代官山の蔦屋書店に行き、キャンディーを食べた日
先日、はじめて代官山の蔦屋書店に行きました。
代官山に行くこと自体は初めてではなくて、BESS MAGMAというログハウスの展示場に行ったり、いかにもセレブっぽいおばさまを観察したりと、おもしろい街だと思っています。
その代官山にある蔦屋書店。カフェやその他店舗と本屋さんが融合したオシャレな空間で、インスタでもよく目にします。
もともと本屋さんに行くのが大好きなので、今回もとてもワクワクしながら蔦屋書店に向かいました。
まず驚いたのは、人の多さです。日曜の昼下がりに行ったせいもあるのですが、日本人だけでなく海外からの観光客がたくさん集まっている印象を受けました。
あんなに混雑している本屋さんは、東京に3年間住んでいて初めてでした。あんまりゆっくりできる雰囲気ではなくて、ちょっと残念でした。
ゆっくりできなかった理由は人の多さ以外にもあって、それはなんとなく「ガツガツしてそう」な人が多かったことです。
PCなどで作業できるラウンジが併設されていることもあって、作業や勉強の合間に本を見ているような人がたくさんいました。
雰囲気はハンターさながらで、「何か吸収できることはないか」と目を光らせているように感じました。
決してそのガツガツさを否定するわけでもなく、むしろハングリー精神は素直にすごいと思います。ただ、僕のように目的もなくぶらぶら本を探している人はちょっと場違いのようでした。
そして何よりびっくりしたのは、小説がまったくと言っていいほど見当たらなかったことです。
ただ見つけられなかっただけかもしれませんが、小説がないことが信じられなくて全フロアを3周くらいしたので、確かだと思います。
入ってすぐのところにまず雑誌コーナー。その横には写真集やレシピ本など。
それより奥に行くと、フロア全体を埋め尽くすように実用本やビジネス本の類が並んでいました。
子ども向けの絵本や小説はたくさん置いてあったのですが、大人向けの小説はどこに行っても見当たりませんでした。
いくら小説が売れなくてビジネス書が売れやすいとはいえ、いくら代官山とはいえ、小説が見つからない本屋さんなんてはじめてでした。
仕方ないので、子ども向けの絵本コーナーを物色していたら、最果タヒさんの絵本を見つけました。
以前タイトルに惹かれて「落雷はすべてキス」という詩集を買って以来の再会でした。大都会で迷子になった時に昔の知り合いに偶然会ったような、あたたかい気持ちになりました。
というわけでちょっと残念な気持ちを抱えたまま恵比寿まで歩いていたのですが、以前訪れたことのあるキャンディー屋さんがあるのを思い出して行ってみました。
AMERという、男一人では到底入れそうにないくらいかわいいお店なのですが、そこで手のひらサイズくらいのロリポップ(ぺろぺろキャンディー)を買ってみました。
恵比寿とペロペロキャンディー、これ以上ないくらいのアンマッチですが、残念な気持ちが晴れていくようでした。
代官山も恵比寿も、街の雰囲気が蔦屋書店に表れているようでした。洗練された人と街並み、それを支える成長意欲。
どちらも素敵な街ですが、厨二病のように「なんのために成長するんだ?」なんて考えている僕にはちょっと大人な街すぎたかなと思いました。
道でペロペロキャンディー舐めててもジロジロ見られない街がいいな。