スズメバチは悪くない
秋になると、生き物たちが苛立っているのを感じる。
マムシやなんかは、ジャンプしてとんでくるし、普段は温厚な日本みつばちでさえ、巣の前を通りかかるだけで追いかけ回して来たりする。
それでもしょうがない。誰でも寒いのはやだし、もうすぐ雪だって降るのだ。
しょうがないけど、見逃せないものもある。
巣まで20メートルほどあるかなー
遠目で見ても、かなりでかい。
先日きてくださったお客さんが、
「キャンプ場でスズメバチに刺されて大変な目にあったよー。」
っていってた。おいっこも公園の滑り台で刺されたことがある。どちらもまわりに巣は見えなかったらしい。
畑に行く途中の木なので、カフェに来店するお客さんの通り道ではない。
が、
秋に在来種である、ざる石カブ料理と圃場見学をセットにした小さなイベントを企画していたり、毎年恒例の焼き芋会もある。何よりもうちの子が畑で遊ぶ。
縄張りを意識したスズメバチに刺されることも大いにある。
見つけてしまった以上ほおっておけない。
が、
いつやるか?
どうやってやるか?
スプレーはまず届かない。
届いても、巣が巨大だから何缶使うか。
木登りして、スプレー。
登れそうな木がない。
ドローンで攻撃!
落ちたのを駆除とか?
ドローンもってないくせに、ドローンでの駆除を想像してみる。
みなさんなら、どうします?
飛んでいる大きさから、おそらくキイロスズメバチだと思う。
もし落としたら、しばらくは畑の周りに、逃げたスズメバチがさまようだろうな。
とか、いろいろ考える。
本当にちゃんと考える。
たこ八さん(夫)
「冬になると、女王だけ土にもぐって越冬するらしいよ。」
私「働き蜂はどうなるの?」
「みんな死にます。」
「じゃあなんのためにあんなでかい巣をつ くるの?」
「それはおれも思った。」
「来年またそこに住むのかな?」
「それはないらしい。」
「えー。なんか納得いかない。」
「だから、無理していまやらずとも、冬になるとみんな死ぬよ。」
「でも…」
と、ゆるい会話をへて、
よく見ると巣も見える。
もともと、その場所で若干木も込みいっていたこともあった。木を切って光を入れるのも大事。
巣はスプレーしたり、いぶしたり、アレコレして駆除完了。
(私はなにもしてない)
写真くらい撮ろうと近づこうとしてすぐに追いかけ回される。危険!
写真をとる余裕はない。非常に大きかったとのこと。
周りを飛んでいる子も、不安そうで、意気消沈といった飛びかた。やはり巣や女王がいないといずれ死んでしまうよう。
木は大切に薪にする。
ただ、スズメバチは、生きるために大変立派な巣をつくっただけだ。大事な仲間を守るために威嚇しているだけだし。なにも悪くない。
ごめんなさい。
それでも、わたしたちも、大切な人を守らなきゃいけないわけで。
山で、お互いに心地よく住み分けるというのはなかなかに難しい。
※ 家のまわりにスズメバチが巣をつくるのは、あんがいよくあること!
厚着、ゴム手袋なら大丈夫と思わずに、防護服着ましょう。無償で貸し出してくれる自治体もあるから。
スズメバチ駆除は命がけだということを、忘れちゃいけない。
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