「若者の自殺ゼロ、若者が希望あふれる社会をつくる」NPO法人 PBLS理事 “帆足典洋”さん
「若者の自殺をゼロにし、若者が希望あふれる社会をつくる」という夢を掲げるNPO法人 PBLS理事の帆足典洋さん。新しい生き方、働き方を提唱する背景に何があるのか、インタビューしました。
プロフィール
出身地
福岡県筑紫野市
活動地域
大阪府
経歴
Dream和Project発起人。開催イベント延べ200回以上、約3000名を集める。お金中心の社会から人中心の社会を実現させるため、2013年12月福岡で世界初の尊厳宣言を発表。現在は次世代IT企業創建に向けて、全国の仲間と共に、日々走り続けている。
現在の職業および活動
リライズニュース-美しい時代を創る人達-発起人
NPO法人 PBLS理事
大阪Re・Rise協会設立準備委員会
志と繋がった生き方、働き方を創造する大人Callinger(コーリンガー)創出プロジェクト
新時代のインフラ事業(心路)を開拓開発するHeart Connecter(ハートコネクター)創出プロジェクト
座右の銘
×から○の生き方ではなく、○から◎の生き方を楽しむ
日本の若者の自殺をゼロにしたい
帆足典洋さん(以下、敬称略):夢は、日本の若者の自殺をゼロにし、若者が希望あふれる社会をつくることです。日本は物質的には豊かで先進国と言われますが、世界幸福度ランキングは62位です(World Happiness Report 2020より)。それを象徴するものの一つとして自殺者の多さが挙げられます。日本では年間約2万人の自殺者がいて、特に若者の死因の一位が自殺です。若者たちが生きていてもしょうがない、未来に対して絶望を感じていることに悲しみと悔しさを感じます。
今の日本社会に物心のアンバランス感を感じています。暮らしを豊かにするために物質的発展したのにも関わらず、その恩恵を受ける子どもたちの心は豊かではない。大人たちが楽しく働き、お金を稼ぐ。大人が生きること・働くことが楽しいと思える環境が溢れている社会をつくりたいです。その結果、若者が未来に希望を持ち、自殺もゼロになり、社会全体が変化していくと思っています。
消費する生き方から創造する生き方へ
Q. 「若者の自殺者ゼロ」にするという夢を実現するためにどんな計画や目標がありますか?
帆足:出身である福岡を出て、東京、北海道、大阪へと全国各地を廻り、心で繋がる関係を広げています。全国各地を廻る中で、今までやったことがないチャレンジをしています。
今は大阪を拠点に活動しています。大阪では、仲間たちと一緒に『Callinger(コーリンガー)』という新しい肩書であり、チーム、プロジェクト、職業を開発しました。"Calling"とは天職、天命、使命のことです。我慢や妥協しながら仕事をするのではなく、いかに自分や仲間の魅力を最大限に引き出して、お互いを活かしていく働き方へシフトチェンジできるように活動しています。
さらに、『Heart Connecter(ハートコネクター)』という職業を開発しました。ハートコネクターは、人の心と心を繋ぐ路をつくる職業です。今までの時代は、電気や水道などのインフラ事業によって、人々の生活水準はバージョンアップしていきました。インフラ事業は、生活の基盤であり物凄い影響力がありますよね。これからは、現代の関係性の希薄さを補う心と心を繋ぐ「ハートインフラ」が伸びていく時代になると考えています。ハートコネクターとして、心と心で繋がる路“心路づくり”を大切に活動していきたいと思っています。
みんなが当たり前にやっていることを当たり前にやっていても、社会は何も変わりません。誰もやったことないチャレンジをして、今までとは全く違う基準軸を創り出すことによって価値を与えることができます。何よりチャレンジすることが楽しいんですよね。
子どもたちに新しい生き方モデルを見せたい
Q:その目標や計画に対して、現在どのような活動指針を持って、どのような基本活動をしていますか?
帆足:子どもたちに“新しい生き方モデル”見せたい!という想いで活動しています。時代が大きく激しく変化していく今、今までの生き方、働き方を見せたとしても現代の子どもたちは楽しそうに思えなし、ワクワクしないと思うんです。子どもたちの身近にワクワク楽しんでいる大人がいれば、子どもは勝手に憧れます。社会にも関心を持っていくと思うし、大人と若者や子どもが融合した教育、政治、経済が自然と生まれるのだと思っています。
今、大阪Re・rise協会設立準備委員として、新しい生き方、働き方、組織のモデルづくりをしています。Re・rise協会は、全国各地で広がっている新しい人づくり、組織づくりをテーマにしたコミュニティです。Re・rise協会は社会をもっとよくしたいという志を持った大人たちが集まっています。
みんな主体性があり、クリエイティブなのでアイディアが溢れています。そんな大人たちから、若者が生き方や働き方の良い影響を受けたらいいなと思っています。大阪Re・rise協会は、30人を基本単位としていて、今3つまで完成していて、今年8月8日までに5つ完成させることを目標にしています。
また、今年デジタルリーダーシップ研修1期に参加しました。その仲間たちとJeiGrid株式会社という会社を立ち上げました。もともと“教育を変えたい”、“心なき暗記教育”をやめたいという想いがありました。今までの産業社会は、自分がどうしたらいいか?ではなく、効率的なのか、生産性があるのかを重視します。
その結果、みんな心が死んでしまって、鬱や自殺が増えていくのだと思っています。最先端のITを駆使しながら、人間一人ひとりの心が躍動するデジタル認識を教育体系化していくことで、今までの人類の課題や限界を発見し、終わりなき意味価値を創出できる人間力、人間関係力、組織力に満ちた若者を輩出したいです。イメージは、GAFAを超える新時代のIT教育企業ですね。
常識=幸せではない⁉️
Q:「若者の自殺をゼロにし、若者が希望あふれる社会をつくる」という夢やビジョンを持ったきっかけは何ですか?そこには、どのような発見や出会いがあったのですか?
帆足:きっかけは社会人3年目の時です。当時はサラリーマンをしていましたが、このままサラリーマンを続けていても、つまらない。でも、夢とかやりたいことがありませんでした。“夢は、勉強や経験を増やすことで見つかるのではないか。” “3年働けば何か見えてくるんじゃないか”と思って、世の中の常識に従って、3年間は目の前のことを頑張りました。
でも、3年頑張って働いても、夢ややりたいことが見えてこなかったんです。その絶望感は、相当でしたね。結局、環境や自分の外に答えを求めていても無理だと気づきました。そこで、自分の内面にアプローチしようと思い、自己啓発の本を読んだりやセミナーに参加しましたが、なんか腑に落ちなかったんです。
そんな時に、高校時代の友人に再会しました。色々と質問をしてもらうのですが、なかなか答えられなくて、沈黙することも多かったんです。その時に、友人から「周りの条件、状況に関係なく、おまえはどうしたいの?」「親がとか、お金がとか、会社がとか、彼女がとかではなく、おまえはどうしたいの?」と質問されました。
その質問に対して、初めは答えが何も出てこなかったんです。これまで、自分で自分の人生について選択してきたつもりでした。大学に行って、大企業で働き、お金を稼ぐことが幸せになることだと思い、それを叶えるために頑張ってきました。しかし、根底には親が納得するから、周りが喜ぶから、誰からも反対されないから周りの基準によって人生の選択をしていたことに気づき、ハッとさせられました。
※友人と(右)と一緒に
生きる基準を自分の外から内に変化させたい。これからはどんな自分になって、何をするのか?を考えた時に、条件や状況に左右されない生き方、人間関係をつくっていきたいと思いました。それを実現するために一番必要なものが友人が勧めてくれたnTech(認識技術)のリーダーシッププログラムにあると感じ、参加することを決めました。その研修をきっかけに、在り方が変化し、人類77億人がNoが言えない夢やビジョンを持てるようになったのが大きいです。
穴が空いてる欠落人間
Q.周りの基準で人生の選択をしていた背景には、何があったのですか?
帆足:私は、一人っ子であり、母子家庭で育ちました。小学校に上がったくらいに、周りの友達は父親、母親、兄弟がいるけど、自分はいない。自分の家庭環境は、普通ではないことに気づきました。
当時ソフトボールチームに所属していました。練習や試合の時に友達の父親が来て、羨ましいなと思っていました。父親がいないことで孤独や寂しさを感じていましたが、周りに父親がいないことを気づかれたくないと思っていたのでずっと隠していました。
小学校3年生の時に、母親に「なぜお父さんがいないの?」と聞いたことがありました。そしたら、母親が「ごめんね」と泣き出したんです。その姿を見て、唯一の家族を泣かせてしまったという罪悪感や後悔、父親がいなくて泣きたいのは自分なのにという悔しさやもどかしさを感じました。
その時に、自分が思ったことをアウトプットしたら、人を傷つけるんだと思いました。どうしようもないことは考えてもしょうがない。考えても無駄だから感情に蓋をし、見ないようになりました。
自分には父親がいないことでポッカリ穴が開いて欠落しているイメージが無意識にありました。欠落人間であることをバレないように、周りから良い子と思われるように、NOを言われないように勉強やスポーツをしながら穴を埋める努力をしました。また、母親は私が苦労しないように家事も仕事も全てやってくれていたので、私は母親の手を煩わせられないように、心配かけないようにしていました。それが周りの基準で生きるようになった背景ですね。
これまで欠落している自分が発信することは、無意味で、無価値で、迷惑になると思っていました。でも、仲間との出会いやnTech(認識技術)のリーダーシッププログラムを通して色々とチャレンジさせてもらう中で、自分が発信することは、周りにとって良い影響を与えていることもあるんだということに気づきました。その気づきが今の活動の原点になっていますね。
帆足さん、本日はありがとうございました。
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編集後記
今回インタビューの記者を担当した風見、田中です。若者たちに新しい生き方、働き方モデルを提唱したいという一貫したまっすぐな想いが伝わってくるインタビューでした。今の時代は、今までの常識やマニュアル、システムが通用しない時代になってきました。その中で、帆足さんのように誰もやったことないチャレンジをし続けることが希望ですし、若者をはじめ多くの人たちを巻き込んでいく可能性を感じました。これからも、帆足さんのご活動を心から応援しています。ありがとうございました。
この記事はリライズ・ニュースマガジン”美しい時代を創る人達”にも掲載されています。