付加価値マーケティング四柱論
付加価値マーケティング
拙著を御覧になった方ならご存知であろう、5P's。J・マッカシーが唱えた
製品(Product/プロダクト)
価格(Price/プライス)
流通(Place/プレイス)
促進(Promotion/プロモーション)
の頭文字をとった4つのPに、5つ目のP
付加価値(Plus-α/プラスアルファ)
をプラスした筆者オリジナルのマーケティング理論である。
付加価値は英語で value-added または plus-something-extra が正しい。が、成熟社会の日本へ向けた理論であって、米国へ輸出するつもりは無かったため、4Pと関連づけて体系化し、わかりやすくする目的で plus-α を採用した。
以上、製品・価格・流通・促進・付加価値の5つのPが連鎖したマーケティングを、付加価値(Plus-α)マーケティング、略称・プラスマーケティングという。
もしも、あなたが「売れない」と悩んでいるとしたら、5つのPを検証してみると良い。
1 売れる商品か?ニーズかウォンツかアウェイクはあるか?
2 適正な価格か?競合に比べてどうか?
3 売れる流れを作っているか?売れる場所へ出店しているか?
4 知らせているか?売れるように工夫しているか?
5 商品の価値を上まわる価値があるか?
以上の5つを検証するだけで浮き彫りになる原因が相当あると思う。
どれ一つ欠けても売れないと思って頂いて差し支えないし、逆に、5つすべて揃っているのに売れないことなど有り得ない。必ず売れる。
売れる商品を、売れる値段で、売れる時に、売れる場所で、売れるよう売れば必ず売れる、ごく当り前の話である。
付加価値マトリクス
4Pは、マーケティングの基礎につき、割愛するとして、では、付加価値マーケティングのユニークネスである5つ目のPについて2つの視点で講じよう。
まずは“付加価値”の意味について。
三省堂の大辞林によると、付加価値の意味は、
「生産過程で新たに付け加えられる価値。総生産額から原材料費と機械設備などの減価償却分を差し引いたもので、人件費・利子・利潤に分配される。一国全体の付加価値の合計は生産国民所得となる」
とあるが、付加価値マーケティングでは解釈が全く異なる。
付加価値とは、
0 価値あるものに対し、
1“まったく別の価値”を付加すること
2“さらに価値ある価値”を付加すること
3“オマケ的な価値”を付加すること
4価値の無いものに“価値あるもの”を付加すること
では、価値とは何か?
付加価値マーケティング四柱論
次に、5つ目のPである“付加価値”を構成するエレメントについて。これは本質論・価値論・接触論・選択論の4つの柱で構成されている。
本質論…商品の本質は何か?顧客の求める本質は何か?
価値論…商品の価値は何か?求められている価値は何か?
接触論…正しく接触しているか?接触を繰り返しているか?
選択論…選ばれるようにしているか?その方法は?その優位性は?
各論は追々【マーケティング編】で披瀝するが、概略は上記の通り。
この四柱論は、それぞれ4つが連鎖していると共に、マッカシーが考案した4Pとも、次のように対称している。
本質論…製品戦略
|
価値論…価格戦略
|
選択論…流通戦略
|
接触論…プロモーション戦略
以上の「付加価値四柱論」が付加価値マーケティングの概論である。