田原カフェ書籍化企画、始まる
田原カフェを本にしよう、という企画がスタートしました。 先日、出版社さんと第一回の打ち合わせを行い、すでに少しずつ書き始めています。
私はフリーで対話の場づくり、ファシリテーション、ビジネススクールの事務局などを仕事にしています。
仕事の一つである田原総一朗さんとのトークイベント「田原カフェ」のこと、そして30歳の私から見た90歳の田原さんについて、私が著者として書きます。
版元は「ひろのぶと株式会社」さんです。今月22日には、古舘伊知郎さんのご著書『伝えるための準備学』を刊行予定です。
今年の始めごろ、大学の先輩でもある社長の田中泰延(ひろのぶ)さんから、築地の定食屋で「本を出さないか」と言われました。
田中社長とは、ご著書『読みたいことを、書けばいい。』(ダイヤモンド社)を読んで以来のファンで、ツイッターを通じて交流させていただいていました。
「本を出す」ことはいつかやってみたいと願っていました。
しかし、その時はあまりにも畏れ多すぎて、その場しのぎのことしか言えませんでした。田中社長は礼節とユーモアを重んじるお人柄で、古巣の電通で鍛え上げたリップサービスかと思ったのです。
そこから話し合いを重ねてきました。
どうやら私と一緒に本を出したいのは本気で、しかも、私が著者として書いたらおもしろいと力説されたのです。
そりゃ本を売ることに重きを置くなら、日本全国津々浦々までネームバリューがある田原さんが書くほうが、手に取ってもらえやすいでしょう。
しかし、そこをあえて無名の私が書くわけです。対話の場づくりをしている主宰者である私が書くことに意味があると、田中社長はじめ版元のみなさんは私に賭けてくれたわけです。
こんな有難い話はありません。
田原カフェを始めた当初「田原さんと若者のイベントなんて人が集まるわけがない」と、否定的な声もあり、始まってからも集客に苦戦した時期もありました。
それが、今では3年目に突入し、次回で32回目になります。
田原さんの世代を超えて通じるエネルギッシュな魅力、そして私があの対話の場に懸けている思いが、田中社長はじめひろのぶと株式会社のみなさんに通じていたのです。
最後はむしろ私から頭を下げて、みなさんの賭けに乗らせてもらうことにしました。
ひろのぶと株式会社は紙の本にこだわる会社です。紙の本は書き手の思索が具現化されたシンボルのような気がします。
ネットで書く文章とはちがい、紙の本はより人の五感に訴え、アタマに心に何かを伝播させるのではないでしょうか。ひろのぶと株式会社のみなさんは、そこへの妥協はいっさいしないプロ集団です。
そんなひろのぶと株式会社のみなさんと本を出して、本がどんな世界へ連れてってくれるのか、今から楽しみでなりません。
同時に、今、私の眼前にはエベレストのように積もった文字の山が見えて、白目をむきそうです。これから文字の山を切り崩して数万字を整然と綴るのかと思うと、途方に暮れそうにもなります。
本を書くことで何を伝えたいのか、届けたいのか、も自問自答します。読み手である自分が納得できないものを、世間に出したくはありません。
書きながら、何を世に問うかと同時に、自分にも問いを向けなければいけないでしょう。
ちなみに、まだ構想段階ですが「こんなことを書けたらいいな」と、ひろのぶとのみなさんと話し合いをしています。
私と田原さんの出会い、田原カフェが始まるまでの経緯
対話の場づくりをするうえで大事にしていること
これまでの田原カフェをいくつかダイジェスト版で掲載
私と田原さんの60歳差の対談
あくまで予定です。
90歳のジャーナリストと若い世代の対話から生まれる「場」のエッセンス、そして田原総一朗という伝説の域に達しつつある存在と過ごす時間の中で見えてきたことを、言葉を綴り、伝えられたらと思います。
長くなりましたが、最後にもう一つだけ書かせてください。
私は「本を書くこと」については初心者で、右も左も分かりません。長い道のりになりそうですが、具体的にいつ形になるかも分かりません。
ですが、私には仲間がいます。「ひろのぶと株式会社」の「と」は「~と(&)」の意味で、英語にすると「Hironobu & Co.」になります。
みなさんに託していただいた思いに応えられるように、気を引き締めて取り組みます。もうこれで後に引けません。
ぜひ応援していただけたら幸いです。よろしくお願いいたします。
Cover Photo:Yosuke Sato
追加で告知もさせてください
■次回の田原カフェ
次回の田原カフェは、久しぶりの日曜日のお昼開催です。ゲストは作家の乙武洋匡さんです。
真夏の午後のひととき、カオスな対話でさらに熱い時間を楽しんでもらえたら幸いです。
▼詳細・参加お申込みはこちら
▼過去の会の様子はこちら
■古舘伊知郎さんの『伝えるための準備学』
ひろのぶと株式会社さんが古舘伊知郎さんとタッグを組んだ新刊『伝えるための準備学』が、7月22日に発売されます。
古舘伊知郎さんの喋りは天性の物ではなく、血がにじむような「準備」の成果だったのです。
まだ世に知られていない、古館さんの姿が本になりました。
こちらもぜひお手に取ってご覧ください。
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