見出し画像

コードvsノーコード?エンジニア経営者から見たプログラミングの未来

最近、ネット界隈でノーコードがバズっていますね。

反応を見てみると、様々です。

・プログラムが書けなくてもプログラマーになれる世界が来る!
・いやいや、実際の要件では、ノーコードなんて危ないよ!
・ノーコードは敷居が参入障壁が下がるだけでエンジニアの仕事はなくならない!

などなど、、

いろいろな議論があるので、経営者的な視点で私も考えてみました。

結論から書くと


コードもノーコードも共存するんだろうなぁ。


と思っています。


この記事を書いている私は、IT歴20年、Win98時代からパソコンを触り始め、現在システム開発会社を経営しています。

Googleもなく、Yahooの検索エンジンが手動登録だった時代から眺めて見ると、また違った見え方があるなと思いつつ、私の見解を述べていこうと思います。

ノーコードは、プログラミングを駆逐するものではない。


まず私が思うには、ノーコードは今あるプログラミングを駆逐するものではないと思っています。

なぜなら、WordpressやEcCubeやRedemineなど、有用なツールが現れたところで、むしろシステム開発のニーズは高まったとさえ思います。


ランサーズとか見てみると、わかるんですが、wordpressというカテゴリが存在し、そこでWordpressに関わる仕事が多数募集されています。

そんなWordpressの歴史を振り返ってみると、Wordpressが出来たからと言って、各社のブログサービスが反対したとか、ブログシステムを開発していた企業が反対した、とかそんな話は聞いたことがありません。

(ほんとうはそうじゃなかったらごめんなさい)

オープンソースとノーコードは全く違う、ノーコードのほうが自由度があるので、プログラミングへのインパクトは強い、と主張される方もいらっしゃるかもしれませんが


多分、Wordpressと同じように、ノーコードのプラットフォーム上では実現出来ない部分をフォローするツールを作って欲しいとかそういう形で

ノーコードとコードが補完するような関係になっていくのではないかと思っています。


ノーコードなのかコードなのか、ビジネスから見たらあまり関係がない。


ちょっと暴論かもしれませんが、経営者的な目線でみた時に、ノーコードなのかコードなのかは


ビジネス上あまり関係がありません。


結局、ビジネスが回って稼げるのであれば、ノーコードで出来ていようがコードで出来ていようがどちらでも良いのです。


たとえば、商品を紹介するランディングページを創りたいとします。

その際に都度都度、デザインを起こしてHTML&CSSでコーディングすることはビジネス上正しいでしょうか?

なるべく早く、時間をかけずに早く公開したい、となったら、ペライチだったり、Wixiだったり、ホスティングサービスを利用することのほうがビジネス上正しいのではないでしょうか。


コロナのこの時期、飲食業界の方がこぞってオンラインで商品を販売していますが、ゼロから自前でECサイトを作る会社さんは見たことがありません。

私が見た中で一番簡素なECは、Facebookのグループで写真と説明と金額とメールアドレスが書いてあり、購入したかったら、コメントしてからメールを送る。でした。

それでもモリモリに売れてました。


エンジニアでもある私がこんなことを言うのもなんですが、システムは手段であり目的ではないのです。


むしろ、ノーコードという一つの選択肢が増えて、顧客の要望に更にきめ細かく対応出来るようになったのではないかと思います。

社会から求められるエンジニアの本質は、別の所にある。


10年以上ITに触れてきましたが、良いエンジニアとは、突き詰めると

予算超過なく、スケジュール通りにユーザーに全ての機能が使われるシステムが作れる

なのではないかと思います。当たり前のようでゲキムズですw

言い換えると

・求められる要件に対して正しい技術を選択する

・利用者のリテラシに合わせて画面を設計する

・実際の業務が効率化するようなロジックを実装できる

・必要な作業を正確に見積もれる

が満遍なく出来ることが、社会から求められるエンジニアなのではないかと思います。


意外と誤解されがちなのですが、技術力が高い=価値のあるエンジニアと思われがちですが、必ずしもそうではありません。

高い技術力で問題をパパッと解決できる=エンジニア、という印象が強い昨今ですが

技術力が問題を解決するような案件を受けることは体感上かなり少ないです。(研究開発とか大企業とかイケイケベンチャーとかだと話は別かもですが)


むしろ、世の中に存在するシステムの大半は、なにかしらの焼き直しなことがほとんどです。

会計ソフトも勤怠ソフトもプロジェクト管理ツールも、ググれば鬼ほど出てくると思います。


そんな中で、なぜエンジニアには何が期待されているのか?

それは相手の置かれた状況によって何が最適な選択肢なのかを導く役割なのではないかと思います。


言い換えると、

誰にでも寸分たがわず全くネタ、同じ順番で寿司を握る板前と

お客さんの年齢/予算/苦手もの/好きな物をヒアリングした上で変幻自在にネタを繰り出す板前

どちらのほうが好まれる板前でしょうか?

私なら後者を選びます。


ということで、エンジニアの本質は、「技術」ではなく相対する「人」の理解にあると僕は思います。


答え合わせは多分5~10年後?


とはいえまだまだ出てきたばかりのノーコード

技術の進歩も早ければ、立ち消える技術も多数あります。

数年前に流行った技術が、新しく出たフレームワークにシェアを奪われることもよくある話です。

たとえば、いまでは有名なWordpressですが

登場した頃は、Movable TypeというCMSに大きく水を開けられていました。

が、やっとここ10年の間で市民権を得たように感じます。


まだまだ発展途上のノーコードが、IT業界にどうフィットしていくのか、少なくともあと5年くらいの時が必要なのではないかなと思います。

それでは、本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました。


また次回の記事でお会いしましょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?