ゼロから本を作ってみる 定量&定性調査やってみる編
今現在の時点までのまとめ。はしりがき。
まずはインタビュー調査から
とりあえず実践です。いま企画の段階ですが、以下のように分けています。
企画→「①調査」「②分析」「③テーマ決め」「④目次づくり」「⑤取材先選定」
で、やっと①と②が終わったところです。
本を作って満足して終わる、というのが嫌なので、①と②をちゃんとやります。ちゃんと、と言っても、私にはマーケティングスキルや経験が無いし、分析能力も無いです。皆無です。
皆無すぎるので、試行錯誤しました。
最初は、うっすら思っていた「仕事って、やってて楽しくて、やってもらってうれしいほうがいいよね」という仮説に関連しそうなデータを探していました。「〇〇に関する意識調査」みたいなワードでググる。
なんとなくデータは見つけられましたが、やっていることがどう考えても「自分にとって都合の良いデータ探し」になっていて、なんか違うよね?と中止。
そんな中、かべ打ちに付き合ってくださった方から「一旦仮説を見つけて、そのうえで定量的なデータをとってみるといいかもね」というアドバイスをいただきました。
※このポッドキャストのシリーズ参照
そして同時期に「定性調査」という、数値では測れないけど、みんなどんな想いを持っているかを見出す調査があることも発見。簡単に言うと、インタビュー調査です。
実はインタビューは、実力はともかく好きです。インタビューが得意というよりは、人の話を聞いているのが好き。
ということで、「仕事に対して、楽しさとかやりがいとか、みんなどんなふうに考えているの?」をテーマにひたすらインタビューしました。1か月で14人。時間にして20時間。今までやったことのない人数を1カ月間で対応しましたが、全然苦じゃない。むしろ楽しい(こればっかりやっていたかった)。
14人全員に同じ質問をしました。質問は同じですが、そのときどきの形で深掘りしたので、みんな話す内容はさまざま。
ここで使った質問は、AIに作ってもらいました。そもそも定性調査なんてやったことがないので、まずは物知りなAIの意見に素直に従ったのです。
で、集まった14人分の録音を基に分析。
先ほど言った通り、マーケティングスキル皆無なので分析のしかたが分からない。ところどころに「この人いいこと言うな~!」という思い出は残っていますが、それは分析ではない。そうでなくても、インタビューが楽しくなっちゃって話を聴き過ぎてしまい、録音時間が膨大に。
なので、AIに課金して、音源の文字起こしを実施し、プロンプトを作ってAIに流し込み文字起こしからインサイトを分析する、ということをしました。それを14人分。あまりにも簡単に分析結果を揃えられて怖い。
ちなみに、分析結果をザーッと見た印象は以下の通り。
インタビュイーは私の知り合いに無報酬でお願いした(ごはんやお茶おごったりはしました)ので、基本的に私の知り合い(≒ある意味類トモ)で、私を嫌いでない人に偏っています。
まずみんな、さまざまな形で仕事に暑苦しくてすばらしい
インタビューは1時間ぐらいかな、といいつつ、ほぼみんな時間オーバーするほど話してくれた
自分の仕事に対する考え方や取り組みを言語化して伝えられている時点で、仕事に対しての意識が高いはず。エピソードも話せるからなおのこと。
人によっては「この人はお金と数字第一かな」という先入観もあったけど、そこを解きほぐすと仕事への姿勢が見えてくる。
逆に「効率的にお金を稼ぐことが好き」な方のお話も伺ってみたかった。そこに矜持や考え方があるはず。
基本的にみんな、創造性のある仕事がしたいし、自分の裁量を生かして仕事をしたいし、コミュニケーションやチーム感を大切にしたいし、社会に対して何らかの影響を与えていきたいと思っている。
分析を担当したAIは「ここに着目してこういうことが読み取れました」と丁寧に返してくれます。
自分だったら「ここは関係なさそうだからスルーしちゃおうかな」と捨ててしまいそうな部分にもちゃんと反応しているところに関心。へんなバイアスかからないのがAIの良さかもしれません。
定量調査にご協力いただいた方の何名かのインタビューは、ご快諾いただき、ポッドキャストで音源として配信されています。お仕事に懸ける熱い想いや、こんな仕事あったのか!こんなことやっているのか!という発見があってとても面白いのでぜひぜひ聴いてみてください。
タイトルの頭に「本作りのかべ打ち」とついているものがそれに該当。
アンケートは3方面に実施
とりあえず定性調査でなんとなく仮説は立ちました。
仮説は、人は仕事をする上で、単にお金を稼げれば良いだけではなく、自分の成長、チームの成長も大切だし、社会に貢献することも大切なはず、というもの
今振り返ると、壮大なうえにボンヤリした仮説だなとは思うのですが....このあたりの仮説作りは、自分がこういった調査経験と知識が無いがゆえにだと思います。
とにかく、じゃあ、他のみんなはどんなこと考えているんだろう?と思い、定性調査の調査結果を元に定量調査を実施。
重ね重ね言いますが、私はマーケットリサーチの経験値ゼロです。そしてアンケートを作ったこともありません。ということで、AIに再び依頼しました。
定性調査の調査結果を元に、テーマとやりたいことを伝えてアンケート項目を作成。調査に関する本を読んで私自身もちょっと知識をつけたりしましたが、これもさっさと完成。
で、アンケートとるなら、10や20じゃなくて100以上はデータが欲しいな、なんなら、都会と田舎との比較ができたらいいな、と思っていました。「100以上は欲しい」というのは、理論に基づいたものではなく、なんとなくです。多そうに見えたほうが説得力あるよね、というだけです。
ということで、アンケートの選択項目は同一にして、
①自分のFacebook内で、Googleフォームにてアンケート実施
②アンケートサービスを使って、東京・神奈川限定で配信
③アンケートサービスを使って、茨城・栃木・群馬(北関東)に配信
をしました
私の周りは基本仕事に熱い
①に関しては、己の人徳の無さに絶対的な自信があるので「10件あつまれば御の字」と考えていましたが、最終的に38件のご回答をいただきました!
アンケートサービスは「QiQUMO」というサービスを使用。②と③でそれぞれ100件ずつ回収。合計3万円ぐらいかけました。
私がばっと見てみての印象ですが、
①は、ほぼみんな本業以外の仕事や活動を行っている。
そして仕事に対して、お金を稼ぐだけでなく、自己実現だったり、社会貢献したり、一緒に働く人とのチーム感、自己成長を大切にしている人たちが殆ど。質問の回答が5段階評価のうち4や5を選ぶ方がほぼほぼでした。仕事の時間を、自分が人生の中で生きる時間として大切にしているのだろうなと思いました。
記述式の部分で「やりがいのある仕事とは?」「理想の仕事や働き方とは?」への解答は、皆さま文字数を使って書いてくださっているところに、少なくとも「仕事」に対する一定以上の意識や熱量を持っていることを見てとれました。
仕事が自分にとって良いものであるだけでなく、チームにとって、そして社会にとっても良いものでありたい、だから一生懸命になりたい、みたいな意識を持っている印象もあります。
北関東・東京・神奈川の人たちも、仕事の中に自己実現や良好なコミュニケーションに関心がある
②と③は、ほとんどの方々が本業以外の仕事や活動は何もしていないとの結果に。仕事への意識に関しても、「どちらとも言えない」が多い印象ですが、それを除くと「ややそう思う」「強くそう思う」が多かったです。
記述式の部分は、Googleフォームの時と比べて一言二言なコメントが多いのですが、夢中になれること、努力と成果が実感できる、無意識に仕事のことを考えているのが嫌ではないこと、成長しながらも変化を感じられる、など、金銭以外への言及が多かったです。
という感じ。
ただちょっと今後に繋げる反省もありました。それは選択項目「どちらともいえない」という項目の、ほんとうに”どちらともいえな”さ。これをなんかいい言葉で2分割できれば、もうちょっと精度高いアンケート結果になったのかも、とも思っています。アンケート業界でも「どちらともいえない」を入れるのかどうか論争があるとかないとか。
で、アンケートの分析ももちろんAIで実施。頼りになりすぎる。課金した甲斐があります。分析結果をすごく簡単に言うと、「もしかしたら、人間にとって、働くことには金銭以外の部分に”も”普遍的な価値観があるのかもね」という結果に。
個人的に、仕事にやりがいや自己実現、自己成長を求めるのってごく一部の希少種人間なのかなと思っていたので、意外とそうでもないことが見えてきて、よかったなあと思っております。
ここまでやってみて思ったのですが、私が定性・定量調査の知識をもっとつけて的確な命令をAIに出せるようになれば(そしてインタビューも定性調査に最適化できるようになれば)もっといい分析結果作れるぞと思いました。
そして、いかにAIが分析結果を出してくれようとも、自分の興味関心や、実生活の中での感覚とテラ性併せて「たしかにそうだよな」と納得できないとその先に進めないんだなあ...という感覚もあります。
今やっているのがテーマ決め
で、方向性がちょっとまとまってきましたので、本のテーマを具体的にしています。
上で雑に紹介したやつ以外に、AIの出力結果とかでもう少し詳細にまとまってたりするのですが、そのあたりを使いながら、何でこの本必要なの?想定する読み手は誰?どういうかたちにしたら読み手にちゃんとキャッチしてもらえる?みたいなことを決めていきます。
このあたりの作業は、AIだよりにせず、人間の視点や感性を当てにしながら進めていきたいです。
たぶんつづきます。