【コレを聞いたら気をつけろ】エンジニアが新規事業に誘われた時のチェックポイント3つ
最近、新規事業を一緒にやりませんか?というお誘いを良く頂くようになりました。
過去にも既に何度か新規事業に携わったり、ジョイントでやったり、客観的に観測したり、としていたのですが
その中で見えてきた失敗ノウハウがあるので、今回はそれを書こうと思います。
新規事業を考えている方。新規事業に誘われている方。必見です。
失敗する新規事業に多かった発言TOP3
・ユーザーが集まったら広告費とかで稼いで他の会社に売ろうよ。
一言一句、同じフレーズを何度聞いたかわかりません・・苦笑
広告費を出して、その価値が感じられるほどのユーザーを集めるのに
どれくらいの時間が必要かがすっぽり抜け落ちているパターンです。
相当マーケティングを練っても、売れるレベルになるのには1年以上かかるのではないでしょうか。
それまでは、手弁当でメディアを運営する必要があるのですが、、その覚悟が無いままに
とりあえず、売れたらいいな、みたいな考えの人が大半です。
あとは、漠然と、ユーザーが付けば会社が買ってくれるだろう、というのも幻想です。
twitterのフォロアー数もお金で買えたりしなかったりしますが、
有象無象のユーザーがいても、メディアとしては扱いにくいのです。
どんな会社に、いくらで売る、という明確がビジョンを持った上で、買うメリットのあるユーザーを戦略的に集めていかないと
ユーザーも集まりませんし、仮に集まったとしても売却に難航することは想像に難くないでしょう。
・金持ち向けのサービスをやって高利益率のサービスを狙おうよ。
「知り合いでお金が余って余って仕方がない人がいるんだけどさ
その人が、こういうサービスがあったら是非使いたいって言ってるから作らない?」
とか
「めっちゃ高級志向のサービスにしてさ、顧客単価5〜10万くらいのtoCのサービス作ろうよ。
知り合いのお金持ちだったら全然安いって言ってるし」
みたいなやつですね。
これ、厳しい言い方をすると、正直言って金持ちをナメている発言でしかないです。
誤解その1:お金が沢山あるから、たくさんのお金を出してくれると思ったら大間違い
お金持ち=金が余ってる=たくさんお金出してくれる、という謎のロジックを組み上げる人の多い事多いこと。
実際のお金持ちは無駄なお金を使わないからこそお金持ちになっているのです。
だからこそ、商品やサービスへの見る目はシビアですし、価値がないと思ったら二度と使いません。
誤解その2:贅沢にしたらお金持ちに当たるサービスが出来る、という思い込み。
コレを言っている人は90%以上、高い金額を払ってサービスを受けたことが無い人です。
実際にお金を持っている人たちは、どんなサービスになら高い金額を払っていいか、独自の基準を持っています。
たとえば、お肉を例に取ると
高級和牛を食べるよりも、実は、牧草牛に高いお金を払っていたりします。
ここで、「牧草牛って何?」ってなる時点で、もはや金持ちの世界を知らないです。
自分の脳内の「お金持ち」のイメージでサービスを創り込んでしまうのです。
普通よりも高機能なサービスであれば、お金持ちから利益率の高いサービスが出来てヒャッハーと考えていたら大間違い。
逆に、高額であるが故にその価格以上の価値をどのように感じてもらうか、と考えなければ見向きもされません。
・知り合いに投資家がいるから、1000万くらい出資してもらってさそれで作ろうよ。
と、言われて知り合いその投資家を私は見たことは一度もありませんでした・・・
投資家の中にも色々な方はいらっしゃるのですが、基本的に「お金は出すよ〜」と最初は軽く言うものの
実際の投資直前になって「コレ本当に儲かるの?」「どういう見込みなの?儲かる証拠を見せて」「やっぱりまずは10万から」
みたいな感じにトーンダウンし、たち消えることがままあります。
投資されると思っていて、先行して自腹を切ってプロダクトを作っていたりすると、そこで詰みます。
特に個人投資家を称する方は、この傾向が強いと思います。
そもそも今は色々なツールが世の中にあるわけですから、売上が上がるかわからないプロダクトを投資をしないと作れないような状態で挑むべきではありません。
ある程度の売上見込が立ち、キャッシュによって成長が加速する、と確度高く見込める時のみ投資を受けるべきかと思います。
なんでこんなことを書いたか。
正直、こういうお話を持ちかけられた時に正直、割を食うのはエンジニアであることが多いです。
新規事業の成功率は、10%程度と言われています。
新規事業はそもそも成功しづらいのです。
そんな中、それらの新規事業のプロダクトを作る時に
「将来、莫大な利益を折半するから、今は格安でやって」
「共同事業なのだから、手弁当でやって」
と将来の利益を枕詞に、エンジニアリングを原価または自腹でやって、言われることが非常に多いです。
しかし、共同事業でやるにせよ/格安でやるにせよ、プロダクトを作ったからにはそこに責任が発生します、万全に動くことを決められ、スケジュールもある程度守っていく必要が出てきます。
つまり、安いからとか自腹だから、といって、エンジニアが負担するべき責任が軽くなることは一切ないのです
一方で、共同事業を持ちかけた側の責任は、不明瞭なことが多いです。
「期限内の売上にコミットして欲しい」といえば「顧客ありきだからわからない」
「この金額で売らないと運用保守費用が捻出できない」といえば「顧客はこの金額では買わないからまずは無料か格安で」
「じゃあ、あなたは何をコミットするんだ」と聞けば「資本を引っ張ってくること」
うーん、と思いますよね・・w
となり、立ち上げ初期の責任の重さが非常にアンバランスになってきます。
だからこそ、、このような話をされたエンジニアの皆さんはよく考えてください。
あなたが一生懸命作ったプロダクトの成功率は10%です。成功しないかもしれません。
1年以上手弁当で開発を続けることもあるかもしれません。
顧客がこう言ってるから3日以内に直して、と理不尽な依頼もあるかもしれません。
開発が遅れたから売上が上がらなかった、と責任を追求されることもあるかもしれません。
それでも、この新規事業にコミットしたいですか?
誘ってきてくれた人とやりたいですか?
それをじっくり考えた上で、決めたほうが、トラブルにならずに済むのではないかと思います。
最後に
実際には、投資で上手くいくプロダクト開発やビジネスもたくさんあるんだと思います。
ただ...
うまい話は、持ちかけたヤツにとって一番うまい話である。
都合の良い将来の話は、不都合な事実へと変わる。
という言葉もある通り、
大金が入ってくる(かも)しれないから、と言ってエンジニアリングの安売りをしないほうが将来悲しい想いをしないで済むのかな、と思います。
以上、今回は、新規事業にまつわるお話でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう。
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