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白馬で本屋さんをセルフリノベで作った話 (8)

大町保健所の担当者にpptで制作した以下の簡単な図面をメールで送った。

pptで作成した図面



旅館業法において簡易宿所を申請するにあたり、以下の要件をクリアする必要があり、その事前確認を進めてきたわけだ。

  1. [客室の延床面積が33平米以上ある]→clear

  2. [2段ベッドなどを設置する場合、上段と下段におおむね1m以上の間隔がある]→既製品でおそらく大丈夫

  3. [適当な換気や、採光および照明、防湿ならびに排水などの設備がある]→要、確認

  4. [宿泊者の需要を満たせる規模の入浴設備がある]→要、確認

  5. [宿泊者の需要を満たせる規模の洗面設備がある]→要、確認

  6. [適当数のトイレがある]→要、確認

  7. [消防法令適合通知]→申請が必要か。

  8. [都道府県が条例で定める構造設備の基準に適合している (建築基準法第7条第5項の規定による検査済証(建築確認検査済証)のコピーなど]→clear

今回かなり時間がかかったのが、8番目の検査済証(建築確認検査済証)の取得状態の確認だった。検査済証が取得がされていなかった事が判明した後は、そのクリア方法の調査にも苦労した。

苦労しながらもようやく段階が進み、ここからは設計と施工に直接関わってくる箇所の確認ができるフェーズになってきた。重要なポイントは「適当な」「需要を満たせる規模」という表記がされている箇所。解釈次第でズレが生じてはいけないので、しっかりと確認していく事にした。

3.[適当な換気や、採光および照明、防湿ならびに排水などの設備がある]
4.[宿泊者の需要を満たせる規模の入浴設備がある]
5.[宿泊者の需要を満たせる規模の洗面設備がある]
6.[適当数のトイレがある]

細かなノウハウ
たとえば上記でいうと必要なトイレの数等の回答はすでにネットに転がっていたりします。とくに各市町村の用意している公式のHPに記載されている事も多いです。ただし、これは他府県の市町村の回答なのでセルフリノベの場合は、慎重を期して事前確認した方が良いと僕は考えて今回すすめました。
文書やwebの制作物のように修正が簡単にきくものと異なり、リアルのものづくりになった場合に手戻りがあると時間とコストの浪費が膨大になってしまうからです。ここまでくると一本の電話をかける事などは楽なものです。

確認事項とそのポイント
さて、2Fの宿泊施設に転用しようとしている箇所の写真はこちらです。

東側(階段からあがるとここが正面になります)

ここはもともとは歯科医として使われていて、写真でみるところの両サイドに施術台などが置いていたようです。
その当時の換気扇が奥に設置したままになっています。

西側から階段がを見た方

逆サイドの窓側から入り口の階段部分をみるとこんな感じです。この写真でいう右奥にはレントゲン室が設置されていました。
これを以下の図面のように改修したいと考えていました。

Re:Public 宿泊部分 当初設計図
  • 収益性を高めるために部屋の真ん中に間仕切り壁を設置して2部屋。

  • ひと部屋に2段ベッドを設置して2名×2組を収容可能に。

  • 間仕切り壁を中心部分に設置するので、東側の大きな窓(図面でいうと下部)に面する部分の施工は難しそう。なので東側も壁にして、大きい窓は廊下のようなスペースにする

  • シャワーユニットは二つ設置
    という感じです。

この設計の場合、懸念点がいくつかでてきます。ひとつ真っ先に気になったのが、要件として定められている
3.[適当な換気や、採光および照明、防湿ならびに排水などの設備がある]
です。

ネットで事前調査した段階だと、適当な換気とは必要に応じ直接外気に接する窓その他の開口部を開閉する等により換気及び採光を十分に行うこと。となっています。窓が必要なんですね。
https://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/47876/1/6-1_ryokanhoteleiseisotikijun.pdf?20230320193712

どうも、この窓の設置がネックになりそうで、東側を壁にしてしまって大丈夫なのかどうかは真っ先に相談したいと考えました。結果、この図面をみたところ東面(窓のスペース)が完全な壁ならばNG、窓は居室毎に設置する必要がありとの事。ただし、上部から光と空気が入るような形の壁(つまり200m以下前後の単なる間仕切り壁だったら大丈夫だろう、ただし、正式な図面を見て判断)との事でした。でも間仕切り壁は消防がうるさいんですよね、という気になるコメントもいただく。事業プランの変更にも関係する事なので、持ち帰り再度練り直しをする事にします。

その他の気になるポイント、洗面台→2つあれば十分、窓→可能ならば網戸の設置を推奨、それが不可能な場合はエアコンで代替可能との事。
トイレ→十分
入浴設備→シャワーユニットで十分、湯船がある必要はない。
ベッド数→4.5平米につき2段ベッド1台であれば設置可

1Fの元書店、2Fの歯科医の2F部分を宿泊施設に改修するにあたり、いろいろとクリアになってきました。保健所からいただいたフィードバックを元に設計と事業プランをどのように変更していくかを検討していく事にしました。
ただし、まだ、消防検査済証の取得に関しては調査と準備はこれからの状態ですし、1F部分は飲食店営業の許可を取得していく予定にしており、これもまだ色々と課題がでてきそうです。

次回は消防検査済証に関して書きたいと思います。


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