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子供たちが置き去り。コロナ禍の教育について思うこと。

コロナで休校となっている地域も多いと思います。
私の住む県も休校が5月末まで延長となり、先行きが不透明ななかで不安な日々を過ごしています。

緊急事態と言うこともあり、そして誰にも先が見えない感染症との戦いの中でやみくもに文句をぶつけても仕方がないという思いもあり、この休校の中でも細々と自学自習を続けて対応してきました。

でも少し対応が悠長すぎないか?
こんなに子供たちから教育を奪っている状況で、いまだ対応策も見えてこない状況を見過ごしていていいのか?
そんな風に思い、noteをまとめました。

塾のスーパー対応力vs学校の鈍さ

私には受験生(中3)の息子がいます。
4月、5月と言う大切なスタートアップの時期を全く学校に通わず過ごしてしまいました。幸いにも塾の先生方は必死にご対応くださり、短期間で見事にオンライン授業の体制を整えて、今も授業を続けてくださっています。それにとどまらず、「コロナで休学中でも勉強頑張ろう!」と、メッセージ動画まで送ってくださっています。なかなかベストな学習環境が整わない我が家にとって、今は塾が命綱です。本当に心から感謝しています。

オンライン授業を整備できる塾に限らず、今は「闇市」ならぬ「闇塾」のような感じでこっそりと少人数制の通塾を許可している塾もあると聞きます。そんな塾に通わせているお母さん方からも、「世間に逆行しているという不安はあるけれど、この時期に開校してくださってありがたい」という声があがっています。
これは、この休校の時期に、学力の低下に対して不安を抱く親が少なくないということの現れではないでしょうか。

「親が見る」にも限界が。広がる教育格差

塾に通えている子はまだ救いがあります。塾が学校の代わりとなって学習を進めてくれているからです。でも、中には塾に通っていない子もいます。休校が終わったとして、約2か月もの間、ゲーム漬けになって過ごした子がそう簡単に勉強のペースを取り戻せるでしょうか?取り戻したころにはもう秋で、あっというまに受験へと突入してしまう…そんなことになったら、教育格差は大きな溝となって現れるのではないでしょうか。それを「やらなかった子の自業自得」というには、今回はあまりにも気の毒な要素が多すぎます。

親が勉強を見てやるのにも限界があります。家庭学習においての満足な学力、指導力、管理能力を備えている親がどれだけいるでしょうか。塾の先生でさえ自分の子供は教えられないといいます。できない娘、息子に根気よく、イライラせずに指導できる親は少ない。いったんさじを投げてしまえば、子供は遊びやゲームに没頭するでしょう。塾に通っている子ならまだしも、学校に教育を頼っていた子達はいっきに取り残される可能性が高くなります。まだ将来にしっかりとした判断力を持たない子供たちがこのように野放しになれば、この2か月で人生の方向性を大きく変えられる子供も出てくるように思うのです。

教育は誰にも等しくあるべき。でもスピードも大事。

もちろん、各自治体をはじめ教育委員会、文部科学省のみなさんが手をこまねいてこの状況を見守っているとは思っていません。教育が誰にでもひとしくひらかれたものであるべき、その理想にのっとって、今もオンライン授業やそのための回線や端末の整備に必死でご対応いただいているのでしょう。

でも、今は「スピード」が特に求められています。なぜなら、来年1月2月の受験は待ってくれないからです。4月には学年が変わってしまうから。9月入学など仕切り直しの案も出されましたが、そのような案が出てしまうほど、各自治体の対応には時間がかかるものなのでしょう。あえて言えばそれくらい自治体主導の教育は動きが鈍い。逆に塾や私立の学校は、スピードを伴った対応力に優れていることが今回如実に現れてしまいました。ここは塾や、私立にいったん手綱を任せて、「一定期間の通塾・私立校への通学・オンライン講座の受講などのサポートを受けてください」と国や自治体から言ってもいいのではないでしょうか。

日本の教育は優れている、だからこそ今は民間と手を取り合って

私の子育ての経験上、学校の先生は少し塾を敬遠するというか、気に入らないんだろうなと感じたことがありました。それは学校(ここでは公立の学校という意味ですが)の先生方が、さまざまな授業方法を研究して努力して未知の世界から第一線を切り拓いていっているという自負があるからなのかなと思っていました。私にも教師の友人がいますが、彼らは研究授業や研修など、見えない努力をたくさんしています。彼らの努力があってこそ、日本の教育は世界に誇るレベルを保っています。その高いレベルの教育を、誰もが享受できる日本は本当にありがたい国です。ただ、今のこの状況においては、体質的にとても不利だというだけで。

コロナという未知の敵と戦う非常事態のなかで、パーフェクトに対応するには無理がありすぎるというご意見もあるかもしれません。でも、コロナが流行し始めたのは、今年の初め、1月ごろからです。そのときから半年を迎えようとしている今、いまだ文部科学省率いる各学校の教育方針は、スケジュールはおろか授業方法、受験の時期に至っても全く示されていません。いくら上の指示が示されないと動けないといっても、あまりにも上司任せではありませんか。

3学期の終わりをバタバタで終わらせ、卒業式も入学式も満足にやってあげられなかった子供たちにこれ以上不安な日々を送らせるのは、親としても我慢の限界を超えつつあります。

今だからこそ、塾や、民間の教育ビジネスや、私立の学校の授業体制を借りて子供たちに教育の空白期間を作らない努力をしてもらえないでしょうか。それは絶対に日本の教育の汚点とはならないはずです。


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