チェーホフの戯曲『桜の園』を読む。
ようやく、私のあこがれであったチェーホフの戯曲『桜の園』を読みました。今まで私が想像していた桜の園、そして多くの日本人が私と同じように考えていた桜の園と、この戯曲の本当の姿はまったく異なっていました。
その最大の原因は、太宰治にあると思います。ご存知のように、太宰治は大地主だった津島家が戦後の農地改革で没落していく様子を見て、まるで桜の園のようだと考え、代表作『斜陽』を書き始めました。書き始めました、というのはこの小説の後半はこの主題とはずいぶんとかけ離れてしまっているから