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「冷凍食品の裏切りと5分で味わうスープパスタへの転落」
ああ、冷凍食品よ。
君は私たち忙しい現代人の救世主であり、腹ペコのヒーローだ。
朝の目覚ましが鳴り響き、あと5分の贅沢な余韻に浸っているうちにもう1時間が経過し、焦りに満ちたその瞬間。
キッチンに駆け込み、冷蔵庫の扉をバンッ!と開けると、そこに君がいる。
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そう、君は冷凍食品という鎧をまとった戦士。
だが、あの日、すべてが狂った。
冷凍食品という希望が、一瞬にして私を奈落の底へ突き落とした。
その日は通常運転、あの電子音「ピー」で目覚め、何とか仕事へ向かう準備を終え、腹が空いていることに気づいた。
いつものように冷凍庫に突撃し、手に取ったのは、某メーカーの「5分でできる!パーフェクトな夕食」というキャッチフレーズに完全に心を奪われた、冷凍パスタ。
そう、君がいた。期待を胸に、電子レンジに入れ、チン!
しかし、その5分間にすべてが狂い始めた。
まず、チン!と鳴る前に私はスマホを手に取り、Xをちらっと見てしまった。
それが運命の分かれ道だった。
猫のかわいい動画に見入っている間に、5分はあっという間に過ぎ去り、気づけば電子レンジが私を無言の圧で責め立てている。
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あわててレンジを開けると、中からは…何かがおかしい。
湯気が立ち込め、ふんわりとした香りが漂うはずのパスタが、なぜかドロドロの液体と化しているではないか。
いや、液体じゃない、これはもはや「スープ」だ。
「スープパスタってこういう意味じゃないよね?」と自分にツッコミを入れつつ、私はその悲劇の元凶を凝視した。
どうやら、袋に穴が空いていたらしい。
中身がそのまま電子レンジの中で大噴火を起こし、冷凍食品史上最悪の災害が発生したのだ。
電子レンジの扉を開けると、中にはまるでカラフルな火山灰が積もったかのような光景が広がっていた。
ソースの破片が、チーズのかけらが、無惨にも電子レンジの壁に張り付いている。
まるでパスタたちが「助けて!」と叫んでいるかのように。
ここで私は一つの悟りを得た。
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人生の教訓、5分で簡単!って言うのは嘘ではない。
しかし、その5分を他のことで浪費すると、そのツケは倍返しでやってくるのだ。
冷凍食品の美学は、その儚さと共にある。
そして、我々はその儚さに毎日挑戦しているのだ。
結局その日は、冷凍庫の底に眠っていたアイスクリームをかじりながら、パスタの残骸を拭き取りつつ、心の中でそっと呟いた。
「冷凍食品よ、また明日会おう。」
でも、次は…袋のチェックは忘れない。
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