行きすぎた調理
たまたま、普段買わないりんごをプレゼントされる機会があった。
普通に切って食べるのも何だと思い、以前フリマで買ったミキサーでリンゴジュースにしてみた。
水と砂糖と少しの塩をいれるだけで、リンゴジュースが飲めるのだが、丸々1個をいれるとどうしてもミキサーが並々になってしまいうまく混ざらないことがある。
なので、仕方なくある程度混ざったらミキサーの半分くらいを注いで先に飲んでしまうことにした。
わかっては居たけど、めちゃくちゃにうまい。
クッキングパパ風にいうと「もっ さいこー!」ってくらいにうまい。
多少りんごが残ってるけれども、食感を残しつつ、りんご100%の濃厚なジュースがたまらん美味しさで、良いものを飲んだ後の心地の良い気分に浸ることが出来た。
しかし、まだミキサーには半分あり、せっかくなのでと思い、形が一切残らないくらいまですりおろしてやろうと、一分くらいミキサーを稼働し続けた。
活動限界を超えて、止まったミキサーからは先ほどとは打って変わって、とろける見た目の滑らかなリンゴジュースが出来上がった
早速飲んでみると、それはもう先程の美味しかったリンゴジュースを遥かに超える美味しさになっていた(クッキングパパのサンドウィッチマンが出た回くらいの満足感)
喉越しが非常によく、均一によく混ざっているからか、甘みが先程より引き立ち、明らかに自分好みの最高のリンゴジュースが出来上がりまった。
しかし、ミキサーが稼働を停止するまですりおろしただけあって美味しいものが出来たなぁ。と、思うと同時に幼い頃の記憶が蘇った。
子供の頃、袋に5~6個入ったレーズンパンが大好きで、よく親に買ってもらい食べさせてもらっていた。
普通に食べても充分に美味しいが、親に「レンジで数秒温めると美味しいよ」と教えられ、試してみたところ、想像以上にふわふわのいい香りをしたレーズンパンを食べることができ、大喜びをしたことを今でも覚えている。
一人で留守番をしていたある日、いつものように袋に入ったレーズンパンをレンジで温めて食べていると、ふとこんな疑問が思い浮かんだ。
「数秒温めるだけでこんなに美味しいのに、5分くらい温めたらどれだけふわふわになるのだろう…」と。
早速、温めながらレンジの前で数分待つことにした。
すると、急にレンジが明るくなり、何事かと思ったら、レーズンパンが光り輝き燃えていたのであった。
光り輝くレーズンパンを見たのは後にも先にも無いことであった。
慌てて開けて、レンジに直接コップの水をかけ鎮火を行い、大事に至らず済んだものの、パンは焦げ尽くし、レンジは炭で真っ黒になってしまった
そのパンを齧ったところ、あまりにも固く、あまりにも苦く、子ども心にやりすぎは良くないと思ったのを今でも覚えている。
もちろん、その後、しっかりしっかりと親には怒られた。
成長しても、大人になっても、根本的なところは変わっていないのであった。
おわり