セシル・コートでの出会い
ロンドンには、セシル・コート(Cecil Court)という古書街があると聞き、行ってみました。
思ったよりちんまりした、裏路地のような場所でしたが、道の両サイドに美術品や切手、古い地図などを扱うお店が立ち並んでいます。
良さそうなもの、色々ありそう。
まあ、お高いでしょうけどね…。
と、世界で最も美しい本屋で諦めた気持ちを引きずったまま、店先の雰囲気だけを楽しんでいました。
ウィンドウを眺めつつ、セシルコートを歩いていると、あるお店の軒先に、紙の束が箱に入って陳列されているのを発見しました。
見ると、どうやら昔の時代の版画(印刷物)をメインで扱うお店のようでした。
銅版画が好きで、緻密な線画の世界がとても好きなので、これは…!!!と、興奮しつつ、恐る恐る軒先で物色スタート。
まあ高いんでしょうけどね…と価格を見ると、
なんと、一枚15ポンド均一!?
これなら、買えるかもしれない!
いやいや焦らず、ノリで無駄に散財しないように、慎重にじっくり探し続けていたところ、
…出会いました。
好みの雰囲気でもあるのですが、何よりも人物の表情が、とっても可愛いんです!!
数分買おうか買わまいか自問自答していましたが、気がつけば、版画片手に店内でお会計を済ませていました。
結構な時間物色していたので、店主のおじいちゃんはさぞかし「キモいアジア人、まだ見てやがる…」と思っていたでしょうが、買うと分かった途端、眉間のシワが消えてご機嫌に。
パリの蚤の市では収穫ゼロだったのに、まさかのロンドンで良い買い物ができました。
ひとつだけ後悔は、この版画がいつのどのようなものなのか、聞かずに去ってしまった事。全て理解できなくても良いから、質問して聞いてみればよかった…しまったなぁ。。。おどおどして慌てて出てしまいました。
さて、無事に日本の自宅に持って帰らねば。。