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星は離れて見るから光る

ペンションの屋根に小さな天文台星は離れて見るから光る『 文 』 (うたの日11/23)



一時期、天文学者になりたいと思っていたことがある。

理科の副教材に載っていた星雲や天の川の写真があまりにも美しく天文学者になれば毎日眺められると思っていたのだ。
親に「望遠鏡が欲しい」とねだってみたけど速攻で拒否された……。親にしてみればそんな高価なもの買えないのはもちろん、どうせすぐ飽きて邪魔になるだけだと思ったのだろう。

それでも望遠鏡で宇宙を見たいという気持ちはなくならなかった。

ペンションプームのころ、天文台があることをウリにしているところを見つけ泊まりにいった。個人の小さな天文台なのでそれほど遠くの星は見えず、月や何かは忘れたが惑星などを見せてもらえた。でも想像していたものとは違い少しがっかりした。リアル過ぎたのだ。星はやっぱり肉眼で見るのが一番美しいと思った。

あのとき望遠鏡を買ってくれなかった親の選択は正しかった。一度覗いただけで天文学者ってつまんないかもと思ったに違いない。

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