葉巻とワインと逆三角
先輩の店に立ち寄った。
3年ぶりくらいに会った彼は、ぷよぷよした肉体を引き締めて、逆三角のマッスルバディに進化していた。
背筋!
この先輩、前を向くとケンコバ氏にとても似ている。男くさくて人情深い感じで好きな人間。
この日、仕事が深夜2時半を回り、疲労感が酷かったから少し休みたく先輩の店に行った。
この店は朝まで営業、先輩の出勤時間は大体2時半くらい。
久々だったから近況を互いに話した。
『店持ったんだよね』
『彼女出来たの⁈』
『筋トレしてんだけどさー』
『あの頃はさー』
駄々話。
どうでもいい話に気楽さを感じながら、久々に葉巻を吸った。
先輩の店に置いてあるシャレオツな感じの。
ワインに葉巻。ルパン3世みたいな気分になる。ハードボイルドいえーい。
駄々話にハードボイルドもクソも無い件。
なんだかんだで2人でワインを2本空けて、ひとしきり、笑う。
他愛もない。
逆三角の背中は、安定した昔馴染みの居心地の良さ。
性別も何も関係なくなってるジェンダーレスな時代だが、男同士は実に気楽だ。
この日、一番盛り上がって話したのは
筋肉の話。
筋肉を語り、筋肉の無さに泣く、撃沈。
昔は葉巻はハードボイルドな大人を連想させてくれた。
何歳かとか言えない頃から煙草を始め、ピース缶を部屋に並べてオブジェにしてた。
煙草と酒は20歳から、そんなキャッチコピーが20歳は大人って思えていた。
尾崎豊に被れた小学生は15の夜にも憧れ、頷き、これが刹那の登龍門くらいの背伸びもしてた。
在日韓国人の友人が
尾崎は不良、長渕はチンピラ、矢沢はヤクジャ(ジャって笑)って言ってた。
僕的レジェンドなミュージシャンの方々は皆漢くさい。個人的にストライク。
葉巻をくわえても、僕は僕。
あの頃、憧れてた自分がかわいかったなと懐かしんだ40の夜。
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