ゼロから本を作ってみる なんでつくるの編
頭の整理がてら本づくりのプロセスをメモしておこうと思います。
長い上にちょっと支離滅裂かもしれません。
なんで本をつくるの?
いま自分はライターやフォトグラファーとして認知されることが多いです。そんな自分が、「編集長」にクラスチェンジしたいがために本づくりに取り組み中。
なんでクラスチェンジしたいかというと、机の前でじっとしている仕事が苦手過ぎて、その状況をどうにかしたいからです。これから仕事を続けていくうえで、辛いなあと思っていることをそのまま続けるのはちょっとしんどい。病む。
最近、落ち着きの無さに拍車がかかったり、集中できなかったり、ヤカンの空焚きが増えたり、炊いたお米忘れて放置したり、遅刻が増えたり、生活費が意味わからない状態になっていたりします。
「自分のどうしようもない性格かな?」と放置してきましたが、最近はそれでは済まない感じになってきました。
仕事をするなら、儲けられるかどうかの話はさておき、とにかく色々な人の話を聞きに行きたいし、現場を見せてもらいたい、なんなら自分も体験したい。そういうことをいくらでもやりたいです。
スキルで言ったら、文章を書くのもそんなに得意じゃないし、写真は一応取れるけど上手くはない。インタビューは、まあまあ。とはいえ全体的に大したことがない。成果物に対して人から褒められたことがほとんどないので、本当に大したことないのは確かです。
スキル自体一つ一つをものすごく極めたいみたいな気持ちもあんまり無いです実は。
唯一、インタビューは、話を聞くのが好き、という個人的な気持ちの延長線上でやっているので、よいインタビューをする知識や経験を身に着けたい。楽しそうに話してもらえる状況も好きなんですよね。
とにかく、性分的にじっとしていることができなくて、かつ取材の類が好きです。そういうことを仕事にしていこう、いわゆる持続的な感じで仕事を続けていこうと思ったら、企画から考える「編集長」の立場になれたら、少なくともPCの前にずっと座っていることを強いられずに仕事をつづけられるのではと思っています。。
でも、世間で言われるような「編集長」としての役割を担った経験がほとんどありません。ほんとうに無い。一時期「編集長」という役割を担っていたこともありましたが、実質それはただのライターまとめ役と取材先探し役と連絡役。
経験無いなら、そういう仕事ができる場所に転職でもすればいいのですが、何分私はいい歳になってしまったので、編集事務所に転職かな!とは行かないのです。
そこで私は短絡的に考えて「じゃあ自分で編集長としての経験積む機会をつくればいいじゃん」と決意し、自分で紙の本を作って出版することにしました。
なんでわざわざ紙の本を作るのか
編集長やりたいならWebメディアでもいいんじゃない?というかんじですが、確かにそうですね。
そうなんですけど、編集長として一通りの経験を積みたいので紙の本にするつもりです。実体あるものが好きというのもありますけど。
そもそも本づくりの編集長の定義って何だという感じですが、端的に言うと、「利益を上げられる本づくりの責任者」みたいな感じかなと思っています。私が思っている定義です。
(とはいえ「編集」って本づくりに限らず幅広ですからね!)
なので、ほんとうにもう本づくりの始まりから終わりまで全部やります。
利益を上げられることが前提なので、本そのものを作る作業のずっと前段階の企画から考えたりまとめたり判断したりします。
で、企画に沿った本の内容を考えるし、それを実現するためのクリエイターさんアサインや、取材先の選定もします。制作チームの管理もそうですね。
具体的な内容や、デザイン・写真・イラストの雰囲気なんかも相談したり考えたりする。
作ってもらったもののクオリティチェックや、ファクトチェック、あとたぶん法律的な部分とか、権利関係のあれこれも。
印刷屋さんと相談してどんな印刷にするかも決める。
本が形になるな~、とか、そろそろ完成近くなってきたな~、みたいなタイミングでプロモーションを計画して実施。書店に置いてもらうための営業も。
あと忘れちゃいけない、全体的なお金の管理。
たぶんこんな感じ。
ちゃんと流通させたいので、実は出版社登録してISBNコードを取得できるようにします。個人とはいえ出版社名も考えないと。
鬼に笑われるような話ですが、本ができたら在庫を持つことになるので、確定申告めんどうだなあ...といまから悩んでいます。在庫の計上作業やったことないくせに。
とにかく、企画制作だけでなく、印刷・物流・プロモーション・営業・在庫管理などなど幅広く経験するために、紙の本を作りたいのです。
ちゃんと売り切る、利益を出す、ということを考えると、「形になってよかったね!」とか「身内が記念に買ってくれた」で終わらないようにするため、全体を見渡すものづくりをしなければいけないわけです。
そして、はやいところこれを1ループ回して形にしたい。自分は人よりも人生始まったタイミングが遅いので、さっさとやらないといけないのです。定量的に計れるもんじゃないですが、自分は同世代に比べて10年は出遅れています。そして好むと好まざると歳は勝手にとっていく.....だからさっさと1巡して経験つみたいです。それができてなくてイライラしたり気が散ったりしていると思うのですが。
ちなみにこないだ、健康診断の結果が返ってまいりまして、で血糖値関係でひとつ「C」がついてました。食生活だけでなく、睡眠やストレスが影響する項目だそうです。イライラする、甘いもの食べちゃう、美味しい!の繰り返しをしていた自覚が........ある!
形あるものだと、名刺代わりになるのもいいですね!経験上、初対面の方に、Webサイト見せて「ここに掲載されいてる記事書きました」って言ってもあんまりインパクトが無い。文章って、それ単体で「おおっ!」って思わせるの難しいですよね。
企画をちゃんとしておきたい
編集長ワークのなかで、最初の企画のところはほんとしっかり作りたいです。というのも、ちゃんと作らないとその後の工程が上手くいかないから。
これは取材と記事作りの例の話ですが、今まで取材や記事作りを引き受けさせていただきながら、「掲載されるメディアは、誰に向けて何を目的に作っているものか」とか「今回の取材相手を選んだ理由は何か?どんな理由でどの部分に着目すべきか?」とかが不明瞭な状態なことが多かった印象です。そう感じたのには、私があまりにも見当違い人間な可能性もあります。
ただ、そこがちゃんとしていないと、取材企画が無理やりになる→インタビューの的を絞りづらい・撮るべき写真を決めづらい→読んでもらうべき人に届けるコンテンツになりづらい、という状況になる気がしています。的が絞られていないインタビューは、質問される側もやりづらいのでは。そして記事をチェックする側も、目的がはっきりしていないコンテンツに対して赤入れをするから、何でもありになってしまう(気がする)
実際、取材したり執筆したりするのに「前提が固まってないからやりづらい!」と感じる経験は多く、可能な範囲で、自分で勝手に「なぜ今回はこの取材執筆が必要なのか」のロジックをむりやり見出し言語化していました。
ときどきそれをやると「余計なことするな」みたいな雰囲気に当てられることもあり、そんなときはとりあえず心を無にして文字を埋めていたという……
あと、本づくりの場合、ここにアートディレクションやデザイン、イラスト、ページ構成等々色んな要素が入ってきます。それらも作るうえで一定の評価軸や判断基準をもって進めなくてはなりません。企画が不明瞭だと、一体感を持たせられない。
経験的に、企画をちゃんと作らないと、作る人が困るし、取材される人も困るし、チェックする人も困るし、出来上がったものはフワフワしてしまうはず。だからこそ、どんな人に向けてなぜつくるの?みたいなところをちゃんと言語化しておきたいんですよね。
どんな本を作るのか
テーマは決めかねていますが、確実に言えるのは「ローカル×仕事」の本です。
そして、取材を元に作っていく本にします。
理由はいろいろありますが、まず自分は田舎生まれ田舎育ちなのと、そしてローカルという文脈に触れている期間が長く、自分の経験値を積みあげる経験もローカルだったこともあって、ローカル...というか、もっというといわゆる大都市以外の場所を応援したいな、みたいな気持ちがあります。
「仕事」にしたのも、なるべくみんなが関わる普遍的な話題がいいなあ、と思うし、仕事は人生の中でたくさんの時間を使う物なので、「いかにお金を稼ぐためだけに仕事をしているとはいえ、仕事そのものが楽しく豊かであるに越したことはない」とも思っています。
やっぱり楽しいほうが、長くいい仕事できるはず。仕事をしていないときの気分も健やかなはず。
あと、個人的に、仕事の現場が好きだったり、生き生きと仕事をしている人が好きだったりするんですよね。取材にかこつけてそういう方々に会いに行けたり、職場を見せてもらったりできるのは楽しいです。とくに「他の人の仕事の現場」って、仕事でもない限りなかなか観に行けないですよね。
そうやって仕事にかこつけて自分の視野を広げ経験を積んでいくのも仕事としてとても楽しい。工場とか畜産の現場とか林業の現場とか介護福祉の現場とかいろいろ興味深い!
これは内容に直結するかどうかアレですが、都市と地方でのリアル経験の差にもなんか関与できたらみたいなのもあります。体験や学びの機会は若い人向けに手を差し伸べられることが多い気がしていますが、それが必要なのは30代40代も同じなのでは.....みたいな感じもしています。みんながみんな経験豊かな若者時代を過ごせるわけではないし、好き好んで経験の幅が狭い若者時代を送っているわけじゃないですしね。
ローカル×仕事にしつつ、内容は「これをやっておけば正解!」みたいな答えを提供するものではなく、読みながら読者自身のなかでアレコレ想いを巡らすきっかけになるようなものにしたいです。
とかいうとカッコいいですが、そもそも自分は「遊ぶ」「息抜き」といった類のものが死ぬほど下手。巡り合わせかなんかが悪かったのか、16~30歳ぐらいの、けっこう積極的に遊べるのでは、出かけられるのではみたいな時代に、ほとんど遊べなかったので、遊び方がよくわからない。
お金に余裕が出てきて、やっと自由にあちこち行けそうだ、となってどこかに出かけると、それは気持ち的に「視察」になるという。それはそれで面白いけど。
あと、今までずっと自分が苦手な「机の前でじっとしていること」を仕事にしてきたので、仕事の効率が悪い悪い。効率悪いから、仕事に時間がかかるし、お金が入ってこない。そうすると仕事以外のことをする時間が作れず、自分の世界が全くと言っていいほどひろがらない。
でも取材をするようになって、相変わらず仕事だけど、仕事という大義名分を使って外の世界を観に行くのはすごく面白い。それを積み重ねて、ちょっとずつ自分の世界が広がっていく感触があります。
「ローカル×仕事」の本を作りながら、自分のキャリアを高めつつ、ローカルで働く人たちを応援しつつ、自分の世界を広げられたらすごくいいはず。
まだ1冊も本を作っていないのに何をというやつですが、将来的にはローカル×仕事が得意な編集事務所にしたいです。1冊出すことで実績になるので、それを糧に次は別のテーマを見出して本を作るかもしれないし(実は3案ほどすでにある)、取材や編集ノウハウを用いてローカルの企業さんや個人事業主さん等々、働く人たちの課題解決に貢献できるのでは、と考え中です。
否が応でも「インタビュー」が挟まれるので、それを応用して、ローカルの仕事を伝えるポッドキャストも並行してやりたいなと考え中だったりします。ライターをやってきた身としては、「声」には、文章では伝わらない雰囲気や、熱量、本心などがあるような気がしています。インタビューのときは、それを特等席で聴かせてもらっていますが、なんか自分だけで終わってしまっているのが勿体無いんですよね。
文章読むのはな~という方でも、とくに車移動が多い地方においては、移動中のラジオ的に聞けるので良いかもという気もしております。
何で映像でなく音声なの?というところで言うと、みんながみんなWeb上に顔を出したいわけじゃないからです!基本的に自分もいやです!
(つづく(たぶん))