薬膳粥モーニングを食べながら不溶性食物繊維に想いをはせました
今朝はとびきりの朝日浴(あさひよく)日和。
つりお君はお休みで早朝から海を見学に出かけたので、私は時間を気にすることなく玄関先で朝日浴をしました。
暖かい白湯をコックンコックン飲みながら朝日を浴びていたら、「朝ごはんはあそこ(近所のcaféレストラン)で食べたいなあ~」と体がもぞもぞ動き始めました。お目当ての薬膳粥モーニングセットは飲み物付き。ぽってりとした厚手の大きなカップにたっぷり注がれた飲物は、コーヒーや紅茶などの中から好きなものを選べます。
私は時々、人様が作ってくれた食事を無性に食べたいと思うのです。しかもスタッフの方がにこやかに私の目の前まで持ってきてくださる!「どうぞごゆっくり」なんて言われると非日常モードになります。
粉山椒の香りが食欲をそそる薬膳粥には、スライスした蒸し鶏がトッピングされクコの実や豆類が入っています。彩りも美しいビーンズサラダもついていて、ドレッシングはカシスの味がして美味しい~。 お粥を口に入れると暖かさ、香り、控えめな味付けのハーモニーがふわ~っといい気持ちにさせてくれます。
しかしながら、このお粥を私は一口60回も噛んで食べています。もちろん消化のためでもありますが、もう一つ大切な目的のためでもあるんですね。噛み終わると口には豆の皮、胚乳などのざらっとしたカスが残ります。「飲み込めなくてごめんなさい」と謝りながら、カスをそっと紙に出して持ち帰ります。(レストランのお皿の上にはおいて帰るのは忍びないですものね)
このカスこそ、不溶性食物繊維。
問題のない胃腸を持っている方たちには腸活のため有効なものです。しかし、イレウス(腸閉塞)を起こしてしまった私たちにとっては腸に負担がかかるリスクのあるものなのですね。
自然食の食事が食べられなくなった私
手術以前はナチュラルフードレストランで食事をするのが好きでした。しかしイレウスの手術後は、玄米・ごぼう・蓮根・繊維質の多い野菜に海藻、こんにゃく、キノコ類などが食べられなくなったのです。もちろん家でもほとんど食べません。少量なら食べられる豆類にも注意が必要です。(大丈夫な食材とそうじゃない食材には個人差があります)
イレウス(腸閉塞)になった人にはこれらの不溶性食物繊維が多く含まれている食品は消化に悪いだけではなく腸に詰まりやすいというのがその理由です。イレウスになったことのある人は腸の動きが悪い傾向があるみたいです。
問題のない胃腸を持っている方には、不溶性食物繊維は健康のために良い食材なので誤解しない下さいませ。
健康に良いと言われているこれらの食品が、イレウスになった経験のある人たちには大変リスクのある食材になってしまうということを少しでも知っていただけたらうれしいです。私の身体を心配してくれる親しい人たちに、このことを話したところ始めはなかなか理解してもらえず、もどかしい思いをしたこともありました。
私も病院でスタッフの方々に「不溶性食物繊維の多い食品には注意してください。なるべく避けるように」と言われた時、「うそでしょ!それは違うんじゃないの?」と信じられませんでした。
イレウスは単なる便秘ではなく、腸の癒着によって腸管がふさがり、腸の内容物・腸液が大腸の方に出ていかなくなった病気です。過去に何らかの開腹手術・腹腔鏡手術を受けた人は腸の癒着を起こしやすいそうです。私は若いときの虫垂炎か直近の胃がんの手術の影響があったようです。
イレウスを起こすと再発しやすいし、知り合いの人で退院してすぐ再入院したということも聞きました。
便秘に良いと言われる食材を食べた時に、腸管に何らかの問題があり狭くなっていたり癒着を起こしていれば、その食品の不溶性食物繊維(残渣)が詰まってしまいます。そうすると小腸の内容物と腸液が大腸へ出ていかず最悪の場合は腐敗し、それによってあっという間に命を落とすことがあると聞きました。イレウスの苦しさは体験しないとわからない苦しさだと思います。もちろん手術は苦しい。治療はそれ以上に辛い。
だから、他の人から見ると「そこまでするの?」というように食べ方にまで気を使わざるをえません。そんな人たちがいるんだなあ~~~~と記憶の片隅に残していただければありがたいです。
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