見出し画像

広島旅行(12)day2

(13)

僕らは「波の翼」を後に、次のアートへ。

「ねそべり石」は遠くからみたけれど、角度が悪く、よく見えなかった。「千里眼」という作品はサンセットビーチにあり、メガネの形をした青いモニュメントだった。近くで見ると気づけなかったが、少し離れて見ると黄色くて小さいメガネが青いモニュメントの左右にちょこんとあった。この「千里眼」は初めは見つけられなかったけれど、潮風を感じたくて、サンセットビーチの近くに車を停めて、写真を撮ろうとしたら、たまたま砂浜の方に発見することができた。風がものすごく吹いていた。

続いて「風のとき」という赤い逆さの円錐が長方形の石に寄りかかっているような作品も見つけることができた。また、車で走っている時は見つけられなくて通り過ぎた「空へ」という、黄色くて小さい逆さの円錐が5つ重ねられた作品も…本来の見る場所からではないはずだけど…なんとか遠くから眺めることができた。連鎖的にいくつかの作品を見つけることができたのは運がよかったのかもしれない。

次は少し離れた場所に「空/海」という作品があった。僕たちは空海、空海と言っていた。遠くから眺めて近づいてはいけないということらしかった。これ以上は近づかないでくださいというようなブロックがあり、作品へ近づけなくしていた。簡単に乗り越えられる、高さだった…。僕は、”最初”は言いつけ通りに近づかなかった…けれど、海に近づこうとした時に、結局、空海のすぐ近くに行って、写真を撮ったりした。ブロックは超えないで別の方向から近づいた。海に降りた時、生き物を探したけれど、見つけられなかった。いくつかの石をひっくり返してみたら、ミミズのような、どこかの海でもみたような生き物がいた。釣具店なんかで売っていそうな生き物。…名をなんというのだろう。あと…やはり僕は海を感じたかったので海水を舐めてみた。(僕は定期的に海を感じたくなる。それはこういった旅行の時が多い。)しょっぱくて海にきたんだと感じられたような気がした。潮風もなかなか感じられなかったので、そのしょっぱさが嬉しかったのを覚えている。2~3回繰り返し、海水を舐めてみた。やはり、どの海水もしょっぱかった。


目の前にあるのは海なのだ。


目の前に海があるのだと実感できて嬉しかった。それが瀬戸内海でも太平洋でもよかった。海を感じたかった。僕はここで貝を2つ拾った。白い貝殻と、少し紫色の線のある牡蠣の貝殻。それが牡蠣の貝殻だとは知らなかった。彼女が教えてくれた。僕のお土産は”これ”で十分だった。職場でも冬休みにどこに行ったかなんて誰にも話すつもりはない。誰かに話して「私も行ったことあるよ」とか言って、話の主導権を奪われて、延々と聞きたくもない話を聞かされるのは御免なのである。そういった意味でも、この旅の話は職場の人にはしないようにする。自分の為に。


”この時の僕はそういう時期だった”

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集