅までの道のりは、3人で歩調を合わせて話しながら進んだ。

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そして駅前をゴールとして、計7kmの道のりを歩き切った。

私はついに、「軽井沢でもう一度走る(歩きだが)」という悲願を完遂したのだ!

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その後は駅の向かい側に移動して、プリンスショッピングプラザの店で、

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ハンバーグのランチを摂った。

その後、名残惜しいが駅の改札前でN島さんとはお別れし、私はM林さんに横川駅まで車で送っていただいた。

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横川駅で峠の釜めしを買い、帰途に着いた。

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軽い気持ちで決行した3泊4日の長野旅だったが、アクシデントあり出会いあり、最後には目的を達成できて充実した4日間になった。
M林さん、N島さん、ありがとうございました!

連載 " 旅先で『日常』を走る " 、1年半という長期に渡ってのご愛顧に感謝します。蒲公英先生の次回作にご期待ください。

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とキレイに終わりたいところですが、ちょっといいですか? もう少しだけ、お時間を頂戴してもよろしいでしょうか?

じつは後日談が少々ございますので、お時間がございましたらお付き合いください。

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   ②長野旅、リベンジ編

お盆休みを使った長野旅から戻り、その翌日から仕事に復帰した。そして、金曜日の夜のこと。

「週末なにしようかな?」と、明日明後日の予定を考えていた。
手元にある青春18きっぷは、あと2日分残っている。先週の旅ではアクシデントが多すぎて、使い切ることができなかったのだ。JRの各駅停車のみを利用して、土日の2日間で行って帰って来られるルートを考える。

「福島第一原発を遠目に眺めながら走る」「猪苗代湖でラン&喜多方ラーメンを堪能する会津旅」「静岡でサウナと温泉に鮮魚尽くし」などいろいろな案が思い浮かんだ。しかし、今週末も天気が不安定なようだ。天気予報で晴れマークが目につく地域は、東京と新潟くらいだ。新潟は遠いし、第三セクターが多くて手持ちの切符を活用できない。

ならば東京と新潟の中間くらいの場所に行けばいいのではないか? 雨を回避でき、距離的にもちょうど良い。思いついた俺天才!
さっそく地図を確認して、旅程を組もう。東京と新潟の間にある場所は…

長野県ですね。そこには先週行ったばかりで、さすがに2週連続はちょっと。

いや、悪天候で行けなかった長野市を攻める手はありだな。先週の旅も、予期せぬアクシデントが次々に起こって面白かった。しかし、一年半も続けた連載の最終回が、この長野編なのだ。せっかくだから、ビシッと終わらせたい。
また、先日Twitterで画像を見たきっかけで、戸隠神社に行きたいと思っていたのだ。長野駅からバスに1時間ほど乗れば行けるらしい。さっそく戸隠神社中社近くの民宿を予約した。

かくして、私は2週連続で長野県へ旅することになった。

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8月21日(土)。私は最寄駅を6:34に出発し、長野へ向かった。

青春18きっぷの効力を最大限に活かすために先週と同じ中央本線ルートを使い、12:14に松本駅に到着した。駅の電光掲示板を見ると、長野行きの篠ノ井線に乗るには40分以上の待ち時間がある。一方、白馬を経由して日本海まで伸びる大糸線は6分後に出発だ。
私は、迷わず大糸線に乗り込んだ。もちろん、考えがあってのことだ。

ちなみに隣のホームから発着するはずの上高地線は、

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先週の雨で線路が通っている橋がダメージを受けて、運休している。

大糸線に乗って向かうのは穂高駅。先週の旅で行ったばかりだが、「自転車で大王わさび農場に行く」というタスクを雨天により遂行できなかったので、今からリベンジを果たすことにした。
さっそく、車中でシェアサイクルの予約を取る。ハイテクな世の中になったものだ。

13時前に穂高駅に到着した。駅前のステーションで自転車を借り、

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いざサイクリング! 

先週とは一転して、一面に澄んだ青空が広がる。絶好のサイクリング日和だ。

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自転車を軽快に漕ぎ、安曇野の広大な平野を進む。

ところどころで自転車を停めて、

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あちらこちらにある道祖神や、

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360度に広がる山々、澄み渡る川の流れなど、美しい風景を写真に収めていく。

15分ほどで、大王わさび農場に到着した。

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来場者のほとんどが家族連れというラインナップで、なかなかの混み具合である。そして、なんと入場無料だ。

さっそく中に入り、順路に沿って散策する。「わさび農場を見てなにが楽しいのか」と一抹の不安を持っていたのだが、そんな懸念は実際の風景を見るとひと目で吹き飛んだ。

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わさびの生育には清流の存在が絶対条件だ。

とにかく水がきれい。

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水に触れたり飲んだりできるスポットもある。

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農場全体が、安曇野の自然に触れることができる絶好のロケーションだったのだ。

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一周した後、売店で『わさびソフトクリーム』と『わさびコロッケバーガー』を買って、ランチを摂る。

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屋根付きのテラスでバーガーを食べていると、なんと突然の豪雨に見舞われた。オーマイゴッド!

しかし、私は焦らない。リュックの中にはレインコートを準備してあるのだ。旅慣れた私。雨脚が弱まったところでレインコートを羽織り、自転車置き場へと向かう。安曇野ではもう少し寄りたいところもあったのだが、雨降りならば仕方がない。駅に向かおう。
ところで、駅に向かうといっても穂高に戻るわけではない。篠ノ井線の明科駅に移動して、そこから長野行きの電車に乗るのだ。

ここで1枚の画像を見てほしい。

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このように、大糸線と篠ノ井線が松本駅からV字型に伸びているゆえの裏技的なショートカット方法だ。

明科駅前のステーションに自転車を返却し、

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電車に乗り込む。

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電車は動き出してすぐに長いトンネルを抜ける。先週はこのあたりの運行に支障が生じるレベルの雨だったために、長野に抜ける電車も道路も封鎖されてしまったのだ。

途中、姥捨駅の先でスイッチバックをしつつ(ちなみに、姥捨駅ホームから見下ろす下界の眺めは最高だった)、電車は無事に長野駅に到着した。

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なぜか交通系ICカードが使えない、県庁所在地の新幹線停車駅。

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時刻は16:00前。駅周辺を散策しつつ早めのディナーを摂ってから、バスで本日の宿に向かうことにする。長野電鉄の線路沿いに権堂という繁華街まで進んで、そこから善光寺に向かうルートを取った。

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駅前を進んで行く。右手に線路が見えてもよさそうだが、と思いながらさらに進むと、もう次の駅に着いてしまったようだ。

どうやら、

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この路線は長野から善光寺のあたりまで地下鉄になっているらしい。
知らなかった… 

権堂駅の地上付近で交差点を左に曲がり、アーケードを直進する。

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しかし土曜日の昼下がりだというのに、駅からここに至るまで人気がまばらだ。

駅周辺はビジネス街の要素が強いので週末は人が少ないと聞いていたが、このようなアーケードのさびれ具合を見てしまうと、なんともいえない気分になる。

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なにしろ、メインストリートにキャバクラがいくつも出店しているくらいに、昼間の街としての機能を失っているのだ。

残念な気持ちを抱えつつアーケードを通り抜けると、善光寺に続く門前の通りに出た。

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ここでちょっと寄り道を。

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『長野オリンピック1998』表彰台モニュメントだ。世間はオリンピック一色ですから、ここはその波に乗っておかないとね。

束の間の五輪気分に浮かれている一方で、私のお腹は勢いよく音を鳴らしていた。ランチが軽食だったので、早くも空腹感に襲われている。早く飯を食わないと。このあたりの飲食店は16:00閉店が基本のようで、すでに多くのお店が閉まっている。

急いでまだ開いている蕎麦屋に入り、舞茸天ざると日本酒飲み比べセットを注文した。

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水尾と大信州という馴染みのある地酒に現地でありつける幸せを感じつつ、ちびちびと飲んでいく。鼻に抜ける香りがふくよかだ。

続いて、舞茸天ざるが到着した。

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舞茸はバカでかいサイズのものが3切れ載っており、食べ応え抜群だった。

食後は、腹ごなしも兼ねて善光寺まで足を伸ばすことにした。

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もう17:00を回っているので、参道の店も境内の有料観覧部分も閉まっている。

それでも、参拝自体は普通に行うことができた。

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それにしても、風格のある本堂だ。しばし見入った後、バス停に移動してバスに乗り、1時間ちょっとで戸隠神社中社に到着した。

暗闇を5分ほど進むと、目当ての民宿はあった。食堂のカウンターでフロントを兼ねているので、食堂の中に入っていく。食堂には登山客とおぼしき50〜60代くらいのグループが、2組ほど会食に興じていた。お酒が入っているのだろうか? マスクをしないで、大きめの声で楽しそうに会話に興じている。

宿のご主人に案内していただき、2階の部屋に入る。中は、なんと10畳の広さ。

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まあ、民宿だからこのサイズの部屋しかないよね。

気を取り直して、ひとっ風呂浴びに行くことにした。浴場は、カランが3台に定員2名くらいのサイズの浴槽一つ、といったサイズ感。小さ目の浴場だが、貸切り状態で使うことができたので快適だった。

明日は早起きして行動する予定なので、風呂から上がったら軽く晩酌して早めに床に入ろう。

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一夜明け、2021年8月22日(日)。

私は、7:30に指定された朝食を済ませると、

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8時過ぎにチェックアウトして、さっそく戸隠神社中社に向かった。

好天に恵まれ、朝から清々しい気分に満ち溢れる。ノルディックウォークで5分ほど進むと、中社に到着した。

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まだこの時間だと参拝客もほとんどいない。

三本杉という樹齢800年以上の大木が2本立ち並んでいる。

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見上げてみるが、あまりにも大きすぎて逆に感想が浮かばない。

続いては石段を上り、

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本堂を参拝する。

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こじんまりとしているが、歴史を感じさせる神社だ。本堂も味がある佇まいだ。

続いて奥社に向かう。

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案内表示に沿って、古道を登っていく。

去年歩いた熊野古道や、先週歩いた上高地の明神池のあたりを思い出す風景が左右に広がっている。静寂に包まれた空間。

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進んでいると、たまに下ってくる人とすれ違う。

鳥の鳴き声と風に揺れる木々のざわめきが、耳に優しい。

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ここ数年掛けて全国を走ってきたが、このような雰囲気の道を走るのが一番好きなのかもしれない。

20分ほど進むと、奥社の参道入り口に着いた。

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ここからは車両も入れないようになっている。

緩やかに坂を下り、両側に杉の古木が並ぶ一本道を進んでいく。

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もう9時を回っているので、参拝客も増えてきている。特に、家族連れの姿が目立っている。参拝は、密を避けた手軽なレジャーなのだろう。

1kmほど参道を進むと、門に至った。

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門の屋根が屋上緑化のごとく青々としていて、生命力に溢れている。

この先は上り坂になる。門を潜ると、視界が一変した。

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沿道に立ち並ぶ巨木のサイズが、一回り大きくなった。どうやらここから先は、樹齢200年オーバーの杉が林立しているようだ。

行く手を生命力の象徴に囲まれ、圧倒されながら進んでいく。しばらく進むと、石段がはるか先へと伸びている。

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石段を上る。上る。果てしない。バテる。
前を歩いていた人が休憩している。こんな時のために棒を持ってきてよかったと、私は心の底から安堵する。

螺旋状に伸びていてゴールが見えない石段を5分ほど掛けてようやく上りきって、奥社に到着した。

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参拝を済ませ、元の道を戻る。帰り道は下り一辺倒だ。気持ちも軽い。軽快に進んでいく。

向かい側から、多くの人が参拝に向かって来る。この先に石段地獄が待っているとも知らずに、フフッ。

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軽快な足取りのまま、参道入口まで戻ってきた。

バスまで少し時間がある。売店で蕎麦ソフトクリームを購入した。

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蕎麦というよりも、クッキー&クリームっぽい風味で美味い。おすすめだ。

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バスに乗って、城山公園まで下って行く。

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バスを降りると、目の前に美術館があった。

美術館前にある広場の噴水で、子どもたちが楽しそうに水遊びをしている。

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なかなかシュールな光景だが、微笑ましい。

交差点を渡って、善光寺の裏口に出た。今日は裏から入ってみよう。

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空は澄み渡っていて、昨日とは違った趣きがある。

日曜日の午前中、善光寺には参拝客がひっきりなしに訪れている。

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参道を下って行くと、左手の店で長野名物の『お焼き』を売っていた。そういえばこの長野旅で、お焼きを一度も食べていない。野沢菜入りのお焼きを一つ買ってみる。

「よろしければ、ここで食べていってください。」と、店内の長椅子に案内された。お焼きは温めてもらい、蕎麦茶まで出していただいた。

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すっかりくつろいでしまったが、じつは電車の時間が近づいている。ここからは急いで長野駅に向かおう。

駅までの道のりで、やたらと信号につかまりイライラする。

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なんで長野県は、やたらとスクランブル交差点を作るのだ。歩行者のターンが短くなってしまうではないか! などと不満を抱えつつ、ようやく長野駅に着き、ホームに駆け込んだ。

ホームに降り立った私の目の前で、電車はゆっくりと発車していった。

次の電車は45分後だ。気を取り直して、ランチを摂っていこう。駅前に戸隠蕎麦の名店がある。12時の開店時間を待ち、入店する。

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カウンター席に通され、メニューに目を落とす。

ここはシンプルに、ざる蕎麦を注文した。

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5分ほどで、ざる蕎麦は運ばれてきた。味には、取り立てて特徴があるようには感じられなかった。

しかし店を後にしてから、口の中に清水と蕎麦の香りが後味として残り、鼻に抜ける感覚があった。この持続感が戸隠蕎麦の真骨頂なのだろうか?

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長野駅に戻り、12:35発の電車には無事乗車出来た。

小諸で乗り継いで、次の目的地には14:03に到着した。

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それでは、この旅の最終目的地を発表します。


ジャジャーン! 軽井沢でした!!

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「先週来たばかりだろ」というツッコミは華麗にスルーする。やはりこの連載の最後は軽井沢で締めないと、「看板に偽りあり」になってしまうのだ。

では、コインロッカーに荷物を詰め込んで準備体操を手短に済ませたら、

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『軽井沢マラソン2021(改)』のスタートだ!

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まずは駅から矢ヶ崎公園の脇を走り、

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左折して矢ヶ崎通りに入る。

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ここを走るのも3回目だ。しかも一週間ぶり。

道の両側には、別荘が立ち並ぶ。

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築数百年とはいかないだろうが、歴史を感じさせる建物も散見される。そういえば、軽井沢を一人で走るのは初めてだ。ひとりで走ると、同じ道を走ってもまた違った感触がある。沿道の景色を眺めつつ聴覚や触覚をフル回転させて、この街を自分の内部にインストールするような感覚だ。

そのまま、旧軽井沢に出る。

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今日は遠回りせずに、左側の道に入ってみる。

この先も、道の両側に別荘が並んでいる。

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しかし、晴れ渡った空だ。最後の最後で好天に恵まれた。わざわざ軽井沢まで来てよかった。

突き当たりを左に曲がり、なおも進む。しかし、別荘地には相変わらず人気が感じられない。みんな避暑地でバカンスをするほどの余裕もないのだろうか? などと考えている間に、先週来た湧水にたどり着いた。

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写真を一枚撮って先に進もうとした時、看板が目に入った。どうやらこの湧水は雲見池の一部らしい。

それならばと、脇に伸びている遊歩道を進むことにした。

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池に沿って遊歩道を進む。

散策する人たちとすれ違いながら、橋を渡る。

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池の水はとにかく澄み渡り、そのキレイさは筆舌に尽くし難い。しばしば立ち止まり、その清流に見惚れながら進んでいく。そもそも先週M林さんに教えてもらったことがきっかけで、この池の素晴らしさを知ったのだ。そして、今日またこの池の違った美しさを知ることができた。

などと考えながら進んでいるうちに、いつの間にか池のほとりに到着した。

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一週間ぶりの、この眺め。素晴らしい。しばらくベンチに腰掛け休憩を取った後、ふたたび走る。

しばらく進むと、旧軽井沢の通りにぶつかった。

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さらに別荘の間を縫って走ってから右折し、最後は矢ヶ崎公園に出る。

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計5kmに渡る『軽井沢マラソン2021(改)』は、ついにここでゴールを迎えた。

 おめでとう、自分!よく走り切った!!

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軽井沢駅に戻りコインロッカーから荷物を取り出すと、トイレで汗を拭い着替えた。明日からまた仕事だ。そろそろ帰途につこう。
私は、横川駅行きのバスに乗り込んだ。

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帰りの車中で思う。「旅先で走る」という行為の豊かさを。
いつどこにいても、その場で走ることによってその街が身近になり、内なる日常を回復できるのだ。

疫病やら天災やら、災難はいくらでも我が身に降りかかってくる。
それでも、僕らは走り続けよう。

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WE Run!


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次回予告

〜 旅先で『日常』を走る “ curtain call “ 〜

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蒲公英
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