FigmaとFigJamが研修や講義、授業でとても便利だという話
最近しっかりめにFigmaとFigJamを使って講義や研修をすることが増えた。
先日、テレ東BIZでも放送されていたが、日本企業のFigma導入はかなりの速度で進んでいる。
企業内で導入が進み続けるFigma
Adobe XD販売終了→AdobeのFigma買収計画→AdobeのFigma買収断念、という流れの中で一気に覇権を握った形だ。
Adobeはプランの縛りがなかなかXD単体で、というわけにはいかず、PhotoShopとIllustrator、そこにXDをつけると必然的にコンプリートプランになり、1ライセンスごとの価格も高くなる。
そういった中で、1ライセンス¥1,800(2024年3月現在)〜優良プランのあるFigmaは企業にとってありがたい選択肢だろう。
そんなFigma/FigJamを教育機関に導入したらどうだろうという提案がこの記事の本題となる。
Figmaエデュケーションプラン
これはすでに知っている人もいるだろうが、Figmaは教育機関用に無料でプロフェッショナルプランを使えるための制度がある。
なお、学校向けにはエンタープライズプランを無料で利用できる流れも記載されている。
このように、これから社会へ巣立つ若者に向けてシェア率獲得のための投資を積極的に行っているのだ。
こういったFigmaの姿勢はユーザーにとって有益であり、これからもFigmaがUI/UXにおいてトップに君臨し続けるであろうことが予測される。
なぜ教育にFigma/FigJamを導入すべきか
自分がIT教育を生業にしているということもあるが、Figmaは非常によくできたプロトタイプ作成ツールである。
それと同時にFigJamのホワイトボードツールは直感的な操作が魅力的であり、Miroに匹敵する使い勝手だ。
もちろん、FigmaでWebデザインやアプリデザインを全教育機関でやるべき、ということではなく、FigJamのようなホワイトボードツールを積極的に取り入れてほしいということである。
最近よくFigJamボードを使いながら講義をしているのだが、コミュニケーションの活発化が著しい。これは従来の黒板への板書だったり、スライドを見せたプレゼンテーションとは違い、自身の考えがそのままディスプレイに反映されるからである。(ファシリテーターが代筆してもいい)
さらに、FigmaはIT教育においてデザイナーだけでなく、PM/PgM/PdMといったマネジメント職、ひいてはエンジニア(特にフロントエンド)まで必須のツールとなってきた。
UI/UXやデータの持ち回りの表現しやすさが段違いだ。コメントをスレッド化することで議論まで完結できる。
考え方を流れに沿って教えていけるため、出発点とゴールが明確にしやすいという大きな利点が、教育においては非常に効果的だとわかった上に、社会に出ても引き続き流用できるスキルだと言える。
単純な操作の楽しさ
Figmaの最大の特徴として、触っていて楽しい、ということがある。
多くのテンプレートやUIコンポーネントがFigmaコミュニティで手に入る上にプラグインも豊富だ。自分が作りたいものを想像力に任せて組み上げることができる。
若年層向けの授業でScratchを利用することも多いが、ああいった形で「ブロックを組み上げて作る」という様子は様々なプロダクト開発で役立つ概念だと言える。
プログラミングですら、一行々々が意味を持ち、それを積み上げていくことで一つのシステムとなっている。カクテルも混ぜ方など差はあれど、グラス・氷・スピリッツ・リキュール・その他材料を組み上げて一杯を作り上げる。
こういった社会で役立つ概念そのものを学ぶためにFigmaはうってつけであり、それらを作り上げるときのコミュニケーション、ディスカッションの手段としてFigJamは最高である。
自分の悪い癖で、自分が触っているプロダクトが最高!と思いがちになる傾向があるので、なかなかに偏った記事になってしまった。
反省はしつつも、これからもFigma/FigJamを利用した講義・研修・授業を通してその有用性を検証していきたい。