営業リスト作成SaaSを比較検討中に見えてきた自社が何を求めているか
ここ最近、営業リストの作成をSaaS利用で時間節約しようと考えており、何社かに問い合わせを入れた。
この時点で面白いなと感じたのが、即座に連絡をいただける会社もあれば、無反応の会社もある。営業リストを作成するのにインバウンドリードを放置するところはひとまず省けた。
連絡をいただけた企業はだいたい素敵な営業資料をプレゼントしてくれる。自社のサービスの強みや価格帯を余すことなく、それでいてシンプルに伝えようとする資料作成術は参考になるところも多い。
ただ、やはりシステム側と営業資料のタイミングが合致していないのか、電話口で話すと「今はその機能、提供していないのです」というパターンもある。システムサイドの人間からすると、ビジネス・営業サイドとの齟齬はタイミングによってよく生じるので大変だなぁという印象。
こうした活動の中で、自社が何を営業作成リストSaaSに求めているか、考えがまとまってきたのでアウトプットしながら選定に活かそうと思う。
クローリング・スクレイピングツールなら要らない
一般的に、営業リスト作成ツール運営企業は自社の情報源についてわざわざ晒したりしない。当たり前の話だが、公開しているケースもあるので書いておく。
公開しているケースはだいたい求人サイトからの情報取得が主となっているようだ。
おそらく、新規の求人サービスを立ち上げる企業あたりが欲するのだろう。
そして気づいたのが、だいたい求人サイトを情報リソースとして活用している場合、クローリングした結果を多少加工したデータを提供している。
Excel形式でデータを提供していただけるようだが、そのフィルタリングや重複データのマージが付加価値とされている。まれに付与データとして、自社でデータを補足しているようだが、やはり手作業が必要なデータ補足は多くない。
こういったクローリング結果によって得られるデータは正直必要ないなと感じた。
弊社がシステム開発を生業にしているということもあり、土日休みにでも自分で作れそうなツールでは魅力を感じづらかった。
用途別の使いこなしシーンがある
おおまかに分けて、今回自分が問い合わせ営業リスト作成SaaSは以下のように分けられる。
アタック系 = メールやフォームDM、テレアポをローラー作戦する目的
収集系 = クローラーで集めた情報でとにかくたくさん情報が欲しいケース
分析系 = SFAやMAと連携してデータをゴリゴリ作っていく高精度ツール
弊社が欲しいのはアタック系である。
ただし、メールDM、フォームDM、事前了解なしのテレアポはしない予定だ。今まで多くの営業活動を受けてきて、実際に弊社でDM系とテレアポから発注した経験がない。
弊社のような小さな企業だと、時間帯によっては非常に迷惑なタイミングでテレアポが来て頭を悩まされた期間がある。(創業したての頃はおそらく新しくリストに乗るのだろう)
大きな規模の企業だったり、資本が潤沢で相手企業も大きな規模の企業の場合は分析系がハマりそうだ。
収集系は数を売ってなんぼの企業にとって良いだろう。数をこなすタイプのアタック系も悪くないはずだ。
オーバースペックなツールを選んではいけない
先に挙げた分析系は、自分が見つけたものだけがそうなのかもしれないが、かなりオーバースペックだった。
たしかに分析した上で対象顧客とのつながりのカバレッジを高め、受注確度を割り出せる機能は効率化の面では多大な効果をもたらすはずである。
だが、弊社のように自社のサービスをほどよくカスタマイズさせながら、顧客に合わせて成長させていく段階にある場合は多くの顧客ニーズを拾うほうの優先度が高い。
数を打つより、いわゆる「ニーズを持っている可能性が高い顧客」を選定して、何かしら糸口を見つけて顧客のニーズやタイミングを調査し続けることから始めていきたい。
事業はニーズからだし、サービスはニーズに沿って育てるべきだ。
見えてきた営業リスト作成SaaSのワークフロー
システムに多く投資している企業ほど、システムが立派だったりするものの、やはりどこかで人力を加えているサービスがいくつか見受けられた。
そしてその人力の加え具合が強い企業ほど、「営業活動で本当に欲しいもの」を有していることに気づく。
エンジニアが一人いれば公開情報を自動で取得するプログラムを開発することは難しくない。
だが、そこからデータのクレンジングや運営実態の有無、さらには対象企業の属人的情報などは人間の思考回路がないと調査を進めることができない。こういった「人間の目」「人間の頭」「人間の手」による、一見作業コストパフォーマンスが悪い工程を入れているサービスほど魅力的に映る。
弊社が欲しいのはシステムの手が届かないところ
「使ってみて比較すればいいじゃん」は富豪のやり方だ。
小さい中小企業では1円でも無駄にして良い資産はない。(大企業だってそうであろうが)
たまたま業種的に金銭授受フローは銀行間のやり取りで済んでいるが、現金商売だったら1円を落としただけでも従業員総掛かりで床を探すだろう。
そういう財布の紐がかなり固くギチギチである弊社は、1社だけに絞る予定だ。
ここまで書いてきたように、「エンジニアが自動化できない部分」を持っているサービスを選定しようと考えている。導入予定が来年1月だが、来週には確定して来期の予算案に組み込んだ計算をして発注を出す。
我々エンジニアに出自を持つ人間はどうしても自動化やシステム化したがる傾向にあるが、そういったシステムでは表現できない部分をこれから大切にしていきたい。
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