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うどんがしょっぱい、天津飯がすっぱい。

うどん。


わたしにとってのうどん
黄金色の透き通ったスープ
すこし甘くてじんわり沁みるやさしい味
風邪を引いたときに
母に甘えて食べさせてもらった思い出の味
ほっとしたいときに欲しくなる
それがうどん。

上京して
ほっとしたくてうどんを頼む
真っ黒のスープが現れた
「え、黒、、ラーメン…?」
いや、麺はうどんっぽい。
おそるおそるスープをすする。
からい、しょっぱい、飲めない!
今私の身体が求めているのはこれじゃない!!

天津飯。

わたしにとっての天津飯
とろとろのあんかけ
すこし甘くてじんわり沁みるやさしい味
出汁のしみた卵とごはんを
あんかけでほぐして口いっぱいにほおばる
ほっとしたいときに食べたくなる
それが天津飯。

上京して
ほっとしたくて天津飯を頼む
真っ赤な山が現れた
「え、赤、オムライス…?」
いや、これはオムライスだろ。
おそるおそるひとくち食べる
すっぱい!しょっぱい!大混乱!
今私の身体が求めているのはこれじゃない!!

わたしが上京して失ったものは
やさしいうどんとやさしい天津飯

東京のうどんと天津飯は
私には刺激が強すぎた。

#上京のはなし

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