現場のUXデザイナーに期待されるリアルな役割を考察。実態はPJ成功のカギを握るマルチプレイヤー。
こんにちは、田中です。ディップ株式会社の『バイトル』担当部署で、PO・PdMをしています。
プロダクト開発の場で、参加したり内情を聞いたとき「UXデザインできる人が足りないんだよね」という話が非常に多く聞こえてきます。
実は多くの現場で求められているUXデザイナーですが、実際に求められている役割は「UXをデザインすること」だけではないな…🤔💡 という気づきがあったので、noteに書いてみます。
結論、「UXデザイナーが足りない」は単にUXデザインをしてほしいという単純依頼ではなく、プロジェクトの様々な場面で期待されている役割があるようなのです。
UXデザイナーに求められていることが多い役割
要求の明確化とステークホルダーとの合意形成
UXデザイナーには、PdMが作ったプロダクトロードマップに沿って、企画や機能単位の具体的な要求整理を行い、開発着手まで並走する役割が(実質的に)求められています。
PdMとの密接な連携
要求整理と開発チームへの橋渡し
開発着手までの伴走
プロダクト全体の方針や、何を開発するかはPdMが決めます。しかし、チームに1人しかいないPdMは企画ディレクションまで、なかなか手が回りません。
そこで、PdMは目的ごとにタスクを切り分けて、UXデザイナーに「目的を達成するUXを考えて!」とオーダーしますね。
UXデザイナーは、ユーザーインタビュー等のUXリサーチを行い、課題解決に繋がるUXを考案します。そうしたら、プロダクトに関わる各種関係者に「この体験を実現したら、課題解決できます!」と提案してOKをもらう必要があります。
UXデザインとは、ユーザー体験を設計して終わりではなく、設計内容で開発(要件定義・UIデザイン・開発依頼)に進む前の、最後のプレゼンの場なのです。
ユーザー体験とビジネス目標のバランスを取る
UXデザインでは、ユーザー体験とビジネス目標を両立するバランス感覚が必要です。ユーザーに寄り添い使われるプロダクトを目指しますが、事業目標が必ずしもユーザーが求めていることとは限りません。
(単純化した例を出すと、基本的にユーザーはお金を使いたくないですが、使ってもらわないと困るとか)
ユーザーのためになる施策を考える視点
事業目標に貢献する施策を考える視点
UXデザインをやってみて感じるのは、両者のバランスを取って最高の落とし所を提供するためには悩み葛藤がついてまわるということです。
UXデザイナーが、ユーザーとビジネスの架け橋となり両者の価値を最大化する解決策を考える必要があるというのは、担当しているのがプロダクト全体でなく企画単位であること以外、ほとんどPdMと同じ業務を背負っています。
ユーザーにUXをデリバリー・効果検証の実施
プロダクトは開発して納品したら完結ではありません。
ユーザーに使ってもらうため、マーケティング(広報)的な施策を打つ
実際にプロダクトが残した成果を検証する
ということが必要になります。このマーケティング・効果検証の実行も、UXデザイナーが担うことが多いと感じます。
UXデザイナーはチームで誰よりもユーザーを理解しています。そのため、ユーザーが関わる業務は全般的に主導権と責任を責任を背負うことになるのです。
ユーザーに届くよう施策を実施する
利用状況のモニタリング
効果検証とフィードバック
など、UXデザイナーは単にプロダクトを設計するだけでなく、その価値がユーザーに届くまでの一連のプロセスに関わります。
まとめ
UXデザイナーに求められる役割をまとめると、以下が挙げられます。
PdMと連携し、要求を具体化
UX(ソリューション)提案、ステークホルダーから合意を獲得
要求を開発チームへの橋渡し、開発着手まで伴走
ユーザー体験とビジネス目標のバランスを取る
ユーザーに届くよう施策を実施する
利用状況のモニタリング
効果検証とフィードバック
これらの役割を果たすことで、UXデザイナーはプロジェクトの成功とビジネス価値の創出に大きく貢献します。UXデザイナーの役割は多岐にわたりますが、全ては優れたプロダクトを通じてユーザーとビジネスに価値をもたらすことが目的です。
UXデザイナーは、プロダクトの全体像を俯瞰しながら、様々な役割を果たすマルチプレイヤーなのです。
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