リーダーの対話スキルとは
ちょっと、今日はコンサルタントとして欠かせないスキルを紹介したいと思います。
といっても、人を導くリーダーみたいな仕事をしている人であれば、誰もが使うべきと言える内容です。具体性を持たせるのであれば、人から信頼を得ながら対話をしたいとか、感情的にならず建設的な対話をお互いにしたいという場合に役立つんじゃないかといった内容なんですね。
なので、
「どうしても会話が喧嘩腰になってしまう相手がいる」
「普通に会話してるつもりなのに『わかってくれない』などとなぜか反発されてしまう」
「立場はこちらが上なのに下に見られてしまいがち」
といった悩みをもたれているのであれば、この内容がお役に立てれると思います。
もちろん、このスキルを使っていないコンサルタントは能力が低いと完全に断定してもいい内容ともなっていますw
「うちが雇っているコンサルタントは大丈夫だろうか?」という視点でも、お楽しみいただければと思います。
さて、結論から申します。
リーダーや経営者などといった、人を導く立場の人に欠かせないスキルというのは『傾聴のスキル』です。
『聞く』と『聴く』の違いがわかる人〜なんて質問を受けたことがあると思うんですが、今回の話はまさに『聴く』の方になります。
そもそも、なんでこんな『傾聴』の話をしようと思ったのかというと、素直に傾聴ができてる経営者って意外と少ないことがわかったからです。
とかいうと、よく「いや、けっこう俺は傾聴の姿勢をとってるよ」という声をいただくんですが、「相手が話すことがなくなるまで聴くに徹してますか?」と伺うと、「いえ、やってません」と言われることがほとんどです。
たしかに、相手の話をさえぎることはないでしょう。でも、相手が言いたかったことを全て出しきる前に自分の意見をぶつけてしまう人って、けっこういるんですよね。
そうなると、せっかく話の場を設けたのに「この人は結局、私のことを理解しようとしていない」などいった、諦めや呆れの感情を抱いてしまいます。
なので、いらぬ誤解を招かないという観点でも、傾聴の姿勢をしっかりと取ることはリーダーとしては大切になってきます。
じゃあ、傾聴って具体的にどうすればいいんでっか?ということになってくるんですが、大きくわけてポイントは3つあると考えています。
1、話は最後までしっかりと聴く
2、共感やあいづちをいれる
3、こちらが話すのは相手がすべて話きってから
こうやって文字で見ると「んだよ、当たり前のことじゃねぇか」となってしまいがちなんですが、それぞれのポイントをマニアックなレベルまでやりこなさないと、傾聴の姿勢が効果を発揮することはないんですね。
で、それぞれ説明するんですが、『1、話は最後までしっかり聴く』というのは、相手が「もう話すことはありません」という状態になるまで、しっかりと聞き出すということです。
なので、相手が言いたいことを引き出す質問力が重要となってきます。人というのは、自分で「もう話きった!」と思っても、意外とあとで「そういえば、、」と話題をどんどん思い出す傾向にあります。
なので、辛いこと・恐怖に感じていること・やりたいこと・達成したいこと・いま自分なりに懸命にとりくんでいることなどと、いろんな切り口で質問をしてあげることが重要になってきます。
『2、共感やあいづちをいれる』というのは、まさに文字通りのことです。ですが、やるというよりも、そのやり方のほうがポイントとなってくるんですね。
どうするのかというと、相手の句点・読点を待って、そのタイミングで共感やあいづちをするんです。
「おお」とか「なるほど」といった共感をする大切さを知っている人は、実は結構おおいです。ですが、その共感を相手の会話にかぶせてしまってることが多々あるんですね。
そうなると、相手も「なんか適当に返事してんじゃないの」という印象を持ってしまいがちです。
相手がどれだけダラダラと話していても、しっかりと「。」がくるタイミングを待つ。これこそが、対話の中で本当に共感を得ることができるやり方です。
『3、こちらが話すのは相手が全て話きってから』というのは、句読点を待って共感を打てというのと似た内容です。
こちらがアドバイスをしたり意見を述べるのは、とうぜん相手が全て話きった後に行います。
そのほかにも、対話の中で内容がテーマから脱線しているときも、しっかりと相手の句読点を待ったうえで「ちょっと話がずれちゃってるんで、戻しますね」などと諭してあげることが大切です。
以上が、本当に効果のある傾聴の姿勢となります。
テキストで見ると「出来てそうだな」と思ってしまいがちですが、ここは一度、音声を録って自分で聞き直してみることもオススメします。
自分の意外な癖というのがみえてきますよ!
田辺輝恭