見出し画像

HRBPについて考えてみた_Ver1.0

組織人事領域のコンサルティングをやっている、限界コンサルタントです。
最近、目にするようになったHRBP(HRビジネスパートナー)について、なぜHRBPが必要か?HRBPが果たすべき役割・機能とは?を考えてみました。

(参考)カゴメのHRBPについて
https://news.yahoo.co.jp/articles/c400ce3156493684a5e33830a9c7d7bb604448a8?page=7

今回のnoteでは、一般的なHRBPとは(何をもって一般的というかは分かりませんが)という話よりも、現在、企業が置かれている経営環境からどのようなことが言えるのか?という流れで考えてみました。(なので、ウルリッチはそんなこと言っていない!みたいな反応もあるのかと思っています)

この資料自体は生煮えなので、公開するか悩んでいたのですが、最近、いろんな方から意見をいただけたので、いったん公開して、さらに多くの方からフィードバックをいただいてブラッシュアップできたらと思っています。(なので、Ver1.0としました 笑)

HRBPが必要となる前提

スライド1

経営活動とは、戦略を結節点に、組織内外のアラインメントを取る活動だと思っております。(ざっくりした話ですが
これは、チャンドラーの「組織は戦略に従う」、アンゾフの「戦略は組織に従う」を個人的に解釈した「組織”構造”は戦略に従い、戦略”オプション(選択肢)”は、組織”能力”に従う」という話がベースにあります。
(ちなみに、最近、7Sはインタンジブルズ・マネジメントのフレームでもあるなぁと思っています)

スライド2

で、今の経営環境に目を向けると、外部環境の変化が激しくなっており、この外部環境の変化に合わせて常に内部環境を組み替えていく必要があるという話です。(これもよく聞く話ですが…
この外部環境の変化に対応するためには、組織の健全性(オープネス)を高めることで変化の兆候を把握できる状態を作ること外部環境の変化に対応したStrategyに残りの6Sをアラインさせることが求められます。(ただし、外部環境の変化の速さを踏まえると、アドホックなアラインメントという一見矛盾しそうな状態を善とする必要があるんだろうなと思っています)

スライド3

また、『衰退の法則』によると、外部環境の変化による企業の衰退を阻止するためには、”くさび2”にある人事運用のガバナンスが重要になるそうです。環境変化が状態化している状況では、これまで以上に人事がガバナンスを効かせていくことが求められるということです。

HRBPとは何なのか?

前提1~3を踏まえ、私が考えたHRBPとは、事業単位で”外部環境の変化に即応する”仕組みということです。
(これには、いろんな意見をいただきたい)
これまでは、全社が事業部を統括するような形でコントロールしてきた(これは、本当か?とも思っている)が、現在の環境変化に対応するためには、事業単位で”ちゃんと”マネジメントできる状態にしていくことが必須なんだと思っています。そこで現れるのがHRBPという整理です。
(人によっては事業部企画なのでは?という話もあると思いますが)

スライド4
スライド5

ビジネスリーダーとHRBPの役割分担ですが、これは、前提1の外部環境への対応と内部環境への対応で整理しています。
ビジネスリーダーは、外部環境に対応していく役割(Strategy-Market-Fit)
HRBPは、内部環境をアラインさせる役割(Organization-Strategy-Fit)
ここで大事なのは、ビジネスリーダーとHRBPが”戦略”という共通言語で会話ができるということです。

スライド6

また、ちょっと話が飛んでしまうんですが、、、
HRBPの役割をOrganization-Strategy-Fitと置いた際に、具体的に必要となる機能には、攻め(デザイン、イネーブルメント)と守り(ガバナンス、モニタリング)があるのかと思っています。
実際にどこまでの機能をHRBPに求めるかは、事業のステージや組織の規模、外部環境の変化のスピードによって変わってくると思っています。そのため、(当たり前ですが)4つの機能すべてが必要ではないですし、ビジネスリーダーや全社人事と分担可能です。

スライド7

HRBPの機能別に支援対象を整理すると、上記のスライドのようになります。
デザインは、主にビジネスリーダーに必要な機能です。
イネーブルメントは、戦略実行の支援になるため、ライン長やメンバー層になります。
ガバナンスは、健全性のマネジメントになるため、CEO、ビジネスリーダーが支援対象となります。特に人事運用のガバナンスを効かせる観点では、CEOが支援対象でしょう(カゴメもこの要素が強いのでは?と思っています)
モニタリングは、組織・職場マネジメントの支援機能となります。組織や個人の状態を把握し、健全性が維持できるようにライン長/メンバーを支援します。特に、メンバーの声の代弁者としての役割も求められるようになります。

スライド8

最後に、HRBPの設置形態ですが、これもHRBPにどのような機能を求めるかで、どのように設置するかが変わってきそうだなと思っています。
大企業でHRBPを設置する場合は、人事部(一番右)になりそうですし、ベンチャーやスタートアップで設定すると攻め中心(左から2番目)が近いように感じています。
勝手に、ラクスルは一番左に近いのかな?と思っています。
教えて大原さん!笑

さいごに

「HRBP」というキーワードを深掘りしてみましたが、これは、HRBPであるなしに関わらず、どの会社にも求められる視点なのでは?と思っています。
ただ、組織人事のコンサルなので、人事機能で考えると、HRBPかぁ…と。

また、これに合わせ、「CHRO」とは何する人・機能なの?ということは別途考えたいなと思いました。現時点では、
・このHRBPの機能を全社視点で担う?
・ROA(インタンジブルズを含む)に責任を持つ?
・生態系をマネジメントする?
 →生態系とは、会社に複数の事業ステージ/規模の組織をそれぞれの状況に合わせてマネジメントする
・統合報告書の”人や組織”の部分に責任を持つ?
とかなのかぁ、、、と考えており、この辺を前提を整理したうえでまとめていけたらと思っています。

合わせて読んでほしいnote



いいなと思ったら応援しよう!

イネーブルメント・コンサルティングのnote
よろしければサポートをお願いいたします!今後もみなさんの参考になるコンテンツの作成に活用させていただきます!