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『星を詠む人 〜大人なライオンの日〜 (獅子座) 7/23-8/22』

雨の名残を残したままに、空は高くて日の光は私に降り注ぐ。

休みの日にはこうやって、空を眺めるのも良いなぁ。

私は空を仰いで、大きく胸を張る。

それはそれは立派なライオンみたいに。

「がおー!!・・・」

でも私は叫んだりはしない。

大人だから。

もし・・・人の目を気にしないままで生きていけたら。

そんな事をたまには思う。

まるでライオン君みたいに、

誰にも負けない強い気持ちで、

理想の自分の姿のままに胸を張る。

そんな姿にみんな頼ってしまう。

だってその姿はみんなの理想だから。

だけども偶にはひどい奴もいて、

そんなライオン君を

「ワガママで自分勝手」

そんな風に言う奴もいる。

なんて奴が居るものだ! 全く!

そんな言葉にライオン君も、時には落ち込むかもしれない。

人知れず泣いたりするかもしれない。

それでもそんな姿は胸の奥に隠して、

一人でも再び立ち上がるのだ。

がおー!って、胸を張って。

自分で描いた理想の姿を、誰かが一言だけ・・・

「すごいね」

って言ってくれるためだけに

今日もライオン君は胸を張るのだ!

流石に君は大人だねぇ。

ふむふむ。今夜はよく星が見えそうじゃないか。

ちょっと帰りにお酒でも買おうかしら。

そんな事を考えながら私は想う。

そうして私は星を詠む。

星を詠んで、人を想うのだ。

-1- 『~梅雨と蟹の日~(蟹座) 6/22-7/22』←

        → -3- 『~乙女な夏祭りの日~ (乙女座)8/23-9/22』


【星を詠む人】

〜あらすじ〜
星詠みという言葉がある。それは占星術とも読む事は出来て、簡単にいうと天体に存在する星々の動きから、人や社会の在り方を経験的に結びつける・・・ことだと私は思う。

これは私が色んな人と出逢いを紡ぎながら前に進む物語。
それはまるで星の繋がりのように。          
私は星を詠む。星を詠んで人を想うのだ。

              【目次】
-1- 『~梅雨と蟹の日~ (蟹座)6/22-7/22』
-2- 『~大人なライオンの日~(獅子座)7/23-8/22』
-3- 『~乙女な夏祭りの日~ (乙女座)8/23-9/22』
-4- 『~朝露と天秤の日~ (天秤座) 9/23-10/23』
-5- 『~真夜中と蠍の日~ (蠍座)10/24-11/22』

読み手:深文

脚本・演出;tanakan


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