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全ての仕事には、たぶん、「感情労働」の側面がある。

医療従事者など医療、あるいは、介護、保育、福祉などの分野で働く方にとって、患者やその家族、要介護者やその家族などとのやり取りは、相当疲弊するものの一つかもしれない。

父が晩年は数年間介護施設にいたので、介護職の方のご苦労とか忍耐とか時々垣間見える様々な場面で、本当に頭下がる思いをしていた。家族の中には、ご無体なことを要求しているように見える人もいて(←知らない方)、ほんと、感情労働だなぁと思った。

医療とか介護とか命や生活に直結するものほど、人は切実になるので、感情的なやり取りが発生しやすいという面はある。

もっと広く接客業。
そもそも、赤の他人と接することが前提なので、全て感情労働になりやすい側面がある。

では、一線で顧客と接する機会がなくても、感情は動かないかと言えば、そんなことはなくて、上司とのやり取り、同僚とのやりとり、他部署とのやり取りで感情がすり減るという場合ももちろん多々ある。

離職理由の上位に「人間関係」が来るというのは、すべての人がある意味、「感情労働」をしているってことの証でもある。

ご多聞に漏れず、講師も接客業でもあるので、感情労働の面がある。

近年、激しい感情をぶつけられることはおそらく激減したが、10年ほど前までは、結構怖い想いもしたものだ。

今思い出しても、縮み上がるような場面も沢山あった。

人が怒りをぶつけてくるときは、それが理不尽に思えても、たいていの場合、何か理由がある。
理由があれば納得するかというと、やはり、それでも理不尽だと思うこともある。

感情のスイッチをオフにしようと思うけれど、心臓がバクバクしたり、手が冷えたり、脚が震えたり、唇がプルプルしてしまうことは誰だってあるだろう。

カスタマハラスメントも法整備が進んで来て、人の心がこれからももっともっと守られるようになるといいなと思う。


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