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「私は真実が知りたい」(赤木雅子+相澤冬樹)文藝春秋
青木理がかつて出版した「安倍三代」という本があります。安倍晋三の祖父安倍寛、安倍晋三の父安倍晋太郎、そして安倍晋三。この3人について外堀を埋めるように取材したルポタージュで、なかなかの好著でした。安倍晋三を支持するかしないかを別にして読まれてほしいです。その中で安倍晋三の章で青木理はこう書いてます。「いくら取材を重ねても、特筆すべきエピソードらしいエピソードが出てこない。悲しいまでに凡庸で、なんの変哲もない。善でもなければ、強烈な悪でもない」なるほどなあ、と思いました。しかし青木のこの見立ては甘かった可能性があります。真実が未だ不明で何とも言いようが無いですが、少なくとも安倍晋三はこの件においては罪深いにも程があることをした可能性がある。重ねて言うが、可能性に過ぎないです。
というか、どんなに少なく見積もっても安倍政権は二回は退場しているべき政権だと思ってます。森友学園公文書改ざんと桜を見る会。公文書の改ざんなんて、とんでもない話なのです。亡くなられた赤木俊夫さんは、「内閣が吹っ飛ぶようなことをさせられた」と言い残したが、本当にそうであり、誰がどう関わっていたとしてもこんなことが起きたからには内閣総辞職しなければならない。そうならない時代になってるのは異常なことだとしか言いようがない。なお、この本に「内閣が吹っ飛ぶようなことをさせられた」と出てくるくだりは、過労自殺された電通元社員高橋まつりさんの話が出てきます。これには本当に驚いた。
とにかく、実際に人が亡くなってる話で、冒頭から非常に重い。感想を書こうかどうか迷ったが、赤木雅子さんの送られた日々は筆舌に尽くしがたいけど、1人でも多くの方に読まれてほしいと思い、悩んだ末書くことにしました。
「暴露本」などの域は越えてる気がします。予想以上に重要な本でした。一冊の本としてもしっかりできています。何て言ったらいいかわからないですが、赤木雅子さんに敬意を表したい。同様に大阪日日新聞記者相澤冬樹氏にも敬意を表したい。表現が的確かどうかわからないけど、この2人の出会いは運命の巡り合わせか。しのぎを削った末に朝日新聞の幹部が相澤冬樹氏に送ったメールの話は、感動的ですらあります。
麻生太郎の墓参を巡るいきさつなんて、人間がいかに悲しい生き物か思い知らされたし、甥っ子が「あること」を録音していた話とか、ここには不思議な人間の見えない絆のようなものを感じました。そういったテレビや新聞では報じられないようなこれまでの出来事が書かれていますから、ぜひ1人でも多くの方に読まれてほしいと重ねて思います。
最後にもう一度書くと、人間が実際に亡くなってる出来事なので、書き残そうか悩みましたが、広く読まれてほしいという思いで書きました。
補足
私は知り合いでない限り全ての政治家に敬称等をつけないので、政治家は呼び捨てにしてます。