
エミール・ゾラ(著)『ナナ』を読む。
この小説の主人公、ナナの母親の物語である『居酒屋』を読んだ後、その迫力に圧倒されて、直後にその続編である『ナナ』を手に取ることができず何週間か過ぎましたが、ようやく読み終わることができました。
それにしても、どうしてみんな「ナナ」が好きなんだろうと、不思議に思います。
小説としての『ナナ』が好きな人もたくさんいます。男女を問わず、読者でナナという女性を好きな人も数多くいます。何よりも、この小説の中に登場してくる人たちはみんなナナが好きなんです。
ナナはお金のためならどんなことでもする女性です。毎晩のように男を変えて、金を受け取ります。特に貴族の男性はすべての財産をナナに捧げ、破産したりします。
ある兄弟の兄は、ナナのために職場の金を横領し、弟はこれもまたナナのために自殺します。
ナナは人を騙さなかったか? いや、たくさんの人を騙したではないか。
ナナは人を虐げなかったか? いやいや、たくさんの人を虐げて来たじゃないか。
じゃ、どうしてみんなナナが好きなんだ?
ナナは純情だったか? いやいや、とんでもない。別の男とベットにいる時に、他の男が入ってくるなんて日常茶飯事ではなかったか……。
三島由紀夫がこの小説が大好きだったし、びっくりするのは、あの『狭き門』の作者、アンドレ・ジッドだって読んでいたというじゃないか。他にもたくさんの小説家がナナから学んだだろう。
私は結局、どうしてみんながナナが好きなのか、わからないままです。
それほど、人間って不思議なものなんだなあ、てことか……?
ーーー
文字を媒体にしたものはnoteに集中させるため
ブログより移動させた文章です。
↓リンク集↓
https://linktr.ee/hidoor