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幻想

暁の空を見上げて果てしない気持ちになるのはいつぶりのことだろう?

オレンジと青と紺と黒とが細い線になって不規則にまじりあうようにして空を彩っている。

こんな色の空を見たのは初めてなのにいつか別の時に見上げたことがあるような気がして、複雑な気持ちになっていた。

冷たい風が吹く中を一人きりで歩いていると後悔の気持ちが湧いてきて悲しくなってしまうのだった。

本当の自分はもっともっといろんなことに対応できてちゃんとしていると思っていた。だけど実際に現実に直面してみるとできないことやわからないことばかりで自分に失望するようなことばかりなのだった。

こんなに駄目な自分にばかり向き合っていると何もかもから逃げたいような気持ちにさえなってしまう。

「私はなんて無力なんだろう?」と落ちこんでしまうのだった。

精一杯頑張った気でいたけれど本当はまだできるはずのこともできないままだったのか、そう考えて悲しい気持ちにしかなれなくて泣きそうなのだった。


空気の冷たさは私の意識をはっきりさせてぴんと張り詰めた今を突き付けてくるのだった。

緩みたい気持ちとは裏腹にまわりの空気は張り詰めている。

そこから滑り落ちていく自分。

つるつるとした感触は絶望だけを残して滑り落ちる私を留めてくれはしないのだった。

いろんな色の混じり合った暁の空がどんどん色を変えていく。

変わりゆく空の色に不安しか感じることができなくて、泣きそうになってしまう。

何一つ思置いのままにはできなくて、溜息さえも出ないのだった。

これは夢の中なのだろうか?
それともほんとのことなんだろうか?

空を見あげる。

小さな星の光が見えた。

キラリ。

風が吹き抜けていく。

誰も何も言ってはくれない。

何て悲しいのだろうか?
何て虚しいのだろうか?


* * *


なんとなく思いつきで書きました。
なんとなくです。

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竹原なつ美
ありがとうございます。 嬉しいです。 みなさまにもいいことがたくさんたくさんありますように。