見出し画像

有事に強い企業たった1つの共通点

『まいったな 2020』と書かれた看板が、渋谷に設置されてますよね。

で、その看板について、人々からたくさんの共感の声が上がってるんだとか。これはおそらく、例のウイルスのことを現した言葉なんでしょうが、ぼくも確かにそうだと思います。

経営が大きく傾いたところ、仕事が一気になくなったところ、予定や計画が全て白紙になったところなど、この1年は本当にこれまで築いてきたもののほとんどを薙ぎ払うかのような時間が流れていきました。

ぼくが住んでいる街もそうです。駅裏開発の話もあったんですが、それが全て白紙に。そして駅前の開発としてホテルなどの建設も進んでいたのですが、予定の1/3が中止になったそうで。

もちろん被害を受けたのは、行政規模の大型計画だけではありません。街の小さな居酒屋だったり、個人でやってる雑貨屋さんなどといった、ぼくたちの生活に身近に存在しているお店たちも大きな被害を被りました。

ぼくも企業に入ってコンサルティングをしたりしているので、いろんな会社の情報や内情を耳にさせていただきました。で、やはり大なり小なり被害を受けた1年になった会社がほとんどだったのですが、実は、中にはそこまで被害や影響を受けてない企業もあったんですね。

そして、この1年で被害や影響を受けてない企業には、ある共通点があることがわかったのです。

それは、『企業・組織として一枚岩になっている』というものです。

つまり、有事に対する心構えや対処法、それに伴う施策や耐え忍び方であったり身の処し方、圧倒的不利な状況でも利益を出しにいく姿勢などといった行動指針が、組織や企業の全員に行き届いていたのです。

もちろん、有事に陥っても最初から無傷だったわけではありません。そうではなくて、有事に入った後からのリカバリーが非常に早かったのです。

確かに、この新型のウイルスは、ぼくたちに多大な影響を及ぼしました。ですが、本当に皮肉なことなんですが、ぼくたちに心から大切なことを教えてくれました。

それは、企業やお店にとって大事なのは、やはりなんといっても”人”なんだということです。

人によって会社の土台が作られますし、会社がどのような動きをして、どのような変化を遂げるかも全て人によって左右されます。それに、そもそもお金を回すのも人です。なので、人が利益を出すための方法を考えていかないと、会社に利益が生まれるはずもありません。

有事でも強い会社は、一枚岩なんです。

江戸時代の話なんですが、「商人と屏風は曲がらねば立たぬ」と蔑まれていました。この言葉が指す意味は、「屏風は蛇腹状に曲げないと真っ直ぐ立たない。それと同じように、商人も心が曲がってないと立つこと(商売をすること)もできない。」というものです。

つまり、商売人というのは、人を騙したり水面下でこそこそ悪巧みをしたり、商品を良いように言ったり心にも思ってないことを口にして人をおだてたりして、人々からお金をまきあげているというものです。このような意味で「商人と屏風は曲がらねば立たぬ」と言われていたのですが、この言葉は江戸時代に完全に根付いてしまっていました。

ですが、この言葉に反論した人たちがいます。西川如見や石田梅岩、岩垣光定などいった、江戸時代で商売道を説いていた人たちです。

彼らは、口を揃えてこう言います。「確かに屏風は曲げないと立たない。だが、そもそも地面がまっすぐでないと、いくら曲げても立たせることはできない。」と。

そして、続けてこうも言いました。「商人も同じだ。そもそも土台となる心が真っ直ぐでないと、どんな商品を扱っていても立つことはできない。そして、屏風のように曲げずとも、一枚岩のように厚く大きくたたずめば、曲げずとも真っ直ぐ立つことができる。」と。

昨今は、グローバル化が進んでいることと、インターネットによってたくさんの情報が簡単に手に入ることによって、新しい技術ばかりが注目されています。マーケティングにせよマネジメントにせよ、海外の最先端の技術だったり、過去に縛られない新しいやり方ばかりに注目が集まります。

ですが、よくよく見返してみると、ぼくたちが住む日本には、他国がうらやむくらいの長い歴史があって、現代でも通用する商売の日本的哲学というのも受け継がれています。

もちろん、新しい技術や視点というのは学んでいかなければなりません。ですが、昔の人々が身をていして実践して、ぼくたちに残してくれた教訓というのも、しっかりと反映させなければならないと思います。

このような共通点が発見できることは、なんかコンサルタント冥利に尽きるなのかもしれません。

いいなと思ったら応援しよう!

田辺輝恭
ReveDunJourプロジェクトは"夢”に特化し、子どもたち若者たちへ夢の持ち方・叶え方を発信しています。世界で夢を叶えてきた達成者たちが在籍。彼らから知恵と考え方を絞り取ることを是非としています。大和の心で我が儘に。