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5-4 ようこそ!インターン生! -大学生短期インターンシップの5日間(3)-

3日目の日程

●朝の立ち番
3日目から最終日までの朝(7:50~)は, 生徒指導部所属(&1学年主任)の浅見先生と一緒に生徒玄関に立ってもらい,立ち番(朝の挨拶)を担当してもらうことにしました。

定時前からこんな体験まで大変かな…なんて思いつつも,面倒見の良い先生と職員室ではない空間でざっくばらんに話す時間もイイものなんじゃないかな?と。(もっと無口な先生が相手だったらゆっくり寝てもらってたかも 笑。)

水曜日から3日間玄関に立ってもらったけれど,ボクが大学生だったら特に何も感じないままインターンを終えていた気がします。でも,竹田さんの感想文を読むと,立ち番に対して「生徒の様子を教室外で観察する良い場面」だと感じたようです。スバラシイなと思うけれど,そんな視点も浅見先生から聞いたのでしょう。ボクだけではそんな視点を与えられません。考えを押しつけたりオドしたりしない先生と,インターン中にたくさん話してもらえたらいいな。企画者のボクも勉強になりました。

●朝の立ち番を担当してみて
教室で友達と話をしているときとは違う雰囲気の生徒が多くて、生徒の表情の異変などに気づくことのできる場面だと思った。あいさつをした後に自然と話をしてくる生徒もいれば、あまりあいさつが得意じゃなさそうな生徒もいて、性格がすごく出ていた。私は高校生の時、あいさつをしているというよりは服装をチェックされていていつも嫌だなぁと思っていたので、あいさつをしてコミュニケーションを取るということは生徒にとっても教師にとっても良いことだと感じた。
浅見先生、朝の玄関前でのあいさつを一緒にさせていただきありがとうございました。あいさつで生徒の様子を毎日見ることは、生徒のことを理解し、変化に気づくためにとても重要なことだと感じました。生徒とコミュニケーションを取ることも出来て、楽しい時間でした。ありがとうございました!

●専門科目以外の授業参観

 3日目以降は,専門科目(国語)以外の科目も見学してもらうことに。どの科目を見学するかも,本人に決めてもらうようにしました(といっても,丸投げすると決められないかもしれないので,ボクは相談役ぐらいの立ち位置で)。この日は,教務部長(数学科)の佐藤先生が免許外申請で教える情報の授業を見学していました。専門外を教えるということや,教務部長という立場だからこその教育課程や学習指導要領,最新の教育動向も意識した視点を感じられたようで,彼女の感想文を読むと,学ぶことも多かったみたいです。

★佐藤先生へ(教務部長/数学科)の手紙
 授業の見学と授業後にお話をしていただきありがとうございました。タイピングの時間は話さないルールを作り、演習は助けある空間づくりがされており、私が教える国語でも取り入れてメリハリのある授業を目指したいと思いました。アクティブ・ラーニングの考えについてもとても勉強になりました。思考を動かすことを大切にして、授業を作っていきたいです。ありがとうございました。

●授業以外の懇談

 あわせて,大学の教職課程では授業以外にも進路指導,生活指導などたくさんの時間を使って多方面の勉強をします。だからこそ,授業参観以外の時間も作って,大学での学びと現場実践が結びつくようにしたいと思いました。といっても,教職課程を学ぶ上でのたくさんの分野を5日間ですべて網羅することはできません。今回は,竹田さんの履歴書や事前オリエンテーションから興味・関心を推察してプログラムを数時間組んでみたのでした。たとえば,履歴書では下記のような文がありました。

(画像抜粋:竹田真佑さんの履歴書より)

この内容を踏まえ, 初日では校長先生との懇談,そこから「進路指導の話」(進路指導部長),「学級経営見学~学級担任の話」(3学年の学年主任/担任)を用意してみました。竹田さんの感想文を読むと,ボク自身が学校の先生を目指した頃の記憶,「こんなことをしたい」という<理想>を思い出すきっかけになりました。

どうしても,学校現場で働いていると,日々の忙しさに忙殺されて,キモチの面でも現実問題を優先してしまい,自分自身の理想を忘れかけている瞬間が多々あります。だからこそ,今回のインターンシップはボクら教師もたくさん刺激を受ける良いチャンスだと改めて思うのでした。

★校長先生への手紙(初日)
昨日はお時間をつくっていただきありがとうございました。「本当に生徒のためになるのか」という問いは常に持ち続けることがとても大切だと感じました。私が今まで関わった先生をかっこいいと思ったように,生徒たちにとって,「理想の大人」でいられる教師になりたいです。私はまだ学生ですが,今回のインターンで大樹高校の生徒に大学のことや,将来のこと,それ以外のことでも何か一つでもプラスになったり,考えるきっかけを与えられたら良いなと思います。ありがとうございました。残りの4日間もよろしくお願い致します。

★門屋先生へ(進路指導・キャリア教育関連 担当)(3日目)
キャリア教育についてお話していただき、金曜日には私に話をする機会をくださり本当にありがとうございました。得意を理解することは、高校生にとってとても難しいことだと思いますが、自己理解をどれだけ出来るかが幸福度に繋がっているということは、もうすぐ社会人になるために長い人生を考えるようになった今,とてもわかります。自己理解と適正理解は生徒にとって辛く感じることもあると思います。そこで生徒の不安や憧れに寄り添うことの出来る教員に私はなりたいです。現実的には厳しいこともあると思いますが、生徒の挑戦したいという感情を大切にしたいという想いは忘れないようにしたいと思います。本当にありがとうございました!

あわせて,職場には地域起こし協力隊の長谷川さん(図書室整備の業務も行っている)や,地域コーディネーターの神宮司さんが定期的に来てくれています。竹田さんの履歴書にも,「地域資料や資源を活かした学び」なんて書いてあるので,そんな二人とも懇談する時間を設けました。神宮司さんとのプログラムは残念ながら流れてしまいましたが,初日の歓迎会で会っているので,神宮司さんの考えや生き方はきっと伝わったはずです。(歓迎会やってて良かった~笑)

★長谷川さんへ(図書館業務担当)(3日目)
図書館業務についてお話いただきありがとうございました!私が見た5日間でも図書館の様子が変わっていて、びっくりしました。バーコードでの管理をしていない学校図書館を見たのは初めてで、台帳を見たのも初めてでした。司書さんのいない学校だと、知識が必要な本の管理はやはり大変な部分が多いと感じました。「本も生きているから、年老いてくる」と言っていたのはとても印象に残っていて、本1冊1冊を大切に思っていることが伝わってきて、長谷川さんが整えた大樹高校の図書室はきっとすごく素敵で、生徒にとっても今よりも身近な場所になるんだろうなと思いました。私は司書教諭の資格を取っているので、教員になったとき、本と教員・本と生徒を繋ぐ役割を担うことが出来るようにしたいです。説明や名言を抜き出して印刷して、ポップとして使い、本の面を出す置き方は、とても参考になり、真似したいです!ありがとうございました!
大樹高校の図書室が進化していくのがとても気になるし楽しみなので、ぜひ教えて下さい。

●(オフレコ)プチ歓迎会を焼肉屋で

インターンシップ3日目になって竹田さんにも少し余裕が生まれたので,夜の時間を使ってプチ歓迎会。といっても,コロナ禍のため,広く声もかけづらく,短時間&4人という少人数での開催。同僚理科(年下),同僚教務部長(同い年),高野の合計4名開催。(男ばっかりかよ!)

早くコロナが収まって欲しいものです…。

●プチ歓迎会に参加してみて
社会人の方と外食をする機会はなかなか無いので、とても緊張しました。食事の場面では,高野先生ほどゆるゆるっとした感じでなくても、普段の「先生をしている時」とはみなさん違う雰囲気だったので,びっくりしたし話しやすかったです。「先生という職業」の人たちは「私生活もかたいイメージ」が学生の私にはどうしてもあったけど,オンとオフをすごく上手く使い分ける能力が必要なんだと思った。なかなか聞けない(採用試験のこととか)話も聞けて,焼肉もすごく美味しくて、とても楽しい時間でした。

~3日目を終えて~(インターンシップ通信)

●インターンシップ通信(3日目)を読んで 【高野】
(*7)「雰囲気の良さ」を作るにはどうしたらいいのか…?それってテクニック?それともセンス?なーんて考え始めたら悩んじゃいそう(笑)。カッコイイ先生や声が素敵な先生が雰囲気の良さを作るとしたら、ボクはすぐに離脱するな…(何の話だ 汗)。容姿の話はさておいて,ボクは生徒とキラクに話せるのが好き。タメ口でもなんでもいいから,同じ目線で話せるとイイナと思っている。一方で,こんなことを話すと「ナメられるんじゃない!?」なんて竹田さんに言われそう(笑)。ナメられるの定義はわからないけれど,「ツマラナイもの・モチベがあがらないものをしっかりやらせる能力」は,ボクは相当低いように思う。だからそういう題材の時は動物シールとか勉強のしやすさとかの工夫でムリヤリ乗り切っている。
じゃあ,生徒とキラクに話せていても,ナメられずにすむには…?今のトコロのボクの答えは,「考えるに値する問題」を提供できるかどうかにかかっていると思っている。考えたくなる問題だと,迫力がなくたって大丈夫。
でも,そういうのって自分で考えるのはとても大変。自分で作り出さなくてもいいから,ステキなマネできる題材がいっぱい見つかるといいね。
一方で,雰囲気の良さを作る授業運営として,「教師が指名する代わりに「なんとなく」の理由も認めてあげる」とか「クラスメイトが読んでいる時は強めに“しっかり聞こう!逆の立場だったら嫌じゃない?”と言う」とか,「グループやクラスで意見を出しあう場合,なるべく決着は実験で(誰もがわかる結果で,多数決とかじゃなくて)」なんてことをしている…かな。これも,授業運営の仕方も,ボクが所属している研究会で共有しあっているのをマネしている。そういえば,竹田さんと同じ代の高校3年生が当時の授業の雰囲気をほめてたっけ。(載せてみまーす/次ページ 資料(♯) )
(*8)学校の先生はたくさん仕事があって,全部頑張ろうとするとグッタリしちゃうかも。どれか一つでいいから子どもとたのしめる時間があるとイイね。昼休みや部活で生徒たちとたのしく過ごした時間は,相手も印象強く覚えているんじゃないかな。
(*9)学校の先生になった時に,「学習指導要領にあるから」「教科書に載ってるから」「高校受験で必要だから」という要素も現実問題必要だけれど,せっかく憧れの先生という職業に就いたのだから,「これを伝えたい!」「これは自分自身たのしく勉強できた!」「これは子どもたちよろこんでくれそう!」みたいな,「教師の自発性」があると伝える際にも迫力が生まれそうです。学校現場は忙しいかもしれないけれど,そんな自分のキモチも大事にしてね。でもね,竹田さんならきっと大丈夫(無責任 笑)。

資料(#)当時の高校3年生の感想文 (高野/教師4年目)


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