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海とゲートボーラーの狭間

「入れ!」

テントで眠る私を起こしたのは小鳥のかわいいチュンチュン囀りや、風に揺れるカサカサ木の葉のような擬音語ではなく、くっきり縁取られた文字だった。

目を薄開きにして、テントを透過する光を感じ取る。この感じはどうやら7時にはなっているな。チャムスのキャップの上にぽすんと置いていたジーショックを手に取り、時刻を確認すると7時8分だ。

キャンプに来ると5時には目覚めてしまうが、昨日はいつもより酒を多く飲んでしまった。予期せぬ缶ビールを1本もらってしまったし。体を起こした反動で波が起こり、酒が手先まで行き届く感覚がある。

思いの外暑かったからか腹にかけていたブランケットは足元に丸まっている。まだフリースブランケットは早かったか。寝床を軽く整えてから、手をついてもぞもぞと立ち上がる。手をついたついでにテントごしに砂を擦ってみるが、鳴き砂のようにキュッキュと鳴かない。鳴いていたらもう今日はそれだけでOKだったのに。

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719字
現状打破の役には立たないけれど、コーヒーでひと息つくようなノンカフェイン文章

日常を過ごす太い人のゆるい日記、エッセイ集。がんばりすぎな人の緊張の糸を弛ませる無益な短文。

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