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血界戦線(アニメ)

  • 概要
    2015年に放映された。原作は内藤泰弘先生の同名マンガ。「技名を叫んでから殴るマンガ」というコンセプトの通り、異界と繋がってしまったNYを舞台に秘密結社ライブラが暗躍する様子を少年漫画っぽい派手な必殺技とオシャレで小粋なドラマで展開する。「週刊世界の危機」という表現がピッタリで、鼻歌まじりに世界を救っていく破茶滅茶ながら希望に満ちた物語。原作漫画はもちろん素晴らしいのだが、今回はアニメに特化してレビューする。

  • 視聴きっかけ
    名作と聞きつつなんとなく視聴の機を逃していた「トライガン」を気にしながらも見る見ないでウジウジしていた矢先、同じく原作を内藤先生が描いている血界戦線がアニメ化するという噂を聞きつけたことが要因。主題歌をBUMP OF CHICKENが担当するという衝撃も相まってタイムリーに見ていた。一瞬「タイトルが古めかしい」と思ったが、「なんか硬派でいいかも?」と思い直せた、そんな時代とタイミングだった気がする。

  • 良かったところ
    原作のストーリーが各話素晴らしいのは言わずもがなだが、今回は音楽とアバンについて特に記述したい。アニオリ部分もありつつそれらを上手く表現している要素である。
    まずは音楽だが、全世界津々浦々の様々な音楽スタイルを各話で見事に使い分け、毎度ジャンルの違う危機とドラマを見事に演出している。サントラとしても非常に聞き応えがあり、何よりどの曲もオシャレ。これ本当にアニメのサントラなのか?と何度も思わされる。特に6話のメインテーマなんか絶対いいとこのレストランでかかっててもサマになる。
    曲自体ももちろん素晴らしいのだが、使い所やタイミングが絶妙すぎる。特に1話の構成はよくできており、クライマックスでOPテーマが掛かる流れは完璧。1話で言うとクラウスさんの最初からそんなカッコイイの出るのかという名言とBGMのマッチ具合も最高。
    また、アバンタイトルの出されるタイミングも一様ではなく、フォントやデザインも各話に合わせている。手法自体は最近のアニメでよく見られる一つのセオリーと化しているが、毎度物語に絶妙な配慮を感じられ、原作へのリスペクトも見える。
    終盤以外は原則各エピソード完結形式になるが、個人的おすすめなのは下記:
    ・魔封街結社(1話)
    ・世界と世界のゲーム(3話)
    ・震撃の血槌(5話)
    ・Don't forget to Don't forget me(6話)
    特に6話は涙腺に来る。内藤先生はこういうドラマがすごく上手い。

  • うーん箇所
    アニオリ要素についてはファン間でも物議を醸すところ。要素自体は悪くなかったが、1期全体に散りばめなくても良かった気がする点と、ラスボスの司る能力が分かりにくく、まとまりが見えにくかった点は残念だった。実は最終話の放送予定が制作サイドの「ちゃんと納得できるものを届けたい」というやや異例の理由で延期になった、且つ最終話が全然30分に収まらなかったという顛末があるが、潔く予定通り30分にまとめて放送してもそれはそれで良かったのでは、と思ったりする。結果論なのでそれはそれで賛否あると思うけど、アニオリは難しいなと感じる一例であった。

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