読むPodcast「田中健士郎の働き方ラジオ」 #9「マイミッション」からはじめよう
こんにちは!「読む働き方ラジオ」編集室のマギーです。今回は「田中健士郎の働き方ラジオ」でおなじみのフレーズ「誰もが情熱を持って働く」が初登場した第9回「マイミッション」からはじめようをご紹介します。
今思い返せば、この回がこのラジオの転換点だったのかもしれません。
かなり前の回になりますが、今だからこそ、もう一度注目してほしいです。ぜひお読みください。
なぜ、「マイミッション」が必要なのか?
複数の会社に所属したときに「自分は何のために働いてるんだっけ?」ということを意味付けするのが難しくなってきています。本業も忙しいのに副業まで忙しくなってきたという中で続けるのは難しい。
「働き方の多様化」が進んでいるんですね。
みなさん、ミッションとかビジョンって聞いたことありますか?企業理念といった言い方をすることもあります。会社がどこに向かっているのか、あるいは日々仕事の中でどういった価値を提供し続けるのかを企業はミッションという形で設定しています。
その中で自分のミッションとして、自分は仕事を通じて何を成し遂げたいのか?どういう状態でいたいのかをしっかりと考えていく。すると副業も本業も自分なりに意味付けをして仕事ができる。
副業でなくても、みなさんリモートワークが増えていると思うんですが。
リモートで仕事すると、オフィスでみんなで集まって仕事をするときと比べて
「この方向でいいのかな」
「これをやってる意味って何だろう」
と、気づいたらモチベーションが下がることが多いと思うんです。
実際、僕の周りでもリモートになって、自分のペースで仕事できるので快適だなんて言ってるんです。でもだんだんつまんなくなってきて。
リモートワークが普及するのと同時に、仕事の意義を見出しにくくなったりするタイミングが来てるのかな。
そんな中、マイミッションを設定することによって、本当に自分がやるべきことの優先順位も見えてくると思います。
WILL・CAN・NEEDから考える
組織、あるいは個人両方で使えることとして、「WILL」「CAN」「NEED」という3つの観点からマイミッションの作り方を考えてみましょう。この3つを明らかにしていく中で、ミッションの設定をしていくといいと思います。
「WILL」は、自分が本当に心からやりたいこと、あるいはわくわくすることです。追求したいとか、情熱を持ってるものですよね。
「CAN」は、今までやってきたことやすでに持っている資産、つまり自分ができることです。
副業を始めるときにはまずは「CAN」を明らかにするところから始めるといいですね。住んでいる場所や過去に趣味で集めていたものがあれば、それも「CAN」になります。
「NEED」は周りからの期待です。社会からそれは期待されているのか、あるいは今後期待を受けられるものなのかというものです。
田中健士郎のマイミッション
「暮らす」と「働く」を近づけること、これが約3年前から考え続けている僕のマイミッションです。
では、WILL・CAN・NEEDで考えていきます。
まずは「WILL」。自分の情熱があるところから完全に分断されている「暮らす」と「働く」をいかに近づけていくのか、いかにミックスしていくのかを考えました。
つぎに「CAN」。僕の資産はアメリカで働いていたときにリモートワークをすでに始めていたこと。そして、日本と海外の働き方の違いを知っているということです。
さいごに「NEED」。コロナがあって個人が中心の働き方になったときに「働く」ことは暮らしの一部。つまり「働く」ことは人生の一部だという話になって。
いかに良く暮らすかと、どう働くかという話は一緒じゃないかと。それこそが世の中の「NEED」かなと思います。
組織で個人のミッションを考えるときには、この3つ全てをしっかり考えた方がいいと思うんです。
個人になったときには「WILL」ですね。自分の情熱とか、自分が本当に心から変えたいものを一番に考えればいいのかなと思ってます。
「マイミッション」の探し方
ミッションを作るための自分なりの探し方、「WILL」の見いだし方について、話していきたいと思います。
まず、心から情熱を持てる「これを成し遂げたいんだ」という思いを設定する。
でも、多くの方は「あなたの情熱って何ですか」っていきなり言われると、難しいかなと思うんですよね。
そのときに僕自身も考えやすかったのが、自分の違和感というものを深く掘っていくというところですね。
やりたいことを考えるときに、違和感というところから入っていくと自分がやりたいことが見えてくるんですね。
先ほど「暮らす」と「働く」を近づけるというミッションを持ってるって話をしたんですが、原体験がありまして。
製造業の会社で働いてるとき、アメリカや、ヨーロッパ、アジアも含めて、世界で仕事をさせていただきました。とくに、アメリカのカリフォルニア、シリコンバレーに1年の半分ぐらい行っている時期がありました。
それこそ世界の名だたる企業ともやり取りがあって。やはりシリコンバレーなんで、みなさんハードワークだし、仕事に対してすごく熱を持ってやっている。そういう企業の社員はすごく働くんです。
例えば朝は自分のペースで出社する。7時に来る人もいれば11時に来る人もいる感じ。ミーティングが11時からあったらそれに合わせてくる人もいたり。人によっては夕方のミーティングが終わったら帰っちゃうんですよ。
でも帰ってからも仕事をする。アジアとアメリカで仕事するときは、夜の方が連絡取りやすいので、家で家族とご飯を食べて、その後にまたWebミーティングをしたり。でも基本的にハードワークの人は多かったです。
その中でも自分のライフスタイルを考えながら、自分にちょうどいいコンビネーションというか、調和を作っていたんです。
2ヶ月アメリカにいて、日本に帰ったあとは朝、毎日9時に出社しなくてはいけなくて。そのために満員電車に乗って仕事に行くと、基本的には5時半とか6時ぐらいまで定時で働いている。そこから帰ったり、人によっては残業したり。
当時は家族と一緒に暮らしたりしてなかったんで、とくに問題ないかなと思っていたのです。でも今後、家族ができたときにそれでいいのかなって。結構、自分の中で違和感がありました。
日本と海外の働き方の違いに違和感を持ち、やっぱり「働き方を変えたい!」と思ってクラウドワークスという会社に転職しました。
僕が逗子に引っ越したのもそのタイミングだったんです。納得のいく暮らしをした上で働いて。暮らすと働くを調和させたいと思い移住しました。
たぶん逗子は暮らしを重視してる人が多いんです。そこに入っていくことで自分もそうなれるんじゃないかと思いました。
こんな感じでミッションを設定していきました。
情熱を持って働く
最近、僕の中で一つのテーマになってるのは「情熱」です。
振り返ると、結構僕は自分の中の情熱で動かされることが多いなと思っていて。
普段僕が働いてるチームメンバーって20代前半の若手なんです。僕より10歳近く下のメンバーと働いていることが多くて。
やっぱり若手は情熱に溢れているというか、クラウドワークスの仕事自体にすごく共感できるところもあると思うんです。
自分の可能性やキャリアアップについて、会社が今後こうなっていくといいなということに熱を持っていて。仕事の後も「こういう会社にすべきだ」とか「こういうサービスができたらいいな」という話をするんです。
一方同世代の会社員、とくに大企業に勤めているメンバーに会ったときには、あまり仕事の話をしないんです。
若手のメンバーが情熱を持って仕事できるのが美しいなと思うし、そういうときの人の力って、すごく大きく発揮されるような気がして。
せっかく働くなら僕は「人の情熱が広がっていくと仕事になる」という「パッションエコノミー経済」の話をしている中で、ひとりひとりが情熱を持って働くにはどうしたらいいのかを考えたくなりました。
子どもを育てていると気づくのですが、子どもって急に何かに熱中しているときがあるんです。
友達の家に行ったとき、ピアノがあったのですが。子どもがそこに2時間ぐらい座って真似してるのを見て、僕はすごい情熱を感じました。
子どもこそ、情熱をもって素直にやっているなって。大人になると、自分のできないことに目がいって、情熱の火が燃えなくなってしまうんじゃないかな。
最近、誰もが子どものように情熱を燃やして働ける世界って素晴らしいなと思っています。
僕自身は情熱を持って仕事したいなって思っているので、そこを深めていきたい。こういう風にミッションっていうのを考えていくといいのかなと思います。
きょうは「マイミッションからはじめよう」という話をしました。日々の暮らしの中で違和感を感じたらそれがミッションの種になることがあるので、そこを探してみていただくといいのかなというのが今日のお話でした。
さいごに
以上、#9「マイミッション」からはじめようの回をまとめました。
「誰もが情熱を持って働く」というおなじみのフレーズは、こうして誕生したんですね。2023年9月にはさらに進化して「誰もが自己表現をするように情熱を持って働く」という表現になりました。
いまでは少しめずらしい「ひとり語り回」で、田中さんの仕事に対する情熱を感じてみてはいかがでしょうか?ぜひ、こちらからお聴きください。