Windows環境の自作PCで定番のCPU-ZやCoreTemp。GNU/Linuxディストロならどうする?

 Windowsの互換レイヤーである「Wine」で不自由なソフトウェアを動作させるよりも、代替となる自由ソフトウェアを使いたいとは思わないだろうか。知識・経験がなければ一体どんな自由ソフトウェアがその不自由なソフトウェアの代替手段へとなりうるのかわからない。もうすぐGNU/Linux歴5年となる私が、CPU-ZやCoreTempの代わりとなる自由ソフトウェアを紹介しよう。
 少しズレるが、そもそもGNU/Linuxに乗り換えるメリットはなんだろうか。源流を辿ると、そこにはGNU Projectがある。自由なUNIX・OSとしてのGNU(GNU is Not UNIXの再帰的頭字語)を作り上げるという、リチャード・ストールマンが立ち上げたプロジェクトだ。彼は後にFSFも創ることになる。しばらくして、リーナス・トーバルズがカーネルとしてのLinuxを公開する。なぜリーナスはカーネルを作らなければならなくなったのかといえば、GNU Projectがナンセンスだったからだ。GNU Hurdという幻想は、今日でも続いている。ナンセンスだが、種類が豊富で質のよいGNU Projectの成果物と、センスが抜群、というかシンプルなカーネルとしてのLinuxを組み合わせることで、ようやくマトモなOS = 各種GNU/Linuxディストリビューションが完成するのであった。
 別にGNUの成果物なんてどうでもいんだが、利用できるものは利用しようじゃないか。そういうスタンスで彼らはこれを配布をしている。中には頑固なGNU Project、特にGPLに嫌気が差している者もいるようだ。進歩主義としての自由ソフトウェア運動はあまり評価されない。その優位性から合理主義的に利用する者や、思い違いから盲目的に触れる者ばかりだ。彼らにいわせれば、「Linuxは無料のOS」,「LinuxはオープンソースのOS」である。もはや「GNU/Linuxディストロは自由なOS」と呼ぶ者はほとんどいない。
 かくいう私も、権利の、当然の、あるべき姿の、これらの言葉とは絶縁した身である。自由ソフトウェア運動が訴えるその有用性には共感するが、その「根拠」には全く賛同しない。自由ソフトウェアそのものは好んでいるが、その背後にあるリチャード・ストールマンの率いる自由ソフトウェア運動は嫌っている。そんなところで「新左翼ならぬ新自由ソフトウェア運動」なるものの模索をはじめるのであった。
 無料。 ーそんな浅い場所で留まるのではなく、諸君にはソフトウェアの自由について、幾分かより深い場所へ思考を運んでもらいたい。

CPU-X(CPU-Z)

ホームページ:Github
使い方:AppImage形式で配布されているため、ダウンロードして実行権限を与えるだけで動作するようになる。ファイルマネージャーにてダブルクリックで起動。
「ファイルマネージャー」→「ダウンロードしたファイルを右クリック」→「プロパティ」→「パーミッション(権限とも表記される)」→「実行可能にチェックを入れる」→「OK」
root権限はいらない。macOSの.app形式のようなもの。(向こうはファイルを特定のディレクトリに移動しないといけないらしいけど)
ライセンス:GPL-3

Psensor(CoreTemp)

ホームページ:現在は消滅している(アーカイブ
使い方:そのディストロのパッケージ管理ソフトから適当にインストールすればよい。
Debian/Ubuntu系なら
sudo apt update && sudo apt upgrade -y && sudo apt install psensor -y
とかでおk
温度の確認方法は起動すればわかる。
ライセンス:GPL-2 or later


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