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ロストレガシーライセンス対応カードゲーム制作記(第5回)テストプレイ編その2

ボードゲームを作ろうと思ってすぐの頃、テストは何度でもした方がいいというのが常識のように語られていることを知り、なんて意識が高いんだ! と感動したものでした。
ビジネスシーンでも同様のことが言われているけど、でも一部では軽視されているのが実情なだけに、好きでやってる・行き過ぎた趣味の延長がいかに尊いかということをあらためて思い知りました。

というわけで、不詳ワタクシめもそれに倣って2回目のテストを実施したのでした。
前回はおっさん4人でしたが、今回は子ども(中1が2人)+私の3人プレイです。
対象人数2~4人を想定しているけど、タイマンよりは3~4人で遊んだ方が本領発揮するゲームだと思うんですよね。なのでまずは、この人数でのテストを重点的に行っていきたいと考えてのことでした。

モンスターイーターの左の袋はどうぶつしょうぎ

なお写真は、リビングの棚に並んでいたゲームたち。これで全部じゃない(カタンとか)けど、うちの子が遊んだことがあるものを集めてみました。

……こんなにあったっけ?

ロストレガシーやそれに近いゲームは未プレイだけど、断じて初心者ではないですね。
ちょっと想定していた子ども像と違ったけど、まあ、それはそれ。

初回プレイは10分程度

ささっと説明を終え、さっそくゲーム開始です。
が、初手から長考はいりました。
カードを引くたびにじっくり読み解き、考え、プレイする。前回おっさんずが数秒だったところを、子どもたちは10秒程度かそれ以上。

なるほど……。
これがテストの意義なのか。

いやあ、戦慄。
テストしないと実感できない、この感覚。

この手のゲームに慣れていないのもあるけど、本家ロストレガシーと比べて本作は文字数が多いんですよね、じつは。効果かぶりゼロを目指そうと思ったら、なんかもうシンプルなのは考えつかなくって。
さらにトリッキーな効果のカードがいくつか含まれていることもあり、初見だと難解なのだろうなあ。
お前これゲーマー向けにチューニングされてるぞ、大丈夫か? と課題を突き付けられてしまったのでした。

あらゆる意味で校正したい

と、そんな感じで初戦を終えた子どもが一言。

「中学生になったから遊べるゲームって感じ」

うん、そうかも。

なちみに2週間前に開催したおっさん相手のテストでは初回プレイは約5分。要した時間が倍くらい違います。
そして本家ロストレガシー、製品紹介によるとプレイ時間10分、対象年齢10歳以上。
中1=12歳とすると、本作は本家よりも難しめのゲームと言えるでしょう。

となると、アートワークもそれを意識していかないと、なんて思ったり。
なるほど、こうして根拠が積みあがっていくのだなあ。

2戦目いってみよう

さすがに1戦目よりはスムーズな進行。
さくさく進んで5分ちょい。
あれ、もう慣れた?

「面白いね」

ありがとよ。
でもそれ、ロストレガシーが(そしてラブレターが)よくできてるってことだから。

ともあれ、初回プレイを乗り越えて2戦目まで進んでもらえれば何とかなるという仮説が立ちました。文字情報量は多いけど、ゲームはシンプルだから、面白さを実感するまでの距離は短いってことなのかも。
じゃあ、どうやってそこまで脱落せずにプレイ継続してもらおうか。ここにフォーカスして、今後改善していこう。

上級ルールまでガッツリやってみた

本作はロストレガシーをベースとつつも、実のところローグライトをヒントに作られた周回ゲーでして、基本ルールはいわば導入編。その本領は上級ルールで発揮されます。
なので「だいたいわかった」と思ったら、上級ルールをプレイしてほしいと考えています。
(というか、いま思ったんだけど、それだったら上級ルールって名称はよくないですね。もうちょっとオプショナル感が軽減されて、やってみたくなる名称に変えないと)

<リザルト>
基本ルール 2戦 15分 (平均7.5分)
上級ルール 8戦 65分 (平均8分)
説明に10分くらいなので、90分でぴたり10戦。完全勝利者が出るまでプレイできました。

なお前回テストでは、上級ルールは11戦で平均8分。
人数が少ない方が1戦にかかる時間が短く、完全勝利できる確率が高まる(ライバルが少ないほうが勝ちやすくなる)ハズなのだけど、その点、今回の結果は想定内。試行数はこれから稼ぐとして、いまのところは狙いどおり。
そのうえで、より短時間で決着するルールも用意してる(上級ルールで使用するカードの組み合わせ・枚数で調整する)ので、今後はそっちも試したい。

で、感想はというと。

「すごい!」
「楽しかった!」

父の威厳は保たれた。

次回予告

ボードゲーム制作に関連して、普遍的な話題であるモチーフ選び、アートワーク、装丁・印刷代についても書いておきたい。
ボードゲームを作っている人をXやnoteでフォローしてるんですが、いかに売るか=どれだけ多くのひとに遊んでもらえるかの観点では、コスト増になるけどチャック袋じゃなくて衣装箱にすることが重要だとか、紹介動画・プレイ動画の尺についてだとか、議論が尽きないんですよね。

といっても、持論を展開・主張したいのではなく、こういうことが叫ばれていますよ、という情報の整理と、本作はどのあたりに気を付けるべきか、という考察をしておきたい、といった狙いです。

あるいは、ゲームマーケット関連で何か。
こちらは考えあってのことではなく、書き出してしまえば何か書けそうだから、くらいなもんですが。

といったところで、今回ここまで。
ご清覧いただき、ありがとうございました。

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