読了メモ 『かむろば村へ』 いがらしみきお

電子版1〜4巻(完結)読了。

ほのぼの田舎暮らしレポ漫画なのか、農業漫画なのか、なんの前知識もなく読み始めたが、良くも悪くもいがらしみきおらしいちょっと不思議+不穏な空気、そしてバイオレンス・反社も出てきて、まぁなんだかんだでグイグイ引き込まれてしまった。
終盤はかなり血生臭い展開にもなるが、最後は不思議なほどスッキリした気持ちで読み終えた。引きこもりっぽくない引きこもりの裕明君と勝男さんがお気に入り。

最終巻にあとがきが載っているが、作者の意図を説明し過ぎずに伝える名あとがきだと思った。この漫画のテーマの一つはお金だが、お金があれば世の中の90%の苦労は無くなる、けど残りの10%は依然立ちはだかってくるだろう、それが老いや死、愛されたいといった人間の本質的な問題で、それは「なんともしようがない」と。現に漫画の中でも解決していない問題は山積み、かつ駄目なひとばかりだが、なんだかんだ村は続いていくんだろうなという希望は持てる。
かむろば村のようになかぬっさんは居ないかもしれないが、あなたの周りの問題も殆どがなんとか解決はしてきたことばかりでしょう。ただそれがあなた思ったようにではないかもしれないけどというの結びの言葉は、突き放している風だが、とてもあたたかい言葉に感じた。

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