「伴走型支援」ってどういうものですか?
2年ほど前から、鹿児島県内各地で「伴走型支援者養成講座」というものを行っています。「発達障がい・精神疾患・アダルトチルドレンなどの生きづらさを抱える人への支援を行う人を養成する講座」であり「傾聴・カウンセリング・ファシリテーションなどの技法を講義形式・グループワークなどを通して一緒に学ぶ」といったことを説明書きには書くことが多いです。
実は言葉で説明できないことも多い
「伴走型支援」とは、心理支援や発達支援や療育、就労支援などの世界で、近年使われることが多くなっている言葉です。近年使われることが多くなっていることからわかるように、その必要性は叫ばれているのですが、定義はあいまいで、その言葉を使う人の解釈によっても異なる部分があります。
NPO法人ルネスかごしまで使う「伴走型支援」についても、実は、私もしっかりとした定義があるわけではなく使っている部分があります。あいまい、というよりも、言葉では十分にそのニュアンスを伝えることが難しい、というのが正しいかもしれません。
ここでは、私どもが「伴走型支援」という時の、そのイメージをつかんでいただければと思います。
「伴走型でない支援」とはどんなものか
「伴走型支援」を考えるために、まずは「伴走型でない支援(従来型支援)」を考えてみましょう。
支援者の間でも誤解されていることでもあるのですが、支援というのは、「困っていない支援者が、困っていたり、苦しんでいたりする被支援者(相談者)に対して、上から、ロープやはしごを掛けて、上に引っ張り上げる」ものという、誤った認識をされている方がいらっしゃいます。ここでは、これを「伴走型でない支援」とします(解釈が様々で、こういった表現が誤解を生んでしまうこともあると思います。その点については申し訳ありません)。
伴走型支援とは
これに対して、「伴走型支援」というのは、困っていたり、苦しんでいたりする人の、その近くまで行き、可能であれば「同じものを見て、同じことを、一緒に考える」ことを行おうとするものです。もちろん、支援者としては、相談者よりもはるか先のこと(例えば「支援の出口」)も考えていく必要はあるのですが、ここではあくまでもイメージということで。
NPO法人ルネスかごしまでは、2年前より「伴走型支援者養成講座」というものを、100回以上行っています。そこで話されることは多岐にわたるのですが、これから始める連続投稿により、その可視化を目指したいと思います。今回は、「伴走型支援」のイメージについて、お話いたしました。これから、「傾聴について」「カウンセリングの基本的な考え方」「自己開示」「自立とは」など、当法人が考える支援についてお伝えしていきつつ、読者のみなさまとも一緒に「よりよい支援とは何か」について考えていければと思っています。
当法人の考える支援について、Note上のマガジン「伴走型支援とは」にて連載していきたいと思っておりますので、興味を持たれた方はぜひマガジンの購読もよろしくお願いいたします(無料です)。
お読みくださりありがとうございます。 いただいたサポートは、NPO法人ルネスかごしまが行う「生活困窮家庭・ひとり親家庭支援」に全額使わせていただきます。