一度に全部わからなくても、その後の読書経験を支えてくれる哲学入門~仲正昌樹『現代哲学の最前線』
ふだんから人文書を読む層だけでなく、ビジネスパーソン周りでも、ドイツの若き哲学者マルクス・ガブリエルは、ここ1~2年で一気にスター哲学者として受容されるようになりました。彼の「なぜ世界は存在しないのか」という挑発的なテーゼもあってか、名前だけ知っている人も多いはずです。たしかに講談社メチエの2冊はおもしろく、当社新書からも丸山俊一さんの手による本が出され、とてもよく読まれています(『マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学する』『マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学するⅡ』)