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結末を知りたいか?

結末を知りたいか?
映画にしろ、本にしろ、ドラマにしろ。
どちらなんだろう。実は私は、結末を知るのはへっちゃらだった。

よく学生の頃、友達に何か物語の大まかなあらすじを聞かれ、説明した場面を思い出す。概要を話しながら
「それで...最後にはね...。」
と物語の結末の部分に触れそうになると、友達が耳を塞ぎ
「絶対聞かない!聞きたくない!」
と言っていた事を思い出す。

私には不思議でたまらなかった。なぜならいつも、映画も本も概要を知り、じっくり内容を見ることが好きだし、いちばん最初に主人公は幸せになれるのだろうか?どうなんだろう?ということをきちんと把握しながら、安心して観たり、読んだりしたい、という気持ちが強かったからだ。

だから、私には結末を恐れたり、楽しみにしたりする繊細な心は持ち合わせていないのかと思っていた。

しかし、今日、現在鑑賞中の
「エミリーパリへ行く」
の結末をネットで調べてみたところ、なんだかいつも以上にがっかりしたのだった。そして一気に、盛り上がっていた心が、シュン、と折れた。

そして考えた。私は結末を恐れなかったり、楽しみにしない訳ではなく、私にも何か主人公たちに重ね合わせて一緒に空想の物語を楽しむ繊細でドラマティックな心が存在していたのだ。それから、現在までをじっくり思い起こすと、実は最後にどんでん返しのある物語はワクワクして大好きなんだ、という事を思い出した。

どんなに単調で同じ毎日でも人間ならドラマティックに生きる事を捨てたくはない、結末を知ってしまった「エミリーパリへ行く」だけど、ラストまでのドラマティックな主人公たちの人生を、じっくり楽しんでみよう、そんなふうに思った。

(MacBook)

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