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たなしゅう短編小説集

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短編小説を書いています。10分くらいで読めるかと思います。ほら、移動中とか待ち合わせとか寝る前とかに読むのに丁度良いよね。スキとか感想を貰えると嬉しいです。ちょっと不思議な話。
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#東京

短編小説|歌舞伎町UberEats

短編小説|歌舞伎町UberEats

【1】
歌舞伎町の空に反射した欲望

俺は今、ケバブサンド1つだけが入ったビニル袋を持ってラブホテルのエレベーターに乗っている。

ウーバーイーツ配達員を初めて、最短距離の50メートル配達。置き配。301号室に置いて、写真を撮り、後にする。

ラブホテルの入り口を見た感じ、301号室はお医者さんごっこが出来る。

深夜二時。
腹が減る頃なのか。
ホテルを決めようとふらついている時に西武新宿側のケバ

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短編小説【さよならナツヤスミ】

短編小説【さよならナツヤスミ】

【1】

夏祭り用漫才大会用台本 『肝試し』2004.7月、夏祭り漫才大会用台本『肝試し』

A『どうもー!ナツヤスミです!お願いします!』

B『顔と名前と登校日だけでも覚えて帰ってくださーい!』

A『顔と名前だけでいいだろ!いやぁ、僕らこの夏祭りをしている、この高校の同級生でコンビ組んでまして。』

B『そうなんですー。』

A『相談があってね。今度、旧校舎を使った肝試し大会があるでしょ。』

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